感性の唸り

黒川祐希

253文字

詩です。作品の磨きには際限がありませんが、なぜか詩に限っては「この形じゃなきゃいやだ」と思う瞬間があります。

午後 優しい男の子が教えてくれる
秘密のパレードをみていた
夕方になって 男の子は泣いていた
私はそれもみていた

 

八百屋の爺さんが読売新聞
帰り道ではカレーの匂いがして
換気扇がそれをかき立てている
汗ばんだ手は意味を離した
私は低気圧の心配をしていた

 

緩んだ神経は空を仰いで
架空の物語を展開する
この街の別の姿と
私たちの今後について
朝焼けが闇を奪っていって
精神のありかは失われた

 

青いランドセルに反応する
夕暮れ時の反感と
相対する星の思い出
ときの流れは十代とは違う進み方をして
感性が少し唸っている

2021年4月9日公開

© 2021 黒川祐希

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