人間は外部を知覚することによって人間になる。いま見ているものが脳の作り出した幻だったとしても、まず最初に外部ありきなのだ。

齋藤雅彦

小説

238文字

あなたは女子高生。入学して一か月以上経つがまだ友だちができない。中学時代のようにひとりぼっちのまま卒業を迎えるのは嫌だ。昼休み、あなたは思い切って、派手めな男女のグループに近づく。

「ちょっとあんたたち、さっきからうるさいんだよ!」

 考えていたのとはまったく別の言葉が出てしまい、あなたもグループも一瞬固まってしまう。グループの男子が口を開く。

「うるさいって。昼休みだし。どうして先生、職員室に戻らないんですか」

 あなたはあれから十年の歳月が流れていたことに気づき、胸をなでおろす。

2020年11月12日公開

© 2020 齋藤雅彦

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