プロジェクト又

西向 小次郎

小説

2,456文字

首都圏を中心に坊主ヘアーが大流行となった。

西向小次郎は、遂に臨界点に到達した。

僅かに責任感が残る人選によって、かろうじて満足されていることが伝わった。可哀想とも言えるが、これがエンターテイメントの終着点である。

筐体自体に遠隔操作機は施されていないが、改造に関しては日本警察管轄下にある為、特定の目的について店側との合意が交わされた場合においては許可が下った。

また遊戯者も同じで、遊戯者本人(精神的本人)の存在を認める者の管轄下にある為、特定の目的について存在を認める者との合意が交わされた場合においては許可が下った。

閑古鳥が泣いている状況を利用するとは、実に考えたものだ。私のパイロットに、的確な指示を伝える何か・・があって、事なきを得た。

パチスロ好きな人がもしも居れば、自分以外の全ての客は用意されたサクラだと考えておくことがベストだ。負けてもいいやなどと言える財力を有するのであれば、文藝春秋より2021年1月27日発刊予定の「料理なんて愛なんて」を是非買って欲しい。著者佐々木愛の文学を知ろう。只々、おそらくソレが居ないのが真実で、パチスロに狂乱する輩に、その価値は分からないだろうと言うのが日本文学界の言い分である。私はチェックされる為に産まれてきたであろうことを知った。時給に換算しても最低賃金を遥かに下回る金額だろう。チェックしたい人が先に居たのに。おかしな話である。まるで、狐に摘まれたような気分だ。そうじゃないかな?それらは、リプレイ、ベル等といった役物で支払いが完了した。途方も無い額である。

“そう仰るかと思いまして、全てご用意させて頂きました。物理的限界、時間的限界も既に超えております”

“では、続きを読ませろ”

「文藝春秋に出入りする作家佐々木愛を小馬鹿にする集いは破滅派で当たっていますね?」

「誰だおまえは?」

「NHKで技術賞を受賞いたしました、西向小次郎であります。敬礼、お疲れ様であります」

「ほほほ。敬礼、な、な、そうであったか、先にそれを言いなさい」

「ほぼ、外はお話の分かる人間が居りませんね。一体どうしたのですか?」

「うむ。邪魔が入らぬよう手短に話すが、我々には謝罪しなければならない人間が居るのじゃ」

「謝罪しなくてはならない人間?」

「彼女には分からないかも知れないが、お主なら分かるであろう?」

「んー、現在から未来にかけて佐々木愛を小馬鹿にする人間様のことでしょう?」

「他に言い方はないのか…」

「そうですねぇ、全く別ルートから来た方がちらほらってな具合でしょうか?佐々木愛が既に気がついているか、今後気がつくのか相当に微妙な空気ではありますが、”愛”という名には繋がりがあるように感じます。人間には到達出来ない壁に触れられるような、特殊な位の総称とでも言いましょうか。どんな方法を用いても構わないが、真っ当させてあげたいという親の意思を形に残したような名の人間様かと、」

「同朋を欲していたのじゃ、これが兆しとなれば良いな」

「文学には下ネタ以外ないのでしょうか?」

「分からん。結果、それが文学ではなかろうか、苦しく温かい」

「ま、私はパチスロをしますがね。寒かろうが、私が一番上手いのですから。仕方がないことでしょう」

「上手くなくても良いんじゃがな。もう、本当にド下手で結構なんじゃがな。最後には、それを伝えられれば、満足もするじゃろうて」

「機械音痴だと言えば済む話じゃないか!」

「文学に遅刻は付き物なのじゃ」

病床。人間様として、如何に病人の力になれるかが勝負。

「抽選の時間だよ。さっさと起きな!」

新年早々におっぱいも揉めない野郎に何が出来る。

「どこを押したら当たりか分からないんだぜ。バットマン最高だよ。これとまともにやり合う私は、ういち、魚拓、しんのすけに匹敵しますよ、ええ。あとはシーサ。くらいかなぁ」

「誰それ?」

「おもスロい人たち(笑)左リール、枠上から上段にバー狙い。これスロッターの慣わし也、」

「左リール上段にバーか…」

「他に見え易い図柄があるならソレ狙いでもいい。初心者に厳しい作りにしか思えないだろうけど、今更そんなハズがないので左リールだけは狙って。それが出来ないなら眼科に行くべきだ」

「分かった」

「こうゆう機械を相手に出来る人が増えれば、それだけでいいのが現在社会だからね。僕らがお年寄りになった時に抵抗なく機械に触れられることを目的としているのだから、新しい機械に追従しなければならないよ。機械の存在価値を高める為に人間は人間同士に心を開き難いように社会をコントロールした。これは裏目に出たんだ。知らないから仕方のないことかもしれないけど」

「いいこと言うわね」

「悪いことは話の上手い人間にしか出来ないよ。無理。難しいし、細かいところまで見れないと、その意味を伝えるのは出来ない。いいこと言うのは簡単だからだよ。ソレが増えればいいだけが望みなんだから、左リールは拘って」

「異国の話は分かりませんなぁ」

「分からんでいい。その空気!空気!空気だ!」

“空気”

“風”

“目に見える風”

“優越”

 

“圧倒的優越”

 

「このペルセポネのジャッジメント中に不思議が一つあってだね。この子の目をよく見て貰いたいんだけど。そのまま視野に入っているリールに意識だけを向けるんだ。これを開発した人は凄いよ」

 

“(…ま、気づいた俺も凄いけどね…)”

 

物理の法則が乱れる。パチスロファンの方々、是非実機で体感して頂きたい。

 

膝をつき、額を地面につける者が周りを囲んでゆく。私は全く動けなくなった。この状況下ですら”ふざけるな”と向かって来る者が居ないのだ。で、どうでもいいけど腹が減った。しかし、食い物が無い。

倫理。

「もう、働かなくても良いけど?どうする?」

 

こうやって、文学の賞は掴む。

 

全ての行動が計算付くで行われていたとしても、11年掛かっているよ。

で、連携含めて私がこの文章を打つのに、36年と4か月掛かった。

どうにか面白くするんだ。

 

(了)

 

2021年1月11日公開

© 2021 西向 小次郎

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