**疑うこと、赦すこと、愛すること。**
生きる上で欠かせないお仕事。
けれど全てのものと真正面から向かい続けていると、身が持たない。
仕事が上手くこなせないって、七転八倒四苦八苦しているうちに三十年が過ぎてしまった。
ぼくはもう三十歳。
自分のことを疑い続け、赦すべきだと思っても、愛することは容易くない。
トラウマに触れられました。
現場は行きつけのバーです。
男子たるもの三十にもなれば行きつけのバーの一つや二つ欲しいと思って、半年通い詰めてようやく「行きつけのバー」と自信を持って言えるようになった行きつけのバーです。
カウンターで「いつもの」ベイリーズのミルク割を飲んでいました。ぼくにはこれが一番合うんです。かっこつけてウイスキーのロックを飲んでリバースしたらめちゃくちゃ格好悪いんです。
ぼくより少し年上の男性が、一人分席を空けた所に座って、マスターを相手にお喋りをしていました。
彼の話をまとめるとこんな感じでした。
– いや〜結婚すると一人で飲みに行くのも大変で
– 独身の頃は、時間が空いたら誰か一人くらいすぐ女の子呼び出せたんだけどね
– いなくても、ナンパしたら誰かしらは着いて来るけど
– でも、奥さんと子供が大事だからな〜。もう女遊びはしないって決めてるんだ
– 女の子とは口も聞かないね。喋ったら絶対恋愛関係になるもん
以上となります。
彼の顔はとても見られなかった。ぼくは涙を抑えることで精一杯だった。
"「みるくくん」はさようなら。☆。°"へのコメント 0件