西荻は土日祝日各駅停車

早川 ラララ

1,325文字

短歌のコンクールに出したのですが、無事落選しましたので、破滅派にて掲載いたします。

青空はきらいなのです何もかも眩しく見えてかなわないから

友達に戻りたいのと言ったのは君の方じゃんどうして泣くの

本当のしあわせなんてひとつだけ付き合う前の恋人つなぎ

中目黒さくらと人が満々で行く気が失せるちょっと遠いし

おとなりの艶やかな声聞きながらカップルうぜぇとツイートをする

ディズニーのお城の前でプロポーズ断れる訳無いだろうがと

お出かけをするたび首にかけたのに置物になる一眼レフか

タピオカ屋女子高生は何処へと今はUberの人もいない

無情にも残高不足改札で舌打ちをするおじさんきらい

つり革に手をのばす子を包む母チューハイの缶床にたたずむ

恋人はいないのと聞くマスターに地元にいますと見栄をはる夜

東京はもしかしたらさミルフィーユたてもの然りにんげん然り

ふるさとの三陸の海に想い馳せ牛乳瓶からウニをかきだす

目薬をさすとき口が開いてると笑ってた君ふと思い出す

天井をじっと眺めてみたものの起き上がれずにじっと眺める

ひとはみな楽な言葉に流れてくエモいチルいにぴえんにぱおん

ツイートの海で溺れている人に素人は手を出すべからず

いつまでも夢を抱けと声高に叫ぶ人ほど超リアリスト

歯ブラシも君の匂いがする服も覚悟を決めてゴミ箱に捨て

一時期は誰もが腕につけていた最近見ないアップルウォッチ

物豆奇でひとり静かにコーヒーを振り子の音が話し相手か

古道具ハンドメイドに生食パン気取ってる店だいたい高い

真夜中にカップラーメン食べるときこれが永遠かとふと思う

恐ろしきげに恐ろしき恐ろしき黒光りする素早いアイツ

音楽は分からないからドライブの時はだいたい東京FM

カレー屋は日本人よりインド人ナンがでかいしチャイもうまい

永遠に変わらないもの実はある昼間から飲む酒のおいしさ

つまらないプライド全部捨て去って路上で眠る美しいひと

カルディでコーヒー配るお姉さん一瞬なろうと思ってやめた

キンモクセイ秋の香りのドレス着て舞踏会で踊る少女か

それいゆのモーニングセット食べながら店員を見る幸せになる

駅前の像はどうしてピンクなの緑の方がかっこいいのに

タバコ屋のおばちゃんどうか死なないでガラムあるとこ珍しいから

午前二時眠れないから長電話名前を呼んでただそれだけで

東京の夜空に星は無いけれど地上が光るキラキラ光る

自転車でゆるく旅する秋の日に入道雲はどこかに行った

肉まんを半分くれた君曰くこれは宇宙で一番うまい

終電で帰りたいとは言ったけど今日じゃなくて明日のことだよ

しあわせはいつでもそばにあるけれど上を見てたら気づかないまま

パチンコの立て看板を持つ人もきっと家族がいるのだろうね

夕闇はいつも静かにおりてくる厚手のカーテンそっと閉める

耳たぶのピアスの穴をグリグリとあけようとする柔らかい舌

室内は絶対禁煙おこられてベランダで吸う隣人と目があう

今日の君アリさんみたい笑っちゃうコントラバスを背負うすがたが

しずしずとビルの間に降る雪はやさしく見えたそんな気がした

夕飯はカレーにしよう肉あるしにんじんじゃがいも買って帰るし

まどろみの中できこえるハイヒール同じ速度の君の心音

珈琲を豆から挽くよと言った朝飛び起きてくる君の可愛さ

そうだった忘れていたよ西荻は土日祝日各駅停車

すりすりと頬をかすめてゆく風がやわらかいから春が好きです

2020年11月28日公開

© 2020 早川 ラララ

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