第十章 第一節 彷徨

暗黒竜の渇望(第36話)

西向小次郎・らんた

小説

541文字

農民の剣と鞭がレノンに向かう。そのたびに悲鳴が深き森に響く。
「やめろう!やめるんだ~」「貴様らゆるさねえ!ぶっ殺す」柱に縛られたままガルル
ル……と威嚇しながら狼子ケイナが叫んだ。その声はもはや悲鳴に近かった。
ミスラがカザン上空にたどり着いたのはそんな光景が繰り広がる光景であった。
―やめるのです。この者たちは福音をもたらすもの。魔なのではないのです。
声が響き、一帯に光の雨が注ぐ。
レノンの傷が癒えていく。
農民はただどよめきひざまずく。
「神だ」「神が降り立ったのだ」
ミスラはさらに言った。
「このものたちはそなたらを守る神である」
農民達がどよめく
農民の中の1人が言う
「そんなはずがない、全員皮膚が黒がかっています」
ミスラは持っている光の杖を振りかざすとレノンとケイナに光の弾を浴びせた。す
ると黒みがかった光に光沢が含むようになった。
―このものたちは暗黒のものではなく、大地の子です。大地は黒と豊穣の証。暗黒と
は違うものです。

農民達はさらにどよめいた
「なんてことだ俺たちは神の子を殺そうとしていたなんて」
「天罰が降り注ぐぞ」
しかし、ミスラは動じなかった。
このものたちに愛を注げば貴方達の罪は消えることでしょう。
レノン、ケイナ。そなたらもです。
それは初めて人間と半魔が和解した瞬間であった。

2020年12月7日公開

作品集『暗黒竜の渇望』第36話 (全39話)

© 2020 西向小次郎・らんた

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