Holiday

齋藤雅彦

小説

395文字

人魚がいた。女の人魚だ。男の人魚というのはいるのだろうか。何かで見たことがあるような気がするが、印象にない。そりゃもちろんいるのだろうが、男の人魚なんてあまり絵にならんな。

 とにかく女の人魚がいた。人魚の仕事は昼は美容室、夜はキャバクラ。忙しくて恋愛する暇などない。人魚は自分の店──美容室のほう──を持つのが夢なのだ。今日は久々の休日。

 月の光を浴びながら波に揺られていると、大きな客船が近づいてくる。デッキから、男が海に飛び込む。騒然となるかと思いきや、誰もかまう者はなく、客船は行ってしまう。

 人魚は仕方なく、男を助ける。いい男だな、と思ったが、恋に落ちたりはしない。人魚は忙しいのだ。

 波打ちぎわ、朝日に照らされ、男は目覚める。立ち上がり、二日酔いの頭を抱え、ふらつきながら歩き出す。独身さよならパーティーでやりすぎてしまったことを悔やみながら。

 人魚さん、早く自分の店が持てるといいですね!

2020年11月12日公開

© 2020 齋藤雅彦

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

---

"Holiday"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る