裕子の乳

天汁ちしる

小説

3,029文字

乳を飲み飲み、拓はふと自分の母親を犯しているような気分になった。

 

湯船の中から髪を洗う裕子の背中を見ながら、山野辺拓は漠とした不安にさいなまれていた。

これから先、この女が自分と共に生きる時間がどれくらいあって、それに伴う苦痛がいかほどであったとしても、彼女は自分のもとを離れていくことはないのだろうか。今はたまたま一緒にいるだけで、いわば条件が合っているからこの空間を共有している。ただそれだけのことだ。時間の経過とともに状況と条件が変わってくれば、それはできなくなるだろう。二人でいることの意義がなくなってくる可能性は大いにある。

裕子は頭を洗い終え、ボディソープを手に取り身体を洗い始めた。大ぶりの乳房とやや括れた腰回り、尻はぷっくりと餅のように膨らんでいて身体に張りついたなめらかな肌が白く光っている。

この女の身体つきがたまらない。腐女子っぽいメガネをかけた顔も好みだ。どうしようもなく官能的で、見ているだけで勃起してくる。交際を始める前まで何度も何度もオナニーのネタにしていた。たいてい騎乗位だ。椅子に座ってオナニーをしているから必然的にそうなる。目の前で揺れるおっぱいや顔や股間や陰毛を想像しながら、何度も何度も抜いた。

あぁ、たまらない。泡にまみれる身体や腋や乳首やおっぱいを見ているともうぞわぞわしてくる。飛びついて撫で、擦り、揉みしだきたくなる。その濃い毛のもじゃもじゃの中にはピンク色の耳たぶのような性器があって、それがぐちゅぐちゅと甘い汁を垂れ流しているのだ。

「ちょっと何してんのー?」

湯船の中でカチカチに反り返ったちんちんを扱いていたら、裕子に見つかってそう言われた。

「おちんこ様の怒りをしずめています」

「そんなんじゃしずまらないよ!」

裕子は拓のちんぽをぎゅっと右手で摑むと、思い切り上に引っ張った。

「いてててて!」

「うっせぇ。うらうらうらうら!」

股間から引っこ抜こうとする勢いで引っ張ってくる。その痛みで余計ちんちんはバキバキに反り返る。もう「し」を通り越して「く」の字くらいの角度までいっている。

「おい、あほかー」

湯船からざぶーんと上がると、もぎたての桃のように照り輝いていた白くでかい尻を摑み、後ろからちんちんをまんこにぶっ刺した。

「あんっ!」

ボディーソープかまん汁か分からないにゅるにゅるであそこは煮込み過ぎたおでんみたいになっていて、巨大なちんちんは膣を通り越して子宮口をダイレクトに突いた。

後ろから手を伸ばし、両手でおっぱいを揉みしだく。

裕子の乳首の先から母乳のような白濁した液体が滲み出て、さらに揉み続けているとぴゅーっと細いシャワーのように出始めた。

「乳出てるよ。吸っていい?」

裕子はあんあん言いながら激しく何度か頷き、拓は尻からちんこを抜き、前に回り込んでおっぱいにむしゃぶりつくと口を窄めてチューチュー吸った。

ややしょっぱい薄めの牛乳のような味だった。美味くも不味くもない。

「もっと吸って。吸ってぇ!」

ガチガチになったちんこを扱きながら、裕子の乳首を吸いまくる。母乳を飲み飲み、拓はふと自分の母親を犯しているような気分になった。

ごろんと風呂場のゆかに寝転がり、赤ちゃんになった。

「ママ、ぼくのちんこ吸ってー!」

「んもう、しょうがないわね」

裕子は四つん這いになって拓の顔に股間とまんこを擦りつけつつ、ガチガチちんこを根元までほおばると、じゅぼじゅぼ言いながら吸い、舐め始めた。

拓もベロをまんこの中にねじ込み、レロレロさせた。

そのとき、あれ? と思った。

母乳が出るということは、裕子は妊娠しているか赤ちゃんを産んでいるということではないだろうか。でも、そんな話は聞いていないし、生理直前の安全日以外は中出しはしていない。

ということは裕子は他の男と危険日にヤッて中出しをさせていて、その男の子供を身籠るか出産したということだ。

「あれあれあれ」

裕子の口の中でちんちんに血が巡らなくなって、ふにゅふにゅの単なる海綿体組織に戻った。

でも、一緒に暮らしていて妊娠や出産に気づかないということはありえない。腹も大きく膨れ上がってくるだろうし、出産にはそれなりの時間がかかるはずだから、そんな長い時間……。

仕事中だ。朝九時くらいに産気づいて産科に行き、夕方五時頃までに産んで家に戻ってくれば気づかれずに済む。でも、その赤ん坊はどうする?

その中出しをさせた男に託せばいいのか。今は簡単にできる粉ミルクもあるから、とりあえずそれを飲ませておけばいい。

「ちんこ死んでるよー」

「ごめん、ばあちゃんの病気のこと急に思い出しちゃって」

手術が来週に控えていて、たしかに考えなくもないが、単なる言い訳だった。

「そっか。じゃあ、もうダメだね」

拓は起き上がって湯船に入り、裕子は身体洗いを再開した。

くっそー。裕子に中出ししやがって。裕子のまんこは俺専用のものなのに。

身体を洗い終えた裕子はシャワーを浴びて風呂を出た。盛り上がってきたときに急に萎えられ、怒りで口も聞きたくない様子だった。

五分後に拓も風呂を出ると、裸のままスマホで「母乳 出た」と検索した。

すると、上から四番目くらいに産婦人科医が、妊娠していないのに母乳が出る原因を書いているサイトがあった。開いてみると、「妊娠していないのに母乳が出る背景には、『乳頭の刺激』『脳の腫瘍』『薬の副作用』『高プロラクチン血症』の4つの原因が考えられます」と書かれていた。

裕子に関しては、乳頭への刺激が該当するだろう。毎朝毎昼毎晩、暇があれば揉んだり摘まんだり舐めたり吸ったりしているからだ。それで出ちゃったのだろう。

ああ、よかった。他の男とヤッて中出しさせているんじゃないんだ。

「ごめんなさい」

洗面所で頭を拭いていた裕子に拓は土下座をした。

「母乳出たから、浮気してんのかと疑っちゃった」

「そうそう。出てわたしもびっくりしちゃったんだけど」

「でもスマホで調べたら、乳首刺激しまくれば妊娠してなくても出ることあるんだって」

「へー、そうなんだ。でも、妊娠してるかもしれない」

「えっ、まぢで?」

「だってゴムなしですることもあるでしょ。いく前とか」

たしかにいつも射精しそうになってからゴムをつけるようにしている。

「あれって、ガマン汁にも精子ってあるんだって」

「カウパー液だっけ。高校の保健体育の時にやったなー」

「拓ちゃんってこども欲しい?」

「こども?」

「そう。わたしと拓ちゃんのこども」

想像してみたが、ぜんぜん実感がなさ過ぎて分からなかった。

「わっかんねーな」

「バカじゃん」

「なんで?」

「人類ってこども産むために生まれてきてんだよ。種の存続ってやつ。男と女にこんなに強烈な性欲があるっていうのはそういうことなんだよ」

「まあ、昔はコンドームとかもなかったわけだし、ヤるってこと=こどもを作るってことだったんだろうな」

「じゃあ、こども作ろうよ。拓ちゃんとわたしのこども」

「あ、うん」

その前に結婚が先だと思ったが、裕子はそういうのに縛られたくないのかもしれない。

「じゃあ、セックスしよ。ゴムなしで」

「あ、うん」

裕子は着ていたパジャマと下着を脱ぎ、裸で洗面所の床に仰向けになった。

「じゃあ、挿れて」

膝を曲げて股を大きく広げ、濃い陰毛に覆われたまんこを開陳した。

「あ、うん」

拓のちんちんはだらりと雨に濡れた寝袋のように股間から垂れ下がっていた。

裕子のピンク色のまんこを眺めながら、こどもかー、と考えると拓のちんちんはさらに縮んで小さくなっていった。

 

 

[了]

 

2022年5月20日公開

© 2022 天汁ちしる

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