コールドエンジェル

応募作品

小木田十(おぎたみつる)

小説

3,225文字

 切れていたはずの蛍光灯がなぜか切れていなかった――というところを起点に、ドッペルゲンガー現象をからめたダークファンタジーを書いてみました。

「ねえ、出勤前に悪いんだけど、屋根の雪かき、ちょっとだけでもやってもらえないかな」

妻にそう言われたアサヒは、口に運びかけていたコーヒーカップを乱暴に皿に戻した。

「だったら、もっと早く言えよ。今日は午前中に大切なリモート商談があるんだぞ」

妻は一瞬、ひるんだ様子を見せたものの、キッと見返した。

「だって、雪がこんなに積もるなんて、天気予報では言ってなかったし。商談のことなんて私、聞いてないわ」

「そんなことをいちいちお前に言うかよ。とにかく雪かきは帰宅してからだ」

「かなり積もってるわよ。これ以上、降らなければいいけど」

「さっき、天気予報で言ってただろう。昼間はたいして降らないさ」

「でも……」

「しつこいな。玄関前だけはスコップでどかしとくから。屋根は帰宅してからでいいだろ」

トーストをかじっていた四歳の娘が、丸い目で父親と母親とを見比べていた。

棘のある言い方をしてしまったせいか、妻は黙って流し台で洗い物を始めた。

ちょっと言い過ぎたか。だが、今さら謝る気にはなれなかった。

昨夜のうちに、一帯は記録的な積雪に見舞われていた。この辺りでは、めったに使われることがなかった除雪車が出動して、一般道は通行できるようになっているらしいが、民家の一階部分は、半分ぐらいが雪に埋まっている。妻が心配しているのは、屋根に積もった雪の重さで、家がどうにかなるのでは、ということだ。

いや、この程度で潰れはしない。妻はもともと、心配性が過ぎるところがある。

「お父さん、このままだと、家が潰れれちゃうよ」

娘が、妻の気持ちを代弁するかのように、父親の顔を覗き込むようにして言った。

「これぐらいで潰れたりはしないさ。大丈夫」

「お父さん、雪を馬鹿にしたら、雪女に消されちゃうんだよ」

「ほう、それは怖いね」

アサヒは苦笑して、コーヒーの残りを飲んだ。この地方では、そんな感じの昔話や言い伝えがある。娘も幼稚園あたりで聞かされたのだろう。

朝食を終えて、防寒コートを身にまとったアサヒは、スコップを手にして玄関から外に出た。妻の機嫌を取って、少しは屋根の雪かきをしようかと思ったのだが、外を覆っている雪を見ると、たちまちその気が失せた。今は玄関から道路までの数メートルの雪をどかせるぐらいの時間しかない。

家の中に向かって「行って来る」と声をかけたが、妻からも娘からも返事はなかった。

 

除雪車が出動してくれたお陰で道路は歩けたが、凍結している場所もあって、いつもより歩くのに時間がかかった。おまけに列車のダイヤも大幅に乱れていて出勤が遅れてしまったが、リモート商談には間に合ったので、ほっと胸をなでおろした。

商談後、社員の一人が「あの、課長」と不安そうな表情で声をかけてきた。「課長が住んでる辺りで、雪で民家が潰れたって報道してますよ」

アサヒは、あわてて席を立った。見回すと、スマホの画面を見ている社員の回りに何人かが集まっていた。

覗き込むと、言われたとおり、積雪のせいで民家の一部が押し潰されたと報じていた。そして聞こえてきた地名は、まさしくアサヒの住所地だった。

朝に、妻と険悪な感じになってしまったことが頭によみがえった。仕事のストレスもあってか、このところ、妻に対してはいつも、あんな感じの接し方をしてしまっている。

上司に断ってその場から離れ、自分のスマホを取り出し、妻にかけた。コール音が繰り返されるたびに、胸騒ぎと共にぞくぞくとする寒気が足もとからはい上がってきた。

妻のスマホにつながらない……。今度は自宅の固定電話にかけ直した。

やっと通じた。娘の声。「お母さんに代わって」と言うと、しばらく待たされてから「はい」と妻が出た。その声を聞いたとたん、アサヒはため息をついた。

「ああ、無事か。家は大丈夫か」

「はあ? あの、どちら様でしょうか」

「おい、こんなときにふざけるな。家は大丈夫なのかと聞いてるんだ」

「ええ、大丈夫ですけど」

「雪かきは? 俺が帰らなくても、持ちこたえられそうか」

「ええ……夫がやってくれてますから。あの、すみませんが、どちら様ですか」

「お前はリエだろ。俺は夫のアサヒだ、おいっ」

妻が返事をしなくなった。代わりに「どうかしたのか」という男の声が聞こえた。それに対して妻が「知らない男の人が、あなたを名乗ってるのよ」と言っている。

アサヒは「おいっ、おいっ」と怒鳴ったが、返事が聞こえなかった。だが、しばらくして、誰かが受話器を耳に当てているらしい気配が感じられた。

「おい、あんた何者だっ。俺の家で何をしてる」

相手はしばらくの間、返事をしなかったが、やがて低い声でこう言った。

「家族をないがしろにする奴に、帰る場所はない。俺がリエの夫だ。お前はもう不要だ」

怒鳴り返す暇もなく、電話が切られた。すぐにかけ直したが、つながらない。

何が起きてる? 怒りよりも、得体が知れない不安と困惑が、膨張していた。

アサヒは、会社を飛び出して自宅へと向かった。防寒コートや手袋を忘れたことに途中で気づいたが、そんなことに構っている余裕はなかった。

 

列車のダイヤはまだ乱れていたが、自宅の最寄り駅に到着。家はここから約一キロ。

駅を出ると、風は吹いていないのに大量の雪が降っていた。辺り一面、白、白、白。建物の形などで、何とか普段の街の姿が思い出せるという、異様な状態だった。

天気予報では、日中は降らないと言っていたのに。アサヒは、スーツの襟を立てて舌打ちし、首をすくめて歩き出した。

家が見えてきた。二階の窓の明かりを見て、違和感を覚えた。

あの部屋は蛍光灯が切れていたはずだ。アサヒが買いに行くことになっていて、今はまだ照明は灯らないはずなのに……。

あの謎の男が蛍光灯をつけ替えたのか? いったい何者なんだ? リエはなぜ気づかない? 何が起きてるんだ?

雪はますます激しくなり、自分の家が見えなくなった。周囲に人の姿はなく、回りの建物も雪が積もり過ぎてしまって、ただの白い壁のようにしか見えない。

風がないのに空気が冷たい。アサヒの耳や鼻は、ちぎれそうな痛みさえ遠のいて、感覚がなくなりつつあった。足も、スネ辺りから下が、麻酔にでもかかっているような、自分のものではないような気がした。

雪に埋まっている足を引き上げてみた。雪の粉を払い落とす。

スネから下が半透明に白くなっていた。アサヒは、まばたきを繰り返し、目を凝らした。どう見ても、スネから下が、濁った氷のように半透明になっている。

気がつくと雪は腰の辺りにまで積もっており、左右にあった雪の壁が、いつの間にか前後にもできて、行く手を塞いでいる。これは現実なのか?

いつの間にか、一人の女が、目の前に立っていた。白装束で、長い髪が垂れ下がって、顔がよく見えない。風が吹いて髪が乱れ、そこに見えたのは、妻の顔だった。

「リエっ」と叫んだ次の瞬間、女はすーっと、小さくなった。

そこにいたのは、娘だった。口もとをゆがめて、不気味な笑い方をしている。

まばたきをし、目をこすった次の瞬間には、娘のように見えた子どもも消えていた。

周囲を見回すが、誰もどこにもいない。アサヒは、白い空を見上げた。もう、積もっている雪の頂上がどこにあるのかさえ判らない。雪の壁はさらに狭くなり、動けなくなった。

両手を見ると、やはり白く半透明になっていた。雪はみぞおちの辺りにまで達している。

アサヒは動くことができず、思考が鈍くなっていた。そのせいで恐怖感におののくことはなかったが、その代わりに、自分の終わりが近づいていることを、他人事のように悟った。

両手の半透明化は、腕から肩にまで及んでいた。おそらく、首も顔もそうなってきているのだろう。自分の実体が消えて、雪と同化しつつあることを感じる。

妻と娘と一緒にいる、もう一人の自分の様子が、頭をよぎった。暖かい部屋で、みんなで食事を取っている。三人とも笑っている。そして 娘が口を開く。

雪を馬鹿にしたら、雪女に消されちゃうんだよ。

2022年1月15日公開 (初出 なし

© 2022 小木田十(おぎたみつる)

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"コールドエンジェル"へのコメント 29

  • 投稿者 | 2022-01-22 11:01

    テンポが良くてこなれているなーと思います。正統派ホラーっていうんですかね。反面、意外性はないんですが淡々とした語り口が怖さを存分に伝えています。
    雪かきは重労働ですよね。雪国に生まれなくて良かったと思います。

    • 投稿者 | 2022-01-22 15:28

      早々のご感想ありがとうございます。
      主人公が最後に死ぬ話を暗くならないようカラッと描くことを心がけました。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-25 20:13

    ogita-mitsuruさん
    ドッペルゲンガー自体は怖くないと僕も思っていて、やっぱり雪は怖いですよね。今日も天気予報は大雪予想だったり。
    妻から娘、それが消えるまでの流れが非常に伝わりますね。
    ただ、最後のひと言は優しいものです。
    渋谷の監督協会から出た時に、車に乗ってたホストみたいな男が居て、その顔が僕だった経験があります。他にも二人写真を持ってます。そのうち一人はSNSで繋がってます。みんな頑張っていますよ。

    • 投稿者 | 2022-01-25 21:12

       自分と同じ顔をした人が頑張っていたら、気持ち悪いとか怖いとか思うよりも、あいつが頑張ってるんだから自分も頑張れるはずだと思えるような人間でありたいものです。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-25 20:17

     すらすらと淀むことのない筆致で、とても読みやすい文章に加え、ストーリー展開も自然で、勉強になりました。
     小説をきちんと勉強したことのない者の意見で大変恐縮ですが、一点だけ気になったのが下記の部分です。

    「ええ……夫がやってくれてますから。あの、すみませんが、どちら様ですか」
    「お前はリエだろ。俺は夫のアサヒだ、おいっ」

     このように対応されたら、普通は間違い電話をしたと考えるのではないのかなと私は思いました。
     が、ここら辺から妙な世界に入り込んでる感もあるので、やっぱりこの表現のままが正解なのかもしれないなとも思いました。

    • 投稿者 | 2022-01-25 21:15

       間違い電話かと思ってしまう場面を入れたら入れたで、自分の妻の声を聞いてそんなふうに思う方がどうかしてると指摘する人もいそうですね。
       〔間違い電話などではない。あれは確かにリエの声だった。〕という一文を挿入すれば、どっち側も納得するかな。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-27 10:14

    読みやすく光景も目に浮かぶ文章でした。
    単なる疑問なのですが、雪女に幻?を見せられて主人公が消されてしまったのか、雪女がドッペルゲンガーのように成り代わったのかどちらなんだろうと思いました。
    また、蛍光灯が新しくなっていたのは雪女が買いに行って取り替えてくれたのでしょうか? それとも幻であることの象徴的な描写として「切れてない蛍光灯」を用いたのですか? 個人的には後者だと思って解釈していました。
    面白いホラー掌編としてよくまとまっていると感じました。

    • 投稿者 | 2022-01-27 13:12

       吹雪などで遭難すると体温低下などにより幻覚を見てしまう事例が多いようなので、一応はそこ踏まえています。超常現象が好きな人は、雪女による仕業だと受け止めてもいいし、大雪で閉ざされた世界を出入り口としてパラレルワールドからもう一人の自分がやって来て棲む世界を入れ替えられた、などと考えてもいいかと。解釈は読者にお任せします、ということで。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-27 12:18

    ホラーでありつつ、なにか教訓話のようにも読めました。
    朝起きたら家の前に雪が壁のように積もっていたという経験があるので、雪に包囲される描写には少しリアリティを感じられました。

  • 投稿者 | 2022-01-27 13:28

     描写のリアリティは、視点の主(この場合は主人公のアサヒ)が見たもの、聞いたもの、触れたもの、感じたことなどを描くことと大きく関係しており、視点の主を通じて読者に物語を疑似体験させることが重要だと考えています。そうすることによって読者を物語世界に引き込むことができれば、たとえ実際にはあり得ない話でもリアリティを獲得できるわけで。

    著者
  • 投稿者 | 2022-01-28 17:09

    年末年始秋田の実家に帰省していたんで、その時の事を思い出しました。スゴかったんですよ。雪が。今年は。

    あと子供に、「お父さん、雪を馬鹿にしたら、雪女に消されちゃうんだよ」って言われても、苦笑だよなって思いました。それはそう。まさしく。どう反応したらいいのか、何が正解なのか、わからない。

    私なんて苦笑もしないかもしれない。まあ私が人の親じゃないからかもしれないけども。

    その点で言えば、この話のアサヒさんはまだ子供を持つ親の対応が出来てると思えました。いくら「雪を馬鹿にしたら、雪女に消されちゃうんだよ」って言っても死ぬほどの事はしてない気がする。不要だと言われるような事はしてないような気がする。

    扶養家族が居るのに不要って言われるなんて。ちょっと気持ちが浮揚してただけなのに。

    • 投稿者 | 2022-01-28 17:33

       娘のこのセリフはラストの伏線としてしゃべらせています。それをアサヒが苦笑したのはね幼い娘に両親の言い争いを見せてしまったことについてバツの悪さをごまかそうとしたわけですが、まだ自分に深刻な事態が迫っていることに気づいていない、という意味合いも含んでいます。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-29 14:39

    大切な家族なのになんであんなこと言っちゃったんだろう、頼まれたのにどうしてやってあげなかったんだろうとか、よくありますよね。時にはそれで一生後悔することになったり。大雪が非日常の世界をよく表現していて、主人公に起きるあり得ない事態も違和感なく入って来ました。頼まれごとを断った罰にしては気の毒すぎるような感もありますけど、これは主人公自身の心が招いた災厄なのだろうと解釈しました。
    「蛍光灯を交換しといてよ」って頼まれてじゃけんに断った、とした方がインパクト大きいかなとも思いましたが、枝葉末節の話ですかね。

  • 投稿者 | 2022-01-29 15:14

     雪かきをしなくて大丈夫だろうかという大雪になり、家は大丈夫か、ちゃんと出勤できるかどうかというときに「蛍光灯を交換しといてよ」と言ってくる奥さん、大丈夫かってなるかと。
     頼まれごとを断った罰ではなく、アサヒのこれまでの積み重ねの結果であり、雪かきの件は最後の引き金だということです。

    著者
  • 投稿者 | 2022-01-29 18:56

    初読後、手練れだなあ、と。文章は読みやすいし過不足なく纏まっている。妻子との会話からここまでで壮絶なラストを迎えるのかと不条理とも思えるモダンホラー的ラストも良かったです。

  • 投稿者 | 2022-01-29 20:13

     独特の文体というものは最初から目指したことがなく、とにかく読みやすい文章を心がけています。書き手としてラストは壮絶だという感覚はなく「あーあ、この人終わっちゃったよww」というブラックユーモアのノリです。
     「目覚める頃には」も掌編にふさわしい楽しい作品だと思いますよ。

    著者
  • 投稿者 | 2022-01-30 10:41

    自業自得な感じがいい。ぶっ飛んだ過剰さはないけれど、きれいにまとまっていて安心して読める。雪がすごく印象的なので、お題の蛍光灯もそれに負けないくらいのインパクトがあったらもっといいと思う。電話口の説明ゼリフ「家族をないがしろにする奴に、帰る場所はない」などに見られる教訓臭さがちょっと鼻についた。

  • 投稿者 | 2022-01-30 11:07

     蛍光灯のエピソードを前面に出すと「置きにいってる」感が出てしまったり、物語の面白さよりも優先させてしまうリスクもあると思います。
     電話に出たもう一人の自分は、アサヒと敵対させる構図なので、鼻につく人物に設定するのは当然かと。

    著者
  • 投稿者 | 2022-01-31 00:03

    すみませんでした。明日から出勤前に除雪をしたいと思います。

    • 投稿者 | 2022-01-31 21:17

       すみませんでしたと言われる覚えがないので困惑していますが、お読みいただいたようでありがとうございます。

      著者
  • 投稿者 | 2022-01-31 04:14

    ホラーはほとんど読んだことがないので、どうコメントしたものかわからず悩みました。なので門外漢の素人の感想として聞き流していただいていいのですが、最後に反復される娘の言葉があまり生きてないのではないかという気がしました。そこまで読んできたとき、それこそ主人公ではないけどこんなので怖がれと言うのかと馬鹿にされたような気分だったのです。ただ自分はホラー小説の文法は全然知らない素人です。ご叱正ください。

    • 投稿者 | 2022-01-31 09:09

       冒頭でのコメントのとおり、ダークファンタジーとして書いています。ホラーと違って、怖がってもらうことが目的ではないことをご理解いただきたい。
       ちなみにファンタジーというジャンルは、超自然的、幻想的、空想的な要素を含んだ物語であり、その中でさらにダークファンタジーという、ハッピーエンドではないジャンルが枝分かれしている感じです。
       なお、小説を読んでどう感じるかは人それぞれで、必ず肯定派と否定派が出現します。できることなら否定的な印象を受けた場合は、こうすればもっとよくなったのではないかという創造的なご意見やご提案を頂戴できれば助かります。

      著者
      • 投稿者 | 2022-01-31 22:47

        偏った読み方をしてしまったようで、たいへん失礼いたしました。
        他の皆様がすでに仰っているように構成は数式を見るように緊密で鮮やか、話の運びもスピーディーだと思います。ただ反復される娘のセリフにちょっと子供だましなものを感じてしまい、それが最後の締めの一文であるだけに全編が安っぽくなっている印象を抱いたのです。これもひどく失礼な言い方かもしれませんが、作者が「こんなもんで充分でしょ」とぱっぱと書いたような。そこでもう少し本腰を入れてお力を発揮して欲しい気がしました。
        わたくし色々と頓珍漢な感想を述べてしまうかもしれませんが、その時はへえそんな見方もあるのかぐらいに思ってその都度ご叱正賜れればと思います。

        • 投稿者 | 2022-02-01 00:42

           掌編小説はサクッと気楽に読めて、いい暇つぶしになることこそが存在価値だと考えております。
           どちらが小説に本腰を入れているのか、今後の「対決」を通じてみなさんに判定していただくことにしましょう。面白くなってきました。
           大恥かかせて差し上げるつもりなので、ご覚悟を。

          著者
        • 投稿者 | 2022-02-12 15:56

          (注)ヨゴロウザ様の「ある孤独死の風景」は、応募規定の枚数を守っていないため、選考対象にすべきではないと判断し講評を控えておりましたが、2022年1月の月間ランキング一位に選んでいただいた他たびたび週間ランキングなどで選出していただいている拙著「コールドエンジェル」についてヨゴロウザ様から「子供だまし」「安っぽい」「小説に本腰を入れていない」などと実に懇切親切なご指導を賜ったため、その返礼としてここに講評をしたためる次第であります。言い換えれば、売られたケンカは喜んで買いまっせ-、ということなんですがね(ww)。/若い頃に学生運動にかかわり、その後は独身のまま警備員としてさえない人生を送った主人公の男が仏教の本を読み返したことでなぜ焼身自殺を試みることになるのか、因果関係が全く不明であり、これではほとんどの読者を「はあ? 何で?」と困惑させることになってしまう。主人公に思い切った行動をさせるためには、作者が操り人形のように勝手に動かすことは許されず、一定割合以上の人たちが納得できる動機を用意することが鉄則。/主人公の視点による三人称スタイルで物語が進むのに、最後の最後で作者の視点に切り替っており、大手出版社主催のコンテストなら一次予選で確実に落とされるほどの反則であることを判っていない。一場面一視点の原則という最低限のルールをまずはちゃんと勉強してから合評会に参加することをお勧めしたい。/大手出版社で純文学を担当している編集者から直接話を聞いたことだが、版元が一番歓迎していないのに毎度毎度たくさん送られてきてうんざりするのが、この手のいわゆる「悩める主人公もの」。主人公がイケてない人生を振り返り、今後を悲観してもう死んでしまおうか、みたいな世界で、コンテストや持ち込みで原稿を送ってくれる当人たちは高尚な物語を書いたつもりでも、ほぼほぼ太宰や三島の劣化版でしかなく、下読みをしている編集者や書評家さんたちは陰で「クズネタ」と呼んであざ笑っている。ヨゴロウザ様、おかわいそうにそういう事情をご存じなかったようで、とてもイタいお方でらっしゃったのですねー。ウケるー。/みなさーん、でもヨゴロウザ様はこのまま終わるようなお方ではありません。次回の「ラジオ英会話」では必ずや、私たちを平伏させるような傑作を読ませてくださるに違いないのでお楽しみに。もちん私も投稿するので、どちらが「小説に本腰を入れているか」ご判定くださいませー。

          著者
  • 投稿者 | 2022-01-31 13:56

    北国に住んだことがないので、雪かきの大変さは実感としてないのですが、寒い外での作業というだけで容易にその過酷さは想像して余りあります。冒頭の伏線から、最後のオチは綺麗にまとまっているだけに、若干作り込み過ぎているきらいがあるように感じました。ただ、自身が半透明に消え入りながら、もう一人の自分が出現するというアイデアは雪女のイメージにない斬新さがありました。もう一点、アサヒ、リエと名前があって、娘だけに名前がないのが気になりました。娘がすでに雪女の分身になっているという伏線であれば、問題ないと思います。

  • 投稿者 | 2022-01-31 14:27

     作り込みすぎてると言われればそうかもしれませんね。作り込んでなかったら今度は「作り込みが不足している」と言う人が出てくるかもしれませんが(笑)。
     娘の名前は確かにつけておくべきでした。ご指摘に感謝。

    著者
  • 編集者 | 2022-01-31 20:35

    こんなお題(俺が原因)でここまで書けるとは。一希氏も喜ぶだろう。

  • 投稿者 | 2022-01-31 21:14

     事情は知りませんが、喜んでくれる人がいることこそ作り手の幸福です。

    著者
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