梶井少年記 第2章 謎

少年記(第3話)

永夜 はまか

小説

605文字

その場のノリと自分のプライドの為だけに、謎の「老人」の弟子になってしまった梶井 宇宙。
そんな彼には1つの「謎」があった‥‥

「はぁ・・・・」

少年はため息をついた。普段はやかましくて「うるさい!」と怒鳴りたくなる蝉の声も聞こえない。

 

少しでも気を紛らわせよう、とテレビをつけ、ぼーっとニュース番組を眺めてみた。「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録についてや、10年前の今頃にいきなり行方をくらました天才作家についての特集が放送されていたが、全くというほど内容は頭に入ってこなかった。

 

少年は自分が好奇心に負けて、あの老人の弟子になったことを早くも後悔していた。と、同時に少年の頭のなかには謎が渦巻いていた。どうして自分なのか、という謎である。

第1章でも述べた通り少年はさして頭も良くなかった。クラスでも下から数えた方が確実にはやい。

運動もできない。体力テストではいつもE (体力テストの最低ランク)にならないようにと奮闘していた。

これといった特技もない。クラスの人気者というわけでもなく、1人で行動することが多い。無論モテるわけでもない。彼は当時自分に長所なんて無いものだと思っていた。(後に梶井少年は人並み外れた才能を発揮することになるが、それは当時の彼には知る由も無いことであった)

 

老人は比較的塾の近くに住んでいる上に、この辺はそこまで子供が少ないわけでも無い。
自分ではなくとも、もっとマシな奴がいるに違いない。

「なのに何故自分なのか」

少年にはさっぱりわからなかった。

2017年6月27日公開

作品集『少年記』第3話 (全20話)

© 2017 永夜 はまか

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