Flash Back #27

Flash Back(第27話)

菊地和俊

小説

780文字

混乱と同調#9

「随分と古風な食事ね」
スムージー片手に理沙が前の席に座って話しかけてきた

「大当たりでしょ、この企画」
「おまえの発案なのか?」
「試しに提案してみたら通ったのよ、褒めてよ古川さん」

 

理沙の発案か、プレゼンの上手い理沙の事だ
綿密なデータ収集からの朝食の良さを打ち出し
論理的を前面に掲げ最後に個人的感情で締める
口の上手い女は敵に回せば鋭利な凶器だ

 

「褒めてくれなくてもいいけど、そろそろ済ましてね」
「もう食堂閉まるのか?」
「横浜にお出かけよ2人で」

 

12階でエレベーターを降りた理沙が不思議そうな顔で此方を見ている
「何しているの、早くしてよ」
俺のオフィスは11階なのに何故なんだろう
朝食のせいで思考は鈍っているかもしれないが仕方ない

あなたのオフィスに連行ですか仰せの通りにお供しますよ
無言で金魚の糞のように付いて行くと1つの疑問が浮上した

 

「手ぶらでいいのか俺は?」
「必要ないわよ資料は全部こっちにあるから」

理沙のオフィスに入るとデスクに腰掛けおかしなことを言い出した

「しちゃう?社内SEX」
「朝飯急かした理由はそれかよ」
呆れた口調で言ったが感心したこともある
朝からよく回る頭と口だな

 

荷物をまとめ終わると着ていたジャケットをハンガーにかけだした
「本当にするのかよ?それとも朝飲んでたスムージーにヘロインでも入ってたのかよ?おまえもとうとう気が触れたか」
「堅物にしては面白いこと言うじゃない」

予想が外れてほっとした、流石にそこまではしないよな
気が触れてるのは俺なのかもしれない

 

「暑いから脱いで行くのよ、知ってた?梅雨明けしたこと」

 

今年も梅雨明けしたのか
夏らしいことをする予定もないのに必ず夏はやって来るんだ
隣で歩く女は、いつだって涼し気な表情でいるけど
ひどく蒸し暑い日々が始まる、気が狂うほどの

2019年7月28日公開

作品集『Flash Back』第27話 (全29話)

© 2019 菊地和俊

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

ミステリー 純文学

"Flash Back #27"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る