追憶の叙事詩。拭えぬ影

世界の果て、夜明け前(第5話)

村星春海

小説

7,437文字

甘いコーヒーはあまり好きではないのですが、おフランスではエスプレッソに多めの砂糖を入れるそうですね。

 長湯をしてしまったようだ。仕事もしていないのになぜか疲れているようで、風呂の暖かさが体の髄まで染み込んで眠気を誘ったようだ。居眠りで顔をお湯につけ、危うく自宅の浴槽内で溺死するところだった。
 体を浴槽から持ち上げ浴室から出ると、部屋の寒さが火照った体に心地よく纏わりついてくる。余分な熱が体から湯気として放出され、部屋に程よい湿度をもたらしている。

 部屋着に着替えてコーラを片手に外を見ると、半分ほど沈んだ夕日が空を赤く染めていた。学校帰りの子供達の声がこの安アパートの二階まで届いた。子供は心配事も何もなくていいな、と心でつぶやきながらカーテンを締めた。
 スマホを手に取る。メールもラインも着信も何もない。友達も何もいない。とっさの思いつきで働き詰めの仕事をやめて自由を手にしたのはいいけれど、することがない。貯蓄はたまりに溜まっている。一年は過ごせるだけの余裕はある。もとよりあまり金を使う生活スタイルではないのだ。
 スマホを投げて、ふと思い出す。
 奇妙な夢を見ていた。リアルで、何ヶ月も過ごしていたような、現実味のある夢だ。普段風呂で夢など見ない。あれは失神に近いからだ。僕はその夢がどうにも気になった。机の引き出しからまっさらなノートと削りたての鉛筆を持ち出して、覚えていることから書き連ねていく。最初は謎の言葉の羅列だったが、書いているうちに思い出した言葉を漆喰のように埋めていくと、なんとか文章に変わっていった。
 なにか、忘れている。僕は大切な何かをどこかに置いてきているような気がするのはなぜだろう。

 次の日、僕は都立図書館へ向かった。冬間近特有の乾いた風が道行く人々を寂しくさせる。
 平日の都立図書館は始めたばかりのオセロの盤上の様に空いていた。僕は昨日自分で箇条書きにした夢ノートの断片にあった、北アフリカ大陸とピラミッドに関して調べに来た。古代史を探しに来たのだが、どうにも僕のほしい情報から少しずれていた。もしかしたら正史ではないのかもしれないと冗談半分で探したオカルト関連に、その答えはあった。それはそうだ、ピラミットが飛ぶなんて言うものは古代史学会において冗談にも上がらない事だった。あれは石を積み重ねた正三角形の墓標以外何物でもない。
 気になったのは、旧約聖書にある大洪水だった。僕の夢の最後もたしか洪水で締められていた気がする。洪水は本当にあったのだろうか。いくつかの文献に目を通してみると共通して結果、洪水はあったと記してある。そのうちのいくつかは北アフリカ大陸の航空写真に、大量の水が流れた痕跡があると説明している。
 モーリタニアのヌアクショットから水の痕跡が始まり、ニジェール、リビア、チャド、スーダンへ。そして進路を変えてエジプトから地中海へ抜けている。この航空写真で気になるのは、写真細部を見ると山や丘を避けて筋が走っているということだ。ただの風紋だろうか?
 次は洪水が起こった経緯や原因を調べて見ることにした。これは書籍にはなかったので、インターネット端末からの検索を行ってみた。すると、核戦争の起こった火星から来た異星人が作った人類の戦争が、検索に引っかかった。
 それによると、異星人は地球を住みやすくするための作業員として人類の祖先を作ったのだが、次第に2つの派閥に別れて戦争を始めた。アフリカ大陸拠点の派閥と、中東の方の派閥で戦争が始まるが次第に核戦争に発展し、押されたアフリカ大陸の派閥が災害兵器を起動したとある。その災害兵器が原因で大洪水が起こり、アフリカ大陸で戦争中のすべての兵士が流されてしまった。その当時、地球の人口はアフリカ大陸北部と中東近辺に集中していたために、ほとんどが死滅してしまったようだ。
 僕はネット回線を切った。こんなオカルトを信じるなど、趣味の範囲を超えている。こんなのは眉唾だし大学のサークルで話をするようなことだ。これでも僕は法律関係の仕事をしていた超現実主義で理論的な人間だと思っている。これを鵜呑みにするわけには行かない。
 
 図書館からの道すがら、目についた喫茶店に入った。熱くて濃いコーヒーを飲んでいると、なんだかとても懐かしく感じる。コーヒーの淹れ方から香りから、どこか引っかかる。フィークを飲みたいなと思うのだが、そのフィークがなんなのか、僕にはよく思い出せなかった。

 日はすっかり落ち、入浴してから夕食を取りビールを少し飲んだ。少ししか飲んでいないにもかかわらず、酔いが強く回った。
 僕は机に座って酔覚ましに夢ノートを開く。自分の記憶のどこかにまだ書き出していない何か大事なことが隠れているような気がした。でも、それはただの文字の羅列だ。
 誰かが僕の記憶の渦にいる。その表情は影に隠れて見えないが、おそらく女性だ。彼女は僕に語りかけるが、声は聞こえない。唇を必死に動かし(そう見えるだけだ)、何かを伝えようとしている。
 気づくと、僕は満点の星空の下にいる。小高い丘の上で、あたりは荒野だ。眼下には小さい町が見えるだけだ。でも全く知らない場所でもなさそうだった。記憶の片隅に張り付いている、どこかで見た光景だ。僕が振り向くと、僕に背を向けた状態で女性が立っていた。
「世界は救えなかった」
 背中越しに彼女は僕に話しかける。僕はなんと言っていいかわからず黙っていた。
「でも、私はトオルと過ごした月日がとても楽しかった」
 僕もだよ
「あのあとね、お姉ちゃんも助かったの。かなり流されてたけど、無事だった。奇跡だよ」
 そうなんだ。よかった。
「トオルも無事に帰れたんだね」
 うん、実際にここで──と話ができているからね。
「それなら良かった。トオルが流されて見えなくなる前に間に合ったんだね」
 間に合った?
「帰還の術式。成功したのなら良かったよ」
 帰還?僕は、どこにいたんだ?
「──だよ」
 え?

 
 こんなに大汗をかいて目が覚めたのは久しぶりだった。いつの間にか眠っていたようだ。あれは誰だったんだ。
 いや、知っている。忘れるものか。初めて出会った時の横顔は僕の心の中にしるしとして残っている。でも、思い出せない。顔にはどうしても影が被さってしまう。名前も思い出せない。そして、僕は夢を見ていたんじゃない、実際にその場にいて体験していたんだ。彼女が僕を呼んだんだ。世界を救うために。

 水道から水を出し一杯水を飲んだ。カラカラだった喉は水を得て潤いを取り戻した。ヤニだらけの真綿を喉に詰め込んだようにガラガラだった。
 時間はまだ0時過ぎだ。眠気が飛んでしまった僕は外を散歩することにした。外は木枯らしが吹き、体は体温を失っていく。口から出る白い息が消えるたびに、0.2度ずつ気温が下がっていくようだった。空には薄っすらと星空が広がっているが、ヴィクスで見た星空には敵わない。
─ヴィクス…?

 家の周りを一周して、帰宅した。散歩中に考えていたが間違いなく僕は何かを忘れている。僕に活力をくれた人だ。それは事実というより、魂がそれを覚えている。
 
 再び眠りに入ったとき、夢を見た。彼女が出てきたのだ。しかし顔はやはり見えない。会話をしたのかどうかも覚えていない。

 朝、僕は夢ノートに小さいことでも何でもいいからどんどん書いていった。まっさらだったノートの八割は埋まったが、やはり彼女に関する記述だけは埋まらなかった。
 作業に頓挫した僕は街に出ることにした。駅前までバスで移動して、多くの人々の往来を見てみることにした。駅前の広場のベンチで時間を過ごす。そういえば、僕は人との接点を持ちたがらなかった。孤独が好きなのではない、孤独が好きな人間なんていない。ただ、人との接点の持ち方がわからないのだ。
 朝の通勤ラッシュの時間だ。くたびれたスーツを着た中年が虚無を見る目で駅の構内へ向かっていった。彼はこれから仕事なのだろうが、あんな瞳で生きていて楽しいのだろうか?
 学生の群れが僕の前を通り過ぎる。僕にもあんな頃があった。15年は過ぎるだろうか。そういえばあの頃から友人は少なかった。
 
 何時間こうしていたのだろうか。スマホの時計を見ると2時間はここにいる。通勤ラッシュは終わり、人通りは少なくなっていた。やれやれ、僕は何をしているんだと腰を上げる瞬間、話しかけられた。
「あなた、ここでなにしてるの?」
 ショートヘアーで健康的に日焼けした20代になるかならないかといった女性だった。「ずいぶん長いあいだここにいたよね。なにしてたの?」
「いや、特に。人の群れを見るのが好きなんだ」
「変な人」彼女はつまらなさそうに呟いた。
「見ず知らずの他人に変な人とは、失礼な子だな」
「だって変なんだもん」
「ほっといてくれよ。で、なにか用でもあるの?」
「ううん。特にないよ。私、そこのコンビニでバイトしてるんだけど、2時間はくらいあなたがここにいたから気になってね。何してるんだろうって」
 彼女の視線の先に、セブンイレブンがあった。確かに2時間身動きを取らずにじっとしてれば、怪しまれるだろう。
「あなた、仕事は?」
「今、求職中なんだ」
「無職なんだ」
「そうとも言うな」
 彼女はポケットに手を突っ込んだまま、何かを書こうとして止まっている鉛筆の様にそこで止まっていた。
「ねぇ、よかったらさ、コーヒーでも飲まない?私、暇なんだ。あなたも暇でしょ?」
「随分はっきりいうね。まぁ、暇だけど」
 僕らは近くの喫茶店に入った。暖房が効きすぎている気もするが、それは僕が寒空で過ごしたからだろう。少し汗ばんだ。
 彼女は入るなりさっさと窓際の席へ着席し、タバコに火をつけた。僕もそれに付いて、席へ座ってタバコに火をつけた。ウェイターがやってきたのでコーヒーを2つ注文をすると、よく訓練された犬の様に戻っていった。
「ねぇ、人の群れを見るってどんな感じなの?なんでそんなことしたの?」
「どうもこうもないよ。ちょっと考える時間が欲しかったんだ」
「人の群れを見ると考え事ができるの?」
「逆に静かすぎると自分の内面に入り込みすぎて、近くの事が目に入らないこともあるんだ。あえて、雑踏の中に入ることも大事だよ」
 ふぅん、と彼女はタバコの灰を落とした。彼女の口からはメンソール系の匂いがした。
「レジにいたのね、私。で、あなたがあのベンチに座るところからずっと見てたんだけど、なんだろう。なぜか目が離せなくなったのよ。わかるかな?顔はほかを見るんだけど、目だけはずっとそこに釘付けなの。別に人を凝視する癖はないのよ」
「わかるよ。僕もそんな時がある」
「やっぱりそんな時は女の子見るとき?」
「女の子を見るときもある」
「今、私も見てる?」
「それには答えない。通報されたら厄介だからね」
 そんなことしないよと、彼女は笑いながら、女の子を見るのは普通の事よと付け足した。
「で、考え事はできたの?」
 運ばれてきたコーヒーに大量の砂糖を入れてかき混ぜながら僕に聞いてきた。
「考え事はできたけど、ゴールはしていない」
「何を考えてたの?あ、差し支えなければで」
「問題ないよ」僕はコーヒーを飲んだ。「心に引っかかる女性がいるんだ。夢に出てきた女性だ」
 彼女は黙って聞いている。
「ただ夢の中に出てきたというより、昔の思い出の女性という感じだった。懐かしいというか。わかるかな、昔、小さい頃に遊んだ神社の境内とかそういう魂が欲するような懐かしさなんだ」
 わかるよ、と彼女は答えた。
「長い叙事詩を追体験しているような夢の中の一部に彼女が出てきた。夢全体はノートに記載できたけど、その彼女だけは情報を思い出せないんだ」
「でも、だからといって忘れてしまうことはできないような人って事?」
「そう。なにか、大切な事なんだ」
 彼女は二本目のタバコに火をつけた。僕のタバコは灰になって灰皿で死んでいた。
「運命ってね」メンソールの匂いが僕を包んだ。「あると思うんだ。タロット・カードにもあるように、運命は車輪なんだよ。どれだけ時間がかかっても、必ず回ってくるんだよ。そして人は必ずどこかで繋がっているとも思う。同じ運命をともにしている、運命共同体っていうのかな。今こうして話をしている私とあなたもどこかで繋がっていたのかもしれないね」彼女は灰を落とした。「あなたが夢の中の彼女を思い出さないのは、思い出せないなにかささくれがあるのかも。彼女に何かすまないと思うようなことがあったのかもしれないし、後ろめたい事をしたのかもね」
 彼女はそう言うとコーヒーを飲んだ。
「君はよく考えてるんだね」
「もしかして、おバカかと思った?意外、こう見えても大学生なんだよね」
 そう言うと唇に笑顔を浮かべた。

 大学に行くという彼女と別れ、僕は家路についた。
 帰りにバスで揺られながら襲ってきた眠気と戦った。彼女の言うのもあながち間違っていないのかもしれない。運命は巡る。もしかしたら夢の中の彼女は僕の近くにいるのかもしれない。

 夕方になり、僕は帰宅ラッシュを見るためにもう一度バスに乗って駅前のベンチまで出かけた。
 人々は朝と逆の動きをしている。人々は駅から出てきて、朝よりは幾分、希望のある瞳をしている。仕事が終わったからだろう。でも、また忍び寄る次の仕事までの時間に苛まれる瞬間でもある。僕はそれを知ってる。
「呆れた」
 僕は聞き覚えのある声に振り向いた。そこには呆れ顔で立っている彼女がいた。
「朝もいて夜もいるの?他にすることないの?無職は楽でいいわね」
「羨ましい?時間だけはくさるほどあるんでね」
「あなたね、いつかほんとに変態で逮捕されちゃうわよ」
 そう言うと彼女はセブンイレブンへ消えていった。これからバイトなのだろう。というか、なかなかズバズバと言いにくいことを言う子だ。

 しばらく、2時間ほど眺めていたがある時間を境に駅の様子は緩慢になった。帰宅ラッシュも終わり、駅は平凡な顔になってしまった。
 僕は帰る前に夕飯を買うためにセブンイレブンへ入った。僕が入ってくるのを見ていたのか、彼女は何も言わずに目配せだけした。僕以外に客はいなかった。弁当を一つ手に取り、彼女のもとへ持っていって温めてもらった。
「今日はもう帰るよ」
「うん、そのほうがいいよ。なんだかあなた、疲れた顔してる」
 レジで会計をしてお釣りを受け取る。
「ねぇ、今日もこのまま深夜帯?」
「そうだよ。もしかして、朝また来るつもり?」
「だめかな?」
 それはあなたの勝手よ、と彼女は答えた。
 バスに揺られて僕は再び家路についた。久しぶりに人と話をしたような気がする。抱え込んでいたものを吐露するのも案外悪くないなと感じた。
 
 買ってきた弁当を食べ風呂に入ってテレビをつけるが、いまいち頭にはその内容が入って来ない。特に何かを見たくてテレビをつけているわけではないのだ。特にすることもないので布団に潜り込んで天井をただぼんやりと眺め、そしていつの間にか眠りに入っていた。
 そしてその日の夜も再び彼女の夢を見た。やはり何かを伝えている。でも顔は見えない。影に隠れている。
「あれから世界はどうなったと思う?」
 さぁ、見当がつかないよ
「一変したわ」
 どんなふうに?
「例えばヴィクスは洪水で無くなったし、流れたのは潮水だったからオアシスも枯れてしまった」
 そうなんだ。
「──は亡くなって新しい村長が着任したけど、資源も何もなくなったヴィクスは最終的に放棄されたの」
 ──は、亡くなったの?
「うん、遺体だけは見つけてちゃんと葬儀をしたよ」

 
 ふと目が覚める。カーテンの隙間からは朝日がささやかに入り込んでいるが、僕はなんとなく気が重くなった。彼女は誰かが亡くなったと言った。誰かは思い出せないけれど、きっと大切な誰かだと言うのはわかる。
 顔を洗って歯を磨いた。髭も熱いお湯で剃って久しぶりにスッキリした面持ちとなった。服はすべて洗濯機に放りこんで、新しいシャツとジーンズを出した。ジャケットもシワの少ないものを選んだ。靴も久しぶりにスニーカーを履いた。
 バスに乗って駅前に出かけた。

 昨日と同じように駅前のベンチに座っていると、同じような人たちが同じような顔をして駅へ向かっていた。毎日、判を押したような顔と出で立ちで、コピーされた仕事をこなしに行くのだ。そこに面白さなんてあるわけがない。
「おはよう。やっぱり来たんだ」僕の目の前に彼女が現れた。昨日の夕方見た姿と同じ格好だった。「なんとなく来るような気がしてたよ」
「迷惑かな?」
「迷惑なら知らん顔して帰ってるよ。今日私、大学講義ないんだ。私で良かったら話に付き合うよ?あなた、昨日の夕方より疲れた顔してる。ちゃんと寝た?」
 僕としてはリフレッシュしたつもりだったが、顔から滲み出ているようだ。思わず頬に手を当てた。
 
 僕らは昨日と同じ喫茶店に入って同じ窓際の席に座った。彼女はメンソールのタバコに火をつけた。昨日より甘い匂いがした。
「昨日と違うタバコ?」
「よくわかったね。同じタバコ吸うより、いろんなの吸いたい人間だから」
 ウェイターにコーヒーを2つ注文した。
「で、今日はどんな夢を見たの?同じ様な夢?」
「そうだね。やっぱり顔は見えないんだ」
 彼女がタバコを吹かすと甘い匂いが広がった。何かを考え込んで伏し目がちな瞳が宝石のようだった。この瞳もどこかで見たことがあった。どこかで見たことがある、感じたことがある。そんな感覚が白いシャツに宿命的についたシミのように、僕の脳裏に張り付いていた。
「ところでさ、その夢の内容ってノートに書いてるって言ったよね」
「うん、なるべく文章になるように書いてるよ」
「それ、見せてほしいんだけど」
 彼女はテーブルの向かい側から身を乗り出した。
「いいけど、ノートは家にあるよ」
「あなたが良ければお邪魔したいんだけど、どうかな?それとも顔見知りになって1日2日で男の家に行くような女は嫌い、っていうデリケートなタイプ?」
「いや、そんな事はない。どのみちいつまでも喫茶店に入って居れないしね」
 そういうと彼女はコーヒーを一気に飲み干した。熱くないのだろうか。

 喫茶店をあとにして、僕らはバスに乗って移動した。彼女の真っ直ぐに前を見る横顔を見ると、なにか大切なしるしを見ているような気分になる。
 というか僕は何をしているのだろう。それこそ出会って1日2日の女の子を家に上げようとするなんて、人肌恋しいのだろうか。だが、僕としてもこの問題を解決しないと先に進めないような気がするのも確かだし、彼女に対してはどこか心休まる気分になる。
 バスは街をすり抜け、次第に住宅街へ入っていく。

2019年4月22日公開

作品集『世界の果て、夜明け前』第5話 (全6話)

© 2019 村星春海

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

---

"追憶の叙事詩。拭えぬ影"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る