Turn Around
夕刻を告げる西日が非情な宣告に拍車をかける
ヒグラシが奏でる自由な旋律は傷心には無音に等しく
ほんの少し前まで道を照らす希望は水屑となった
黒と白が我が家に色付けされ父親は落胆し俯いている
台所ではせわしなく動く女性たちと気丈に振舞うふりの母親
ここには僕の居場所が無くなった
無抵抗に打ち寄せる波さえ美しく見えた海
堤防に積み立てた喜びは悲劇が打ち上げられ足が遠退くだろう
人の気持ちも知らずに限られた時間の中で止まない蝉時雨
新しい居場所を求め長いトンネルを抜けなければ
振り返る暇のない憧憬を探しに
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