原爆

黒川祐希

420文字

詩です。生活のなかで思ったことについて書きました。

めくる月曜に天使は飛んで
落ちる火曜に去来した

 

なめる水曜と、そのあとにくる休日が
全体の季節を支えていることに
気付けるのは、曜日感覚を放棄した人だけという皮肉すら
神話は呑み込んで膨らんでいった

 

無知に咲く花を愛でて
恋人の虚偽を暴く
桜には微量のエフェドリンが含まれているから
科学者はいつも泣いているんだって

 

もえる金曜に天使は駆けて
爆ぜる土曜に飛来した

 

昔々、この国には大きな戦争の問題があって
それにより大勢の人間が、愛の持つ毒性を知ったという
辞書を信じない僕たちは、いくらでも遊びを展開する自由を持つが
それ自体が盲目であることも、彼らは知っていたという逆説がある

 

カレンダーは強風に焼かれていきます
今日は七月、それとも二月
判然としないが、磨りガラスの向こうでは猫が鳴いているし
人間には僕なりの日常がある
広告が失墜したところで
本体は痛手を受けないし
あの人の地元の野菜は
いまもなお毛嫌いされている

2021年2月23日公開

© 2021 黒川祐希

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