処暑の坂

短編集【キミノフォビア】(第8話)

倉椅

小説

7,322文字

夏休みのある日、学校のプールに行って帰る男の子の話。みみずとカブトムシの死骸、路傍の花束、蝉の声と風鈴。
水着袋、鼻血、話した事の無いクラスの女子。
なぜこんなものを書いたのだろう? なにかやりたい事があったのかな。
原稿用紙19枚くらい。

夏の太陽に隅々まで灼かれ、景色が揺らぐほど熱せられたアスファルトを、僕はじっと歩いていた。

 時に八歳、夏休みの事だった。長い坂道を下る時、熱線が世界をぼやけさせた。滲んだ色遣いの絵画が今まさに燃えているようでもあった。ひどく暑い夏だった。蝉が喧しく鳴いているのは、どうやらあの木とあの木に思われる。なんてうるさいんだろう。僕が巨人ならあの木を引っこ抜いて嫌いなヤツの家に突き刺してやるのに。

 僕は歩いていた。学校に向かっているのだ。夏休みの間は毎日学校でプールがあった。僕はほとんど行った事が無かったが、今日は友達に誘われたので参加する事に決めたのだ。靴底が溶けてチーズのように伸びはしないかと思うような熱気の中を、僕は不幸な、しかし明らかな使命を帯びた旅人のような気持ちで歩いた。小学生とはそうゆうものであると僕は信じていた。行く途中、日陰から出陣しようとしている大きなみみずと、ゼンマイが切れかけたような動作をしているメスのカブトムシと、電柱のそばに添えられている花束とを見た。学校の正面門をくぐるとプールから喧噪が届いてきた。僕は歩き疲れて、更衣室前の日陰に座り込んだ。誘ってくれた友人が僕の姿を見つける。

「××は今日来ないって。水瓜食べ過ぎて風呂の中で下痢したんだって」

 友人は愉快でも不快でもない様子でそう言った。××は今日一緒に来る約束だった別の友人だ。

 プールの方から喧噪が届く。にぎやかな子供の声はくぐもって届き、どこか悲鳴のようにも聞こえた。その合間合間に挟まれる律儀な笛の音や「1、2、1、2」という整理され尽くした号令は、中等部のプールから届く水泳部の声だろう。子供の騒ぎ声と号令。その対照的な音の混じりに、軍隊が生真面目に行進しながら村を殲滅する様子を思い浮かべた。その汚濁した妄想は全て昨日の夜インターネットで見た戦争ポルノのせいだ。あんなものを見るんじゃなかった。自分と同じような年齢の児童が大人の手で殺害される映像、それは一晩明けてもまだ目に焼き付いている。僕はふと目の前でポカリスウェットを飲んでいる友人に、昨日見たそれらの動画について話そうかと思った。しかしやめておいた。

「プールに行こうよ」

 友人が言った。僕たちは連れ合って水遊びに参加した。クラスの女子の母親が二人、順番巡りで回って来た監視役を気怠そうにこなしている。二人とも日陰で日傘をさしている様子が印象的だった。

 帰り道についたのは昼過ぎだったと思う。僕は友達と連れたって来た道を戻った。友達は僕と話しながら、水着袋を蹴ったり、投げては少し走って自分で受け止めたりして遊んでいた。少し先の道路に靴紐みたいなものが落ちているのを見つけた。水着袋で遊んでいた関係で僕より少し前に出ていた友人が、その靴紐のそばに差し掛かった。

 途端に「ぎゃあ」と悲鳴を上げて僕の方に駆け戻ってきた。茶色の靴紐に見えたものはみみずの死骸だった。蟻にたかられながらゆっくりと乾涸びゆくみみずは、たぶん僕と面識がある奴だった。僕と友人とはそのみみずの死骸を眺めていた。友人はどこからか小枝を持ってきて、その死骸を突っついた。乾燥し尽くして枯れ葉のように見えたみみずは、小枝に突き動かされると意外に弾性のある動きをした。アスファルトに接していた腹には充分なぬめりが残っていたが、腐敗しつつあるのか糸を引いた。乾燥した部分とまだ湿っている部分との関係で、枝から離すとまだ生きているかのように伸縮した。この一連の観察により、友人はまた悲鳴を上げた。それから小枝を呪わしい何かのように放り投げた。

「ぎぼちわるい」と友人は言った。鼻で呼吸する事をやめているようだった。「もう行こう」と僕は声をかけた。友人は「うー」と声を出した。僕達はまた歩き出した。

 しばらく行くと、数人の少年が集まっていた。僕たちと同じくプールの帰りらしい、ふたつほど上級の生徒だった。僕たちが差し掛かると上級生たちは「ちょっと来てみろ」と手招きをした。僕たちはその輪に加わった。彼らは石や枝などを使って、器用にメスのカブトムシを解剖しているところだった。こいつもどうやら僕と面識のあるヤツだ。上級生達はカブトムシの六本の足を一つずつを外し、触覚をむしり、今まさに片方の羽根をめくり上げて剥がそうとしている。黒光りする塊は生きているか死んでいるかも一見しては分からぬ。気色悪く思える反面、そのカブトムシが痛みを感じているようにはどうしても見えなかった。少年たちは今、好奇心と恐怖とを混ぜ合わせて遊んでいるのだと思った。小さな恐怖を小さな好奇心で克服してゆく連続が、一種の快楽を生んでいるのだろう。片方の羽根は爪楊枝を折るような音を立てて剥がれた。次に少年たちは、輪に参加している一人の生徒に「るいぼす、筆箱を出せ」と要求した。「え?」と言って見るからに怯えた顔になったその生徒は、たぶん彼らのクラスでその位置にある男子だったのだろう。気が弱いわりに打たれ強いので、集団の中で一種のオモチャにされてしまっている子供だ。周囲に悪意は無く、本人にだけは「虐められている」という意識があるだろう生徒。

「筆箱だってば!」

 強い語気で迫られた「るいぼす」と呼ばれた虐められっ子の少年は、ちらりと僕と友人を見た。助けを求めているのかと思い、僕は「可哀想だからやめたら」と半ばまで言いかけた。しかし「るいぼす」と呼ばれた少年が一手早く、僕たちを指差して「こいつらのを使おうよ」と言い出しので、僕は言葉を切った。こうゆう少年は自分が人に虐げられていると常に実感して生きている。そのためなのか何なのか、上下関係の無い人間付き合いがどうしても出来ない。怒りを向けられれば一瞬で服従し、優しさを見せれば瞬く間に偉そうな顔に変わる。今もそうだ。彼は僕と友人を何とか自分の足下に敷こうと試みたのだ。しかしその主張は他の少年たちには一切聞こえなかった。るいぼすと呼ばれた少年はただいっそう激しくなった語気で「いいから!」と言われただけだった。「るいぼす」は鞄から筆箱を取り出した。他の少年たちはそれを奪い取り、中からボールペンを取り出した。るいぼすは「ああ、それは!」と悲痛な声を上げた。筆箱を漁っていた少年は素直にボールペンを戻し、他のを選びながら「これなら良い? じゃあこれは?」とひとつひとつ「るいぼす」の采配にかけた。それを優しさと呼ぶ事が出来たのかどうか。いや呼ぶ事は出来まい。結果、半分ほどの長さになった一本の鉛筆が選び抜かれた。じゃんけんをして執行人が決まった。少年たちは花火が爆発するのを待つような目をしてカブトムシを見ていた。執行人が狙いを定めるように鉛筆の先をカブトムシに付けた。羽を剥いで露出した部分の背中だった。それから鉛筆を数センチ持ち上げた。僕の脳裏に、インク壷にぽちゃんと浸けられるペンの先が思い浮かんだ。断頭台の主が運命のレバーを下げる。ギロチンが落ちる……全てはその縮図だったのだろうか? 数センチ持ち上げられた鉛筆を、執行人としての少年は勢いよくカブトムシの背中に突き刺した。次の瞬間、生きているのか死んでいるのか分からなかったカブトムシが残った一方の片翼で激しく羽ばたいた。びい、と言う羽音はこの体に見合わぬ大きな音で、この惨状に見合わぬ強烈な生命を帯びていた。少年たちは一人残らず強烈な驚きを感じ、銘々悲鳴を上げてその場から逃げ去った。僕の友達も逃げた。僕と、「るいぼす」と呼ばれた少年だけがそこに残った。

 蝉が鳴いている。「何も始まらぬし、何も終わらぬ」と囁くような歌だった。るいぼすと呼ばれた少年がひどく悲劇的な、或る意味では驚くほど自己中心的な苦痛を帯びて「このカブトムシも僕も同じなんだ」と言った。芝居がかった自己憐憫に僕は思わず唖然としてるいぼすを見た。そして一言、「それはどうだろう?」とだけ言った。それが精一杯だった。

 道の先に目をやると、熱気でやや歪むくらいの距離のところで友人が待っていた。僕は友人の元に走ってゆき、また二人で帰り始めた。「気持ち悪かったなぁ」と友人は言い、寒気を感じたみたく自らの肩を抱いてごしごし摩った。僕は「そうだね」と言った。二つ先の電柱で、うずくまっている若い女がいた。夏の陽射しの中、ぎらぎら光るほど脱色し尽くされた茶髪をして、金属のアクセサリーをじゃらじゃら付けて、背中やら肩やらが露出するデザインの服を着ていた。来る途中、花束が添えてあった電柱のところだった。女は枯れた花束を傍らに置き、電柱に新しい花束を添えて、瞑目合唱していた。堅く結ばれた口は唇の向こうで歯を食いしばっているように見えた。祈るというより耐え忍ぶような姿だった。僕と友人は女のそばを通り過ぎるとき、思わず会話の声を止めた。彼女の静謐な祈りを邪魔するのは無遠慮な蝉だけで充分だった。通り過ぎてしばらく行った頃、友人が後ろを振り返り、改めて若い女をまじまじと眺めた。それから僕に「あれはこの辺りに住んでる山田さんだよ。この前、妹さんがあの電柱のところで死んだんだってさ」と言った。電柱のところで死んだ、というのが僕には分からなかった。僕はとにかく友人に「あの女の人のせいじゃ無いよね?」と尋ねた。僕の幼心がなぜそんな事を疑問に思ったのか、説明出来そうで出来ない。友人が「ううん、違うよ。電柱から飛び降りたんだから」と答えたのが、僕には良い答えに思えた。「そっか、それなら良かった」と僕は答えた。竹林のそばを通りがかった時、にわかに涼しい風が吹き抜けた。さらさらと竹やぶが揺れる音に混じって凛と澄んだ鈴の音が聞こえてきた。竹やぶの中に見える古びた民家の軒先に、数多くの風鈴が飾られていた。大きいもの小さいもの。外国のもの、日本のもの。いくつもの鈴の音が混じり合う。夏の風に乗せられて、音が空へ昇ってゆくような気がした。僕は空を見上げた。友人も空を見ていた。高い場所はもっと風があるのか、入道雲は飛行機みたいな速度で流れていった。ふと気がついた時、風鈴の音はほんの僅かな残響だけとなり、やがてその響きも蝉の声に包まれて失せた。友人は「涼しかったね」と言った。僕は「そうだね」と言った。

 ふと後ろを振り返ると、先ほどカブトムシがいた場所に今も「るいぼす」と呼ばれた少年が立っていた。少年のそばに別の人影が見える。大人のようだ。僕はそれを友人に伝えた。少し引き返して距離を詰めると、その人影が初老の女である事が分かった。服装から見るところ近所に住んでいるらしいおばさんだった。おばさんはほうきとちり取りを使ってカブトムシの骸を片付けていた。そのとなりに木偶の坊みたく佇んでいる「るいぼす」と呼ばれる少年が、僕たちのほうを指差した。おばさんが僕たちを睨みつけ、強い足取りでこちらに向かってきた。友人が僕に「なあ、行こうぜ」と促してその場を離れようとした。するとおばさんが「逃げるな!」と怒鳴った。おばさんはちり取りの中にあるカブトムシの骸を僕たちに突き出した。トマトの中身みたいな体液が溢れ出していた。「どうしてこんな事したの?」とおばさんは尋ねた。僕は「俺達がやったんじゃないよ」と言った。おばさんは「嘘つくんじゃない! あの子に聞いたんだから!」とまた怒鳴った。あの子というのは「るいぼす」と呼ばれた少年の事だ。彼はこちらに寄って来ようとはせず、手を後ろに組んでもじもじしていた。

「あいつが嘘ついてんだよ」と僕は言った。おばさんは「嘘つくんじゃない!」と怒鳴った。僕はもう諦めた。おばさんはカブトムシの骸から鉛筆を引っこ抜いた。そして僕にそれを突き出した――友人ではなく僕。こうした局面、発言する者がとにかく損をする。そして「これを持って帰りなさい。ちゃんと使い切りなさい。それからこっちの可哀想なカブトムシを埋めてあげなさい」と言った。僕は嫌だったので「嫌だ」と言った。おばさんは見るからに感情的に目を吊り上げて、僕をほうきで殴りつけた。ひどく痛かった。「洗って使いなさい。洗う時はちゃんと手で洗うこと。もし約束を破れば学校にも連絡するわ」。おばさんは言った。僕はしぶしぶ鉛筆とカブトムシの屍体を受け取った。殴られた痛みがまだ残っていたが、友人に「行こう」と促して僕たちは再び帰路についた。しばらく行ったところで、僕は復讐をしてやろうと「るいぼす」を待ち構えていた。しかし一向に姿を現さなかった。さすがに僕たちを避けて道を変えたのだと友人が言った。僕は諦めて帰る方向に足を動かし始めた。やがて友人と別れる場所まで来た。「明日もプールに行く?」と尋ねた友人に「分からない」とだけ答えた。一人になってしばらく歩いていると、急に後ろから「るいぼす」と呼ばれた少年が、全力疾走で僕を追い抜いて行った。僕は一瞬にして怒りを覚え、「るいぼす!」と怒鳴り、彼の後を追って走った。もうすぐ追いつけるかと手を伸ばしたところで、彼は水着袋を死にものぐるいで僕に投げつけた。それは僕の鼻に当たった。鼻に消毒用に塩素の匂いがこびりつき、その後を追うように血の味がした。だらだら垂れてくる鼻血を拭い、くらくらしながらやっと前を向くと、るいぼすはすでに遠い場所まで走り去っていた。僕は彼の水着袋にカブトムシの屍体をいれ、青い布地を彼の鉛筆でずたずたにして、何度も何度も踏みつけた後、川に捨てた。流れの先にある鉄柵に、枯れ葉やペットボトルのゴミと一緒に水着袋が引っかかった。

 僕は公園の水道で顔を洗った。ふと後ろから「大丈夫?」と声がかかった。急な声に驚いて振り返ると、この公園で遊んでいたらしい同じクラスの女子が数人そこに立っていた。「偶然だね」と僕は言った。女の子たちはそれぞれがハンカチを取り出し、全員が僕に差し出した。それは好意というより、子供ながらに染み付いている女子の条件反射なのだと思う。僕は「ありがとう、でも汚しちゃうから」と言った。女の子たちのリーダーが「いいから使いなよ、はなぢ出てるよ」と言った。ハンカチを借りても鼻血は止まらない。僕は何故だか大人びたふりをしたくなって「血の汚れは簡単に落ちないんだよ」と言った。顔を洗い終えた頃、鼻血はもう止まっていた。誰も何があったのか聞かなかった。「何してたの?」と僕は女子たちに聞く。「××ちゃんの家で遊んでたの」と一人が答えた。

 その後、どうしてそのような流れになったのか覚えていない。とにかくその日、僕は初めて女子だけと遊んだ。何をして遊ぶか決めたのは僕だった。「男の子がやってる遊び教えてよ」みたいな事を言われたと思う。僕が提案したのは何故か隠れんぼだった。僕は公衆便所の裏に隠れた。そこに同じクラスだが一度も話した事の無い女子が先に隠れていた。優しそうな頬をした、やや日焼けの濃い、背は僕と同じくらいある女の子だった。この子と仲の良い女子とは時々話したが、この子とは一度も話した事が無かった。変な緊張を感じながら、隣合ってしゃがみ込んだ。彼女はふと「ねえ、誰にも言わない?」と囁いてきた。僕は「うん」と答えた。彼女は「きみとよく一緒にいる××くんいるでしょ。××ちゃん、その子の事が好きなんだって」と、唐突な暴露をした。何故そんな事を急に言い出したのか分からない。夏の公園、公衆便所の裏の木陰、それにかくれんぼをしている沈黙のムードが不思議な高揚を生んだのかもしれない。その証拠に、僕もまたその空気に何の抵抗もなく飲まれた。僕はすぐさま「そうなんだ? じゃあ、誰にも言わない?」と尋ね返す。その子は「うん」と答える。僕は「同じクラスに××いるでしょ。あいつは××が好きなんだってさ。将来結婚する約束もしてて、この前キスしたって」と、勝負するような気持ちで暴露をした。目の前にいる話した事の無い女子は「えー!」と、ひそめた声色で大きな驚きを表現して応えた。その時の表情がやけに愛らしく無邪気に思え、僕は変な胸のうずきを感じた。彼女は「へえー」と驚きの余韻を声にしながら頷く。僕は次の話を期待したが、そのまま少しの沈黙が流れた。葉擦れの音が降ってくる、地面に映った木漏れ日が揺れる。波の音みたいだ、水面みたいだ。話した事の無い女子は前髪を指先で二三度いじった。僕は「あ、そうだ。あとさ……」と切り出した。その子は声を待っていたかのようにぱっと顔を上げて僕を見る。柔らかい微笑みがあった。悪い意味でなく社交辞令的。写真屋が「みんな笑って」と言いながら作ってみせるような笑顔。すごく優しい笑みだった。僕は「あとさって言うか。お前は誰が好きなの?」と聞いた。彼女は「言えないよ、今日初めて話したのに」と言った。そのあと「××くんは?」と僕に尋ねた。「俺は好きな人いないよ」と答えた。彼女は「ふーん。私の友達に、きみの事好きな人いるよ」と言った。僕はもちろん「え、誰?」と聞いた。彼女はやや悪戯に笑って「教えられないよ」と言った。「同じ学年?」「同じクラス?」「今日この公園にいる?」……僕は山ほど質問したが、彼女は教えてくれなかった。しばらくして、ふと物陰から公園の中心を覗いてみた。すると僕たち以外の参加者たちが水道のあたりに集まっているのが見えた。僕たちは慌てて明るみに出る。女子たちが「あ、いた!」と声を上げる。「××たち見つからないから、もうかくれんぼやめちゃったんだよ」と一人の女子が言う。それからしばらくして、今日女子たちが集まっていた子の母親が公園に来て、「みんな、ご飯できたよ」と声をかけた。僕も誘われたが、さすがに参加する勇気は無くてそのまま帰り道に戻った。家までの道を何故か走って帰った。家につくと母が「遅かったね」と言って迎えた。僕はふと、カブトムシの一件のおばさんがうちに電話をしていないかと心配になった。よく考えてみたらあのおばさんが僕の家を知っているはずは無い。ただ今後、あの道を通る時にあのおばさんと会ったら厭だなと思った。

 

 

【処暑の坂:おしまい】

2019年1月17日公開

作品集『短編集【キミノフォビア】』第8話 (全12話)

© 2019 倉椅

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