序章

メラヌーチア探検譚(第1話)

犀川鉄世

小説

487文字

ここに一葉の写真がある。

 

写真には不鮮明ながら、ラヌーチとおぼしき生き物の姿が収められている。両側を半裸の男性に支えられていることから、そのラヌーチは既に死んでいるか、きわめて弱った状態にあることが察せられる。
一見するとなんの変哲もない写真だが、異様なのはその大きさだ。無論、写真自体の大きさを指しているのではない。写真の中央に鎮座するラヌーチのことだ。
両脇を支える男性がウーディ族であることを考慮すると、このラヌーチは優に四レーテルを超えていると推測される。

 

ラヌーチの祖先であるエランはケラティス大陸で誕生した。大規模な地殻変動に伴って世界各地に伝播し、繁栄をきわめたが、アズナ大陸においてその生息は確認されていない。
また、クーベィやトマパンに生息する大型のラヌーチもせいぜい三レーテル止まりで、今までに確認された最大の個体でさえ三レーテル半に満たない。
四レーテルを超える巨大なラヌーチがアズナ大陸の秘境に生息している――この写真が本物ならば、既知の生物史を覆す大発見だ。

 

我々は真相を明らかにするべく、アズナ大陸の小国・ムルーパに飛んだ。

2019年1月2日公開

作品集『メラヌーチア探検譚』第1話 (全7話)

© 2019 犀川鉄世

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