垂涎エチュード

狐塚月歩

271文字

誰の耳朶に注がれる蝉時雨。人は皆凡庸と知りながらも生き、子等は尊ばれながら育つ。

蝉時雨が降り注ぐのは

彼等が仰臥するまでで

終演を告げるあなたが咲いた

あの畦道を走るから

誰かは向日葵、向日葵。

どこへなりとも征けばいいから

 

彼方とは飛び交うもので

風の噂に聞いたことなら

諧謔を胸に刻んで母は

乳飲み子を慈しむよ

二度寝の蚊帳は吊りたて

私はあなたに恋をしたから

 

兆候としての空白に

凡庸さながらと依存したい

 

その子驕れる黒髪に艶を

青い春の兆しに時候は

胎動を網膜に悼んで遂に

群衆へ溶けてゆくがいい

跡目の意味を継いでは

若葉へと昇華するだろう

 

 

2016年3月19日公開

© 2016 狐塚月歩

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