chapter three
黄色い花が辺りを彩り、風が草木を優しく揺らしている
少女は僕の手を引いて笑い声を弾ませている
彼女は楽しそうだけど顔が見えず誰なのかわからない
されるがまま彼女に操られて、ぎこちなく踊るように道を進む
左右の木々は凛々しくそびえ立ち道端には花が見当たらなくなった
彼女の笑い声はいつしか聞こえなくなり浜辺についていた
白い砂浜には浜辺に打ち上げられた鯨のような流木
灰色の岩が海岸線に不規則にたたずんでいる
洋紅色の太陽が沈んでいくのを見ていると
何故だか切なさが胸に滲んていた
ブルーモーメントに差し掛かる海で彼女は囁いた
「噓つき」
その一言が頭の中で木霊して余計に切なくなった
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