極光ノヰリス

倉椅

小説

28,767文字

サグラダファミリアで暮らすココア好きの女の子が戦場で頑張る話。
巷でまことしやかに語られている「キャラ属性にオッドアイを使った奴は終わり」という噂。
何年か前にどこかの賞に送ったような覚えがあるけど、まだ選考中かなフフフ。ネット公開の刑じゃ。

1 少女アヰリス

 

 せきばらいひとつ、せきばらいふたつ。

 戦士が戦士たる為に必要なものとは腕力でなく、潔く散る覚悟でもなく、ただ「命じられた」という理由で人を殺せる素直さだと聞いた。ちなみに少女が少女たる為に必要なことは唯一つ。ココアを呑む事である。それを了解してもらったところで、まずは状況を説明しよう。

 あちらをご覧。どうやら戦争が起きている。それなりに盛大な戦争で、もう十年以上続いている。何と呼ばれる戦争か? 誰と誰の戦争か? 時代はいつ頃か? それはあまり興味深い事では無いし、「彼女」の物語には何の関係も無いので割愛する。生きてる限り、時代の動きなんて舞台装置でしか無いはずだ。だから今は、ただ天変地異で気象がめちゃくちゃになり、雪が舞い極光オーロラが煌くようになった「とある時代のバルセロナ」、これだけ了解してくれれば良い。十年以上もダラダラと続いた戦争の結果、すっかり荒野と化してしまったバルセロナの街。虹色の光煌めく滅びの都市。街角を銀色の雪が吹き荒ぶ廃墟の都。それでも、神様が悪戯で作ったみたいな例の巨大建造物だけはしっかり残っていた。聖家族贖罪教会。サグラダファミリアは今日も煌めく極光の下、じっと世界を見下ろしている。細かな作業に熱中して時が経つのを忘れてしまった経験は無いだろうか。たとえば草むしり。たとえば落書き。たとえば料理の下ごしらえ……。やり始めると辞め時が分からなくなり、ひたすら精密に研ぎ澄まされた作業だけが時間を吹き飛ばしてしまう。サグラダファミリアはちょうどその感覚の極限だ。最初は貧民のための教会として計画されたこの神聖な建造物は、設計者が死に、現場監督が代替わりし、最初の頃に嵌め込まれたステンドグラスの半田付けが錆び付いてもなお、まだ未完成。山のような巨体を彫刻で埋め尽くし、それ一つが列車ほどもある巨大な塔を何本も抱えた巨大な建造物。土地が安いから町外れに建てたはずがいつしか周囲を都市に呑まれる時間の流れ、そして今は戦場となった時間の流れ。いまだ未完成がゆえに「時代を眺めて来た建造物」とは言いづらく、未成熟がゆえに一層神聖。空に揺らめく極光の下、吹き荒ぶ凍てついた風をまとい、終わりを失った被造物。今、気象までもが後戻り出来ないほどに変わってしまったバルセロナで、その建造物を囲っている分厚い障壁。それはこの戦争が始まってから建てられたものだ。華麗な出自と高等な教育のすえ気違いになった政治家は、戦争が始まった時にやがてバルセロナも戦火に呑まれることを承知していた。そしてこう命じた。障壁を建てろ、街が滅ぼうともサグラダファミリアは守り抜け。仰せの通り立派な壁が建てられて、今もそこにはサグラダファミリアを守るためだけの兵士達が暮らしている。敵国の王は王で「すごい建物だから俺だって欲しいよ」とちょこちょこ兵を送り込んで来た。この戦争の主要なせめぎ合いが世界の各地に転々と移り変わり、滅びの都となったバルセロナに何の価値も無くなった十何年目、今もこの信仰の発狂と芸術のオーバードーズを象徴するような建物を巡って、小競り合いがぽつぽつ続いている。

 さあここで彼女を紹介しよう。十歳のアイリスは少女で兵士。彼女はこの戦争中、サグラダファミリアで誕生した。ちょうどバルセロナが戦火に包まれ、悲壮な音楽の似合う本物の戦闘が昼夜繰り返されていた開戦当初。極光の下に民の涙と戦士の血があり、理想のために若者達が命を賭けた一年目。この戦場に結ばれた一組の恋人達がいた。パン屋の彼と女性兵士の彼女は子供の頃から知り合い。まあこの二人は二人で色々と甘酸っぱい想い出がたくさんあったのだが、やがて少女は兵士として海を渡り、少年は地元でパン屋さんになったので離ればなれとなった。しかし優しいパン屋の青年が徴兵でサグラダファミリアに配属された為、障壁の内側で気の強い女性兵士の彼女と再会する事になるわけだ。途切れた初恋が再び繋がる。止まっていた時計が動き出す。やがて二人は誰もいない地下礼拝堂でこっそりと結婚式を挙げた。愛は戦士を臆病にした。雪の夜に焼け落ちるバルセロナで、二人がこの世に生きた証を残すべく大急ぎで授かった子が少女アイリス。不幸にも彼女の名前を決めるより早く、優しいパン屋は銃弾に倒れバルセロナの荒野に散った。サグラダファミリアに産声が響いたところで女兵士の彼女も夫の元に旅立った。こうして孤児として生を受けた我らが少女。名無しでは不便だろうという事で兵士達がアイリスという渾名をつけた。彼女の「虹彩アイリス」が左右で色の違うヘテロクロミアであることが名前の由来だが、アイリス自身はその由来を嫌って「極光がイリスのように美しい夜に生まれたからだ」と語る。完全無欠のクロワッサンが売りの父と主に武力解決をモットーとする母を胸に抱き、兵卒連中を家族として育った少女アイリス。戦場に育ち、いつからともなく興味を示したのは銃器だった。彼女がまだ言葉も拙い時分、兵士達が酒盛りの余興にひとつ撃たせてみるとこれが見事な腕前。甚だ座興の域では無かった。以来、アイリスは銃を愛すようになる。思えばそれも当然だった。障壁に囲われたサグラダファミリアで暮らす彼女にとって、楽しみといえば食堂でココアを呑む事、読書をすること、尖塔に登って極光や雪のバルセロナを眺める事。あとは外壁に彫り込まれた天使の彫刻の眉間を撃ち抜いて戯れることくらいだったから。ご存知、子供がおもちゃに求める事は常に三つ。新しく、前より高価で、前より複雑であること。多分に漏れずアイリスもそうだった。おもちゃは高度に成長し、やがて辿り着いたのが対物狙撃銃。それは要するに戦車の装甲を貫いて乗員を撃ち殺したり、障害物の向こうにいる敵を壁ごと撃ち抜くような用途を可能とする強力な火器だ。オレンジジュースの缶みたいな大きさの弾丸を放つバケモノ銃、反動はアイリスくらいの少女なら突き飛ばしてしまうほどに狂暴で、大人でも熟練していなければ使いこなすのが難しい。華奢な少女たるアイリスがこれを自分のもう一本の腕のように使いこなしたのは天性の才か出自がもたらす必然か。極光の少女は自分の背丈よりも長大な対物狙撃銃の、自分の腕ほどの太さがあるスコープを覗き込み、天まで届くサグラダファミリアの塔の上、かつて観光の客達がバルセロナを見渡した場所から、廃墟と化した都市を狙い撃ちして戯れた。ある時、街角にぽつんと人が立っているのを見つけた。基地の中で大人達に「敵、危ない、近寄らないこと」と教わった制服を着ていた。戯れついでに彫刻の天使にするみたく頭を撃ってみた。天使の彫刻と同じように、その人の頭が弾け飛んだ。

 なるほどいつも大人達がやっていたのはこれだったのか。アイリスはこうして狙撃兵になった。周囲の兵隊たちは何も言わなかった。偉大な彫刻家が削り出した天使の像を撃って遊ぶよりマシだと思ったし、何より彼女の狙撃は神業だったから。

 そして十歳。アイリスが狙撃手として大人と混じっている姿はすっかり日常の風景と化していた。市街で敵と小競り合いをしている時、サグラダファミリアの塔上から齎される対物銃の一閃を「神のいかずち」と讃美する者さえいた。

 ただ少なからずの者達は、敵を撃つ時になるべく頭部を狙うアイリスの妙な趣味を、やや心をざわつかせて眺める。初めての時そうだったように、アイリスは敵を撃つ時なるべく頭部を撃った。戦車装甲を貫くような対物ライフルの一撃を人間の頭部に浴びせると、それはスイカのように容易く弾け飛ぶ。チープなコメディみたく眼の球が飛び出し、顔面と頭皮はアサガオが咲くように大きく広がり、たらい一杯分の血飛沫のスープが脳髄と頭蓋のペーストを伴って撒き散らされる。アイリスはその感覚を好んだ。たまに「足を吹き飛ばし、倒れる途中で頭を撃てるかゲーム」や「首元を撃って取れた頭を撃てるかゲーム」など応用型の遊戯に興じる事もあったが、やはり一撃で頭を吹き飛ばすのが好きだった。彼女に銃を与えた大人達でさえ、その点については眉をひそめるしかなかった。戦争は殺し合いだが幼い少女が児戯の意味をもって人体破壊を楽しむ様子は、直感としての人間倫理に反したのだ。

 しかし当然、こう理解してもいた。およそ子供は意味もなく虫の羽を千切る残酷な好奇心を秘めている。全てに遊犠牲を見出す事で効率的に世界を学ぼうとするのは子供の職務でさえある。分かっていた。簡単な話なのだ。戦争がアイリスの日常で銃がアイリスのおもちゃならば、スコープ越しに見る敵兵は「虫」なのだ。野に生まれついた子は草木と戯れ、雑踏の子は街角に遊ぶ。アイリスは戦場に生まれ落ちた子として、然るべき遊び場に戦場を、然るべき遊戯に戦争を選んだ。たぶんそれだけの事なのだろう。

 この十歳の少女アイリスは、無造作に切り詰めた金髪に疑い深いノラネコのような細い目をした少女だった。母の遺物である軍用外套をぶかぶかに着込み、そこから突き出した色白の細い足が厳ついブーツを履き、金髪の上にウシャンカ帽を戴く。廃墟と化したバルセロナをうろついた兵士達が時折拾って来るアニメキャラの缶バッチをコートと帽子に勲章みたくつけている。それがだいたいアイリスの姿だ。周囲の兵士達は彼女を平等に、すなわち大人の男として扱うが、彼女自身は別段ませた所も無い、無口でぶっきらぼうな普通の少女であった。彼女は父母を無くしていたが、幸か不幸かそれを悲しむほどに父母の記憶を持ち合わせてはいなかった。また周囲に自分と比較すべき少年少女が一人としていなかったので、自らの出自や境遇について考え込むようなことも無かった。日中でも零下に落ち込む廃墟都市で、障壁に囲われたサグラダファミリアだけが全世界であった彼女は、奇しくも充分に自分を当たり前の少女として認識出来ていた。亡き父母が人望厚かったおかげで周りの大人も親切だった。何より彼女自身、生まれ持った身体能力と左右で色の違う瞳が成す人の域を超えた狙撃の術で、この閉じた世界にしっかりと自分の居場所を摑み取っていた。そんなわけで戦火と天涯孤独に思い悩んで妙に卑屈になることも無く、少女アイリスは無愛想で少々生意気だが性根はわりと素直な子として育つことが出来たのである。彼女にとってこの極光煌めく滅びの街は、決して寂しい世界では無かった。

 

 

2 アヰリス穢レタ足ノ男ト出會ウ

 

ある夜の事だった。一人の男が捕虜として捕らえられた。男は敵側に雇われていた傭兵で、発見された場所は基地のごく近く。サグラダファミリアの下を通る鉄道の地下トンネルの中だった。かつて国中を数時間以内に行き来した高速列車のトンネル。開戦当初は軍事利用されていたが、この街が放棄されると同時に封鎖された。男はどこかの戦場から一人生き延びて、焼け野原を彷徨い歩き、このバルセロナに流れ着いたのだ。そしてアイリス達が生活する我らが神殿の地下深く、人知れず何ヶ月も息をひそめて暮らしていた。

 夕食の時間だったので、アイリスは食堂に向かって回廊を歩いていた。ステンドグラスを通した月明かりが廊下に点々と落ちている。それを踏みながら、通い慣れた自室と食堂を繋ぐ道を進んでいると、廊下の向こうから一塊の男達がこっちに向かって来た。兵士が二人がかりで一人の男を歩かせている。

 ああ、昼間大人達が話していた捕虜だな、とアイリスは思った。二人の兵士は男を一応取り押さえる形で歩いていたが、男は大人しく、ただ頭を垂れて歩いていた。ボロボロの軍服をだらしなく着込んだ異国の男。アイリスは廊下の端に避けて男達の一団を見送る。廊下の果ての闇に消えてゆく見知らぬ人の背中を少しだけ眺めてから、アイリスは夕食に走った。食事の席ではみんなが捕虜の噂話をしていた。曰く、彼が生き残った戦場は人間の破片で家を建てられそうな惨状だった。曰く、彼はどんな汚い手を使って生き延びたのか。曰く、彼が地下で喰ったものは野良犬も反吐を吐くような献立だったとか。そして大人達は戦争のことを語り出した。アイリスに戦争の難しいことわりは分からない。周囲の兵士達が生真面目な顔をして戦争の理屈や国のことを語り合う時、アイリスは自分が子供であることを思い出す。時々アイリスにも「いいか、よく聞け」とその辺りの退屈な話を吹き込んで来る大人達があった。そうゆう時、彼らは決まって芝居めいた顔をしていて、そして何やら自分に酔っている。それでもアイリスは自分が参加しているらしい戦争の話について、せいぜい童話を聞く程度の感慨しか持たなかった。戦場に生まれついたアイリスにとって、自分たちが何故誇り高く戦うのかを語る大人の声はいつも遠い。アイリスは引き金に指をかける時、それが何故かを考えたことは無い。

 夕食の時間が過ぎ去り、ひと気の無くなった食堂で、アイリスはひとりココアを飲んでいた。バンホーテンのココアパウダーをホットミルクで溶かし、気が遠くなるほどペルーシュの角砂糖の入れる。それを静かに呑めば、アイリスはこの世の災いという災いを忘れる事ができた。窓の向こうに極光が煌めく。今日は緑色だな、とアイリスは思った。

 兵士がふたり、一足遅れの夕食を取りに現れた。先ほど廊下ですれ違った兵士たちだった。捕虜を牢屋に入れる役目を任されたものの、思いのほか手こずったので夕食に遅れたのだ。

「やれやれ、油断したよ。あいつ気が狂ってるんだな。大の男に首をかじられた事あるか? 最低の気分だ」

 一人の兵士が首元についた歯形を指差してそう言った。楕円形の点線から血が滲んでいる。

「麻薬中毒だ。あの後、覚醒剤をくれって騒ぎ出したよ。んなもん無いって言ったら、じゃあ風邪薬をくれって。百錠くらい呑んでたよ。信じられるか? でもそれで大人しくなった」

 兵士達は食事の席につきながら、例の捕虜について語り合っていた。漏れ聞こえる狂暴な出来事は、アイリスが先ほど見かけた捕虜の姿とはかけ離れたものだった。アイリスは彼らの話に興味を持ち、飲みかけのココアを持って彼らのそばに寄って行った。

「この教会の彫刻を総括してた人が、あいつと同じ国の生まれなんだとさ。だから見に来たんだって」

「ファサードを飾った彫刻家の誰かかな。たしかにアジア人だった覚えがある」

「あいつの国はもうおしまいだ。子供は片っ端から火刑にあって血脈は根絶やし。強姦された事の無い女なんて一人も残っていないし、飢え死にした死体に涌いた蠅共が空を覆っているってさ」

「あいつも因果なものさ。血にまみれて生き残ったって、もうお国の言葉で話せる相手もいやしないのに。同じ民族が執り仕切った彫刻を見て、せめてもの慰めにしたかったのかもな」

 冷めた夕食を突っつきながら話していた二人の兵士は、ここでどちらからとも無く話を止めた。いつの間にか自分たちのテーブルに一人、ココアを飲む少女が参加していたことに気付いたからだ。

「なんだお前、いつからいたんだ? あ、そういえば。生誕の門の天使像、眉間に風穴開けたのお前だよな。あの捕虜が怒ってたぞ。お前達はここを守ってるんじゃないのかって」

 嫌な話になってしまったので、アイリスはテーブルを離れた。その後もしばらく聞き耳を立てていたが、もう捕虜の話は出なかった。また戦争の話だ。アイリスはココアを飲み干すと、食堂を後にした。それから彼女だけの行事をこなすべく、一度基地の外に出た。極光を灯りにして障壁の内側をなぞるように歩く。凍てついたバルセロナにも時々、待雪花らしき花が雪の中から咲いている事があるので、それを探していた。このところ少し暖かいのでもしかしたら、と思ったのだ。――サグラダファミリアの地下礼拝堂に立派なお墓がある。いつだったかその場所を発見したアイリスは、それが誰のお墓なのかを大人に尋ねた。大人は答えた。そこに刻まれたアントニ・ガウディという名の人は、このサグラダファミリアの王様だと。自分が生まれ育った場所の王様と聞き、アイリスが感じたのは畏敬でも崇拝の念でもなかった。ただ暖かく、ただ大きな何かだった。それは体温に似ていて、とても安らかな想いだ。アイリスに親は無い。アイリスにとって母性や父性に最も等しいものは「世界」。すなわちサグラダファミリアなのだ。その「世界」がその日、王廟の発見で具体的な人格を持った。アイリスの閉じた世界、アイリスを見つめる無言の神、そしてアイリスにとって家庭と家族の両方を意味するサグラダファミリアが、亡き王の名を以てひとつの存在となった。それは不思議な精神体験だった。アイリスは当たり前の事みたく、ベッドほどもある王の墓標に寝転がり、自分の世界に想いを馳せた。極光を切り取ったようなステンドグラスの群れを。アイリスが眉間を撃ち抜いた楽器を抱えた天使像たちを。狭い渦巻きを昇り尽くした先、尖塔の果てから眺める破滅の都を。冷えた王の墓石の上、アイリスは初めて泣いた。「やっぱり私は一人じゃなかった」。その言葉が繰り返し胸に浮かんだ。それ以来アイリスは二三日に一度、王の墓にお供え物をした。花が良かったが滅多に見つからないので、食べ物のこともあったし、誰かが落としたチェスの駒やトランプ一枚の日もあった。弾丸の薬莢やお気に入りの本を供える事もあったし、台所のすみで拾った綺麗なお酒の瓶でも良かった。品物にこだわりは無かったが、それでも一応思いつくたびに花は探した。

 障壁をなぞってしばらく歩いてみたが、けっきょく花は見つからなかった。仕方なくアイリスは受難のファサードの辺りで雪を集めて、雪玉を作った。今日はこれにしようと決めて、今夜も王の待つ地下礼拝堂に向かった。サグラダファミリアの奥の奥、誰も礼拝などしない礼拝堂。扉を開くといつもと同じように、石造りの空間の最奥で王の墓石が光に照らされていた。

 さあ、お供え物をして部屋に帰ろう。墓標に向かって足を一歩進めた、その時だった。

「こんばんは、お嬢さん」

 礼拝堂の闇から声がした。びく、と肩を震わせたアイリス。足が糸に捕われたみたく停止する。知らない声が発せられた闇の方に目をやる。暗がりの中、柱に手錠で足を繋がれた一人の男がいた。見慣れぬ軍服を気怠く着込み、窓辺に飾られたぬいぐるみのようにじっと座り込んでいるのは、あの異国の捕虜だった。アイリスの知らぬところではあるが、この囚われの者を押し込めておく適当な部屋が教会に無かったので、ひとまず誰もこないこの地下礼拝堂に鎖で繋いでおいたのだ。まさか無口な金髪の少女が夜な夜なせっせとお供え物を運んでいるだなんて、あの二人の兵士は思いもしなかった。

 こんばんは、お嬢さん――そう言った男の声は優しかった。だからこそアイリスは、自分がお嬢さんである事を急に恥ずかしく思った。大人の男ばかりの軍事基地で、女でありかつ子供である自分の存在の違和感を、部外者たるこの捕虜の言葉によって突然はっきり思い出した。

「……私、男よ」

 アイリスは努めて淡々と墓標に雪玉を供えつつ、小さな声でそう言った。世の中にある嘘の半分が唐突なものだったとしても、この藪から棒っぷりはまずい。さいわいアイリスが使う言語には一人称において男性語女性語の区別が無かったが、それでもまずい。

「これは失礼。あんまり綺麗な顔をしてるからさ」

 男は朗らかにそう言った。騙されたのではない、騙されてくれたのだ。それはアイリスでも分かった。廊下ですれ違った事を覚えていないのかな、と思った。

 男は左足を鎖で柱に括り付けられている以外は紳士的な人物であった。静かな口調で喋り、自然な微笑みを絶やさない。人に嫌悪の情を与えない事に長けた、見るからに話の分かりそうな男だ。先ほど食堂で聞いた話に浮かぶ黒く淀んだ人物像はそこに無く、また廊下でアイリスとすれ違った時に感じた人形のような無機質さも、そこに無い。男が初対面のようにアイリスと接したこともあり、アイリスも彼について紳士的な微笑み以外は何も知らぬ少女となった。ただ一点目を引いたのは彼の靴だ。彼のブーツは酷く血に汚れていた。元々は何色をしていたのかも分からない。あたかもそれが意匠であるかのごとく、血漿が彼の靴を穢し尽くしていた。食堂で聞いた兵士達の噂話。祖国を失った彼は、自分の国の彫刻家が統べた作品を一目見るため、バルセロナにやってきた。彼のブーツを染め抜いたのは踏みしめて来た数々の戦場、数々の死。アイリスは彼のことを「穢れ足」と呼ぶ事にした。

 最初に見かけた時からこの捕虜を物珍しく思っていたアイリスは、男のそばに三角座りして、少しの間彼と話した。

「生まれはどこだい、坊主」

 穢れ足の男は足下に転がっている風邪薬の空き瓶をつま先で蹴飛ばしつつ、尋ねた。坊主というのはアイリスが主張する性別を鑑みての呼称であった。彼女の拙い嘘に参加する事を戯れとしたのかもしれない。

「ここ」

 アイリスは地面を指差して答える。穢れ足は驚いた顔をしてアイリスを見た。

「ここ? この障壁の内側で生まれたっていうのか。戦争ってもんだな」

 穢れ足はあくまで驚いているだけだったが、アイリスは何故か憐憫されているような気がした。兵士達に父母のない事を指摘される時のような感覚である。

「あなたの国って?」

 アイリスは被っていたウシャンカ帽を脱ぎ、それを手でぱたぱたと払いながら尋ねる。

「極東の国さ。もう地面と空しか残ってないけどね」

 穢れ足の男は、足を組んで気怠く答えた。

「どんな場所?」

「そうさな……」

 穢れ足の男はアイリスに祖国を語った。遠い異国の大地。刺々しく連なる壮麗な山脈。荒れ狂う海。風に撫でられてざわめく竹林。そして光り輝く大都会。穢れ足が語る世界は、どれもアイリスの知らないものばかりだった。

「雪は無いの? 極光は?」

 興味深く話に聞き入っていたアイリスが尋ねる。

「オーロラは無いね。雪はまあ、あるとこにはある。ここみたいに矢鱈とは無いがな」

 それから穢れ足は、自分の生まれや家族について話してくれた。子供の頃、近所にあった公園で同じ年頃の友達と遊び回った想い出。校庭の隅にある白樺の樹の下で好きな子に好きだと伝えた八月の終わり。将来の夢について考え、そのために勉強し始めた少年時代の最後。その頃、父を亡くして初めて身近な死と対面。当時の自分にとって「死」とは、その人と二度と口を利く事が出来ないという事だと理解された。それから数年後には更に勉強をするため故郷を出る。ひとりぼっちで過ごす大都会で人間社会の意味を知る。その街で出会った女性と結婚し、娘を持つ。好きな食べ物は「お好み」というその異国のピザである。

「好きな子に好きと伝えたのは、何歳?」

「お前さんぐらいの歳さ。出っ歯だけど可愛い子だったよ」

 穢れ足はそうして、何の変哲もない身の上話をアイリスに求められるがまま語った。彼がいつしか大量服用した風邪薬に酔っぱらって眠ってしまうまで、アイリスはじっとその話に聞き入っていた。

 穢れ足が眠ってしまうと、アイリスは礼拝堂を出て自分の部屋に帰った。彼女は狭いながらも自分の個室を持っている。小さなパイプベッドで床の半分が埋まってしまう程度の部屋だが、アイリスが銃と戦果によって勝ち取った空間だ。パイプベッドを置いた残り半分の床は作業机とクローゼットで占められている。作業机の上にはアイリスの大切な相方である対物狙撃銃と、その点検工具が置かれている。アイリスは部屋に帰ると、まず作業机について狙撃銃の清掃と調整を行った。それからベッドに寝転んで本を読み始める。彼女は就寝前の読書を日課とする文学少女の一面を持っていた。だが、この夜は集中できなかったのですぐにやめた。部屋の電燈を消し、いつも着ている厚手の軍用外套を毛布代わりにして眠る体勢に入る。身を丸め、指先で外套の裏ポケットにある刺繍を撫でるのがアイリスの眠る時の癖だ。裏ポケットの刺繍とは、この外套の元の持ち主たるアイリスが亡母の名入れ刺繍である。それを撫でると落ち着くのだが、たぶんそこに複雑な意味は無い。目を閉じるとすぐに、ある空想の風景がアイリスの瞼の裏に浮かんだ。穢れ足の男に聞いた彼の祖国の風景である。どこまでも広がる緑色の草原や、その彼方に見える山脈、あるいは灼熱の海岸や美しい街が、まるで目の前にあるかのように瞼に投影された。穢れ足の育った遠い異国の地を思い描く。時に穢れ足を自分自身と入れ替えて彼の人生を追体験する。この滅びのバルセロナに生まれ落ち、サグラダファミリアを世界としたアイリスにとって、穢れ足の半生は毎日が冒険であると言えた。傭兵である彼が戦渦を走り抜けた事よりも、むしろ平凡極まるかつての日常が、アイリスにとっては冒険譚であった。そんな異世界から来た穢れ足の目に、極光の子たる自分の生活はどのように映ったのだろうか。そしていつの日か、自分も穢れ足が生きたような世界に行けるのだろうか。

 アイリスはいつしか眠りに落ちた。凍りついた窓の向こうで、極光が揺らめいていた。まだ緑色だ。

 

3 アヰリス蒼ヰ想ヰニ囚ワレ窮地

 

 翌日まだ空が白むかどうかの時刻、ものすごい音がした。床も壁も震える強烈な衝撃に、アイリスはベッドを誰かに蹴飛ばされたのかと思った。寝ぼける暇もなく体を起こしたアイリスの耳に轟音の名残があった。どこかで爆発でも起きたのだろうか。アイリスはブーツを履いて外套を着た。扉の向こうに人が走り回る慌ただしい音が響いている。

「敵襲だ、敵襲だ」

 誰かが叫んでいる。アイリスはウシャンカ帽をかぶると、対物狙撃銃を抱いて部屋を飛び出した。回廊も聖堂もすでにお祭り騒ぎだった。一人の兵士がアイリスを見つけて足を止めた。

「障壁に穴が開いた。もう斥候が紛れ込んでるかもしれない。知らない大人には近寄るなよ!」

 兵士はそれだけ言いつけると、戦闘のために走り回る列に混じった。アイリスも兵士達に混じって走り、やがてサグラダファミリアの外に出た。朝はまだ少し先だが、空は安物の液体洗剤みたいな蒼色に染まりつつ合った。そこかしこで炎が上がり、地面に散らばった昨夜は無かった瓦礫を照らしている。火炎の育ち方や破壊の指向性が、アイリスに戦闘の根源がどの方角であるかを教えてくれた。「今日はあっちだ」と、アイリスは東に向かった。生誕のファサードを抜け、尖塔を駆け上る。いくつかの兵士達とすれ違いながら、やがて街を見渡せる場所を陣取る。滅びの都市バルセロナ。我がサグラダファミリアに見守られて死んだ街。ひげ剃りも雑な大人達、どうして街を焼く時ばかり念入りなのだろう?

「サグラダファミリアくれー。サグラダファミリアくれー」

 本日の遊び相手が怒号をあげている。アイリスは冷たい空気を胸一杯に吸い込んで、第三の腕たる対物狙撃銃を構えた。アイリスの腕ほどの太さがある高性能スコープを覗き込み、稲妻を落とす場所を思案する。スコープが最初に捉えた敵は、どうやら障壁に穴をあけた奴らしい。彼らはとある廃屋の窓辺にひそみ、アイリスの知らないおもちゃ――爆弾を放つ大砲をせっせと準備していた。ここから見えるだけで二人いる。最初に撃ち殺すべきはどっちだろう? 手に持っているあのワインボトルみたいな砲弾、撃ったら爆発するのだろうか。そんなことを考えていたら、うまい具合に二人が直線で重なった。これは好都合、これなら二人いっぺんに撃ち殺せる。しかも今なら大好きな頭部を狙えるじゃないか。アイリスは照準を敵兵に合わせる。トリガーにそっと指をかけ、ゆっくりとした吐息に乗せて魂を対物狙撃銃に移し替える。それは水に沈むような感覚だ。銃と自分の体の境界が分からなくなればしめたもの、もう咥え煙草だって撃ち抜ける――。

 今、と思ったその瞬間に引き金をひく、あとはそれだけの事だった。必要なのは指先を一センチ動かす力だけ。アイリスが「何故かを考えた事のない」時間が一センチ先にある。それなのに、何故だろう? この日は何かが明らかに違った。アイリスは照準を合わせた敵兵の姿形を、この日はいつになくじっと見澄ました。

 二人の敵兵。割れた窓から吹き込む凍てついたバルセロナの風の中、彼らの口が動いている。何かを喋っているのだろう。戦略的なことについてのやり取りか。大人の大好きな戦争の話か。「サグラダファミリアをよこせ」という怒号の最中か。あるいは今日に限って日頃言わぬ友情のセリフを口に? 今アイリスの一センチによって、彼らの話はどんなタイミングで途切れるのだろう。ふとそんな事を考えた。スコープに丸く切り取られた景色の中で、その二人はあまりに無力に見えた。果てしなく無力で、儚い。こんな気持ちになったのは初めてだった。

 アイリスは自分の手が震えている事に気付く。尖塔にまとわりつく氷点下の風のせいだろうか。いや違う。妙な汗が頬を伝った。目が変にかすみ、胸が苦しい。何だ、この気持ちは?

 後ろから抱きしめられるみたいに、「穢れ足の男」の話が思い出された。アイリスは考える――今、スコープの十字架を重ねているこの男達。彼らにも故郷がある。自分は彼を見つけてまだ二分も経っていないけど、どうやら彼は数十年前にどこかで生まれ、その父やその母に誕生を歓喜されたのだ。つらい事もあっただろう。止められない涙もあっただろう。腹を抱えて笑った事もあるだろうし、叫びたいくらい悔しかった事もあるだろう。友情や愛を無条件に信じた瞬間があっただろう。自分が成した罪を悔やみ、明日からは清廉に生きようと決意した夜もあっただろう。人と出会い、別れ、分かり合い、衝突し……彼は今日この日まで生きて歩いた。彼が数十年前その誕生を祝われたのは、ここであたまを吹き飛ばされるためだったのか? 彼にも名前がある。名前に託された血族の祈りがある。なぜいつまでも覚えているのか解せない想い出があり、彼にとってのみ特別な意味を持つ場所があり、彼とその親友にだけ成立する一言の冗談がある。好きな食べ物と嫌いな食べ物がある。自分が一センチ指をひくだけで、その全てがゼロになる。それは幸せな事なのか? この指に、この左右で色の違う瞳に、この愛しい対物狙撃銃に――いったいこの世の誰に、それをゼロにすることが許される?

 突如としてアイリスの脳髄を駆け巡ったのは、およそこうした想いだった。虫の羽を千切る遊びが終わりつつあった。虫が生きていると気付いてしまったからだ。虫は生きて歩いている。彼ら自身にさえ意味を理解できない命をつなぐ。なぜか? サグラダファミリアと同じだ。魂がそれを望むからだ。時を越える小さな創造の繰り返しの果て、未完成の世界がやがて産声を上げると信じているからだ。それを冒涜する権利が一体誰にある?

「ファサードの天使像、眉間に風穴を開けたのはお前か?」

 誰かの声が頭の中にこだました。

 銃を構えたアイリスの手が震える。アイリスの表情が歪んだ。恐怖と悲愴が胸の中に押し寄せ、いつしか結露して溢れ出す。スコープを覗くアイリスの目に、覚えの無い涙が浮かんだ。王の墓標で寝転んだ日以来の涙。あの日と違う悲しい涙だった。

 撃てない!

「サグラダファミリアくれったらくれー!」

 次の瞬間、ど、というもの凄い音がした。爆発音だと分かったが、あまりにも近くで齎された音と光の衝撃で、ど、の先はアイリスには聞こえなかった。アイリスのいる尖塔のすぐ近くで砲弾が炸裂した。無音になった世界がまばゆい光に包まれ、破裂した。アイリスはたぶん悲鳴を上げたと思うが、よく分からなかった。弾け飛んだ聖堂の壁に混じって、果物を象った彫刻やお菓子みたいな恰好のピクナル達が空からバラバラ降って来た。

 やがてアイリスの世界に音が戻った頃。そこはもう先ほどまで自分がいた場所では無くなっていた。崩れた外壁にまみれて、アイリスは声にならない悲鳴を上げた。アイリスが瓦礫の中に倒れたのは砲撃の圧力によってではない。爆発の最中、元はどこの壁を成していたかも分からない石の破片が、さながら銃弾と同じ勢いでアイリスの腕を貫いていったのだ。杭で打たれたような衝撃だった。突き飛ばされたみたいに体のバランスが崩れ、強烈な深部痛覚の絶叫に全身の神経が粟立った。激しい焦燥の中、アイリスは逃げ惑う猫みたいに体勢を立て直し、石の残骸の中から対物狙撃銃を拾った。崩れ残った壁のふちに叩き下ろすみたく対物狙撃銃を設置。乱雑な動作で敵兵をスコープに捉え、今度こそ一気に引き金をひいた。竜が吼えるような銃声と共に対物狙撃銃の銃口から一塊の火焔が巻き上がる。敵兵の横っ腹がサメにかじられたみたく消し飛び、彼は糸が切れた人形みたく倒れた。アイリスは全身で銃を支え、生き残った片手で薬莢を排出、次弾を装填。空き缶のような大きさの空薬莢が地面に落ち、雪に触れてじゅうじゅうと湯気を上げた。アイリスの視界が歪む。続けてもう一弾。竜の咆哮、一塊の火焔。対物狙撃銃を撃つ衝撃にアイリスの体はもう耐えられなかった。アイリスは倒れる。「当たったはずだ」。そう思いながら最後の力で地上へ続く長い階段の中へ這いずって行った。少女としての肉体を構成する全ての筋肉が激痛に耐えようと硬直した。やがて痛熱が脳を焼き、混乱がふっと真っ白になった時、全身の力が抜けた。自分の血が階段の上に冗談みたく広がってゆくなか、誰かが駆け寄る足音が妙に鈍い質感で聞こえた。

「アイリス!」

 誰かが呼ぶ声。眼球がぐるりと回るのを感じ、意識はそこで途切れた。

 その後、自室に運び込まれて火急の手当を受けたアイリス。飛び飛びの意識の中、戦いの音は続いていたが、やがて静かになった。ああ、どうやら勝ったんだなとアイリスは思った。麻酔が痛みを消してくれたが、生死の審判はしばし保留だった。しばらくの間、アイリスはベッドで日々を過ごした。意識は途切れ、また繋がりを繰り返した。時々、砲撃や銃火がサグラダファミリアの壁をゆらした。苦痛と麻酔で時間の感覚も狂うような寝たきり生活だったが、それでも戦闘がこれまで無いほどに頻繁だと分かった。誰かがぽつりと言った「戦争が終わりかけている」という言葉が意識の片隅に焼きついている。終わるとは何だろう。激しい焦熱が体を焼き焦がし、薬が切れるたびに呻き声を禁じ得ないような激痛が体を蝕んだ。不愉快な白昼夢を見続けているような時間であった。アイリスは激しい苦痛の中で生死の審判を待ち続けた。そして審判は下った。アイリスは生き残った。

 

 

2018年12月28日公開

© 2018 倉椅

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


この作品にはまだレビューがありません。ぜひレビューを残してください。

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

---

"極光ノヰリス"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る