価値観なんてものは好き嫌いにすぎない

齋藤雅彦

小説

533文字

晴れていた。暑かった。学校は、さぼることにした。自転車をこぎながら、こんなんじゃ大人になってまともな収入は望めないな。と考えたがなあに、身長にしても収入にしてもずば抜けて高い人が平均値を上げているのである。金のあるふりしてけっこうみんな貧乏なのだ。気にしない気にしない。

 住宅地を抜け、山道に入ると道ばたに地蔵があった。自転車から降り、もっと地蔵が増えれば、自分がしたことされたことは大したことではないと思いたいための暴力や性的逸脱の反復行動はなくなるのに。などと考えながら手を合わせた。するとどうだろう。何も起こらなかった。

 引き返すことにした。どこまでも、青空。

 

 

 

 全身に返り血を浴び、血まみれの日本刀を肩にかついだ女がうつむいて歩いていた。

 いらつくブス、その他向かってくる奴らをあの世に送ったが、もの足りなかった。ラーメンの口になっている状態で適当なラーメン屋に入ったらはずれの店だったときみたいな気分だった。口なおしのラーメンといきたいが腹いっぱいみたいな。

 まあ口なおしのデザートなら入るか。

 そう考えたあたりで、ふと顔を上げると、前方からにきびづらの見るからに能天気そうな不細工な少年が自転車を軽快にこいで向かってくるのが見えた。

2020年11月12日公開

© 2020 齋藤雅彦

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