ハルキ

南沢修哉

小説

10,826文字

                    

ハルキは私がこれまで会った中で最高の女だった。十七歳だった。黒い髪、針で刺すような青い瞳、遺伝子操作級の美女だった。大きくて完璧なかたちをしたアンダー八十五のCカップと小さく引き締まったお尻に私の目は釘づけになった。彼女は私が付き合っていた女の同居人だった。私の恋人は年下の少女と暮らしていたのだ。恋人はL子という名前だった。彼女も負けず劣らずの美人だった。しかしハルキに対して計画していたことをL子に行うのは難しかっただろう。たしかにL子は私の好きなやり方でセックスをさせてくれた。首を絞め、レイプの真似をしても怒るどころか愉しんでさえいた。しかしそのような真似事は歳を重ねるにつれて古くさく思えてきた。L子とハルキは十一ほど離れていた。私は若い女に惹かれた。千鶴子を絞殺して庭に埋めてから二年が経とうとしていた。また女を絞め殺してやりたいという衝動が俄かに強まっていった。私は自分に課したルールを破りつつあった。知人をレイプや殺人の標的にしてはいけないというルールだ。しかしそのとき私が思いついた計画は最小限のリスクで実行できるものだった。

ハルキがL子の家にやってきてから二ヶ月が経ったころ、二人がいるところに私は偶然に居合わせた。私たちは晩飯の買い出しに行こうとしていた。私の車は自宅にあった。L子は体調が悪かった。そのためハルキは自分の車を貸そうと言った。しかし彼女は酒を飲んでいたので運転できなかった。そういうわけで私は一人で買い出しに行くことになった。ハルキの車はソアラだった。私は近くのショッピング・モールに行った。そこで食料を調達した。帰る前に金物屋に寄って車の合鍵をつくってもらった。二人の家に戻って彼女に鍵を返した。気づかれてはいないようだった。

合鍵を手に入れてから数週間、私は辛抱強く待った。そのあいだ彼女を尾行しつづけた。彼女のスケジュールを週が変わるごとに把握した。家に盗聴器を仕掛けていたのだ。彼女がどこへ行き、どこで過ごすのを好むのか、私はなるべく多く知りたかった。彼女が車に乗るのを何度か見て私はあることに気がついた。彼女は後部座席をちらりとも見ないのだ。何者かが潜んでいてもおそらくは気がつかないだろう。ソアラは二ドアで中型のクーペだった。夜のうちに後部座席に忍び込むのは造作もないことだった。それよりも最初に考えるべきなのは彼女を連れ出す場所だった。人目につかず、声も届かないような場所だ。二週間が経過した。川沿いのぬかるんだ道を車で走りまわったが、探しているような場所はなかった。あきらめかけたとき、私は森の中にあった釣り堀のことを思い出した。週末になると父がよく連れて行ってくれたところだ。家から車で半時間の場所だった。あの釣り堀があるとすれば湖の隣に小屋も残っているにちがいない。あのへんは草木が生い茂っていた。周囲からは隠れて見えない筈だ。私は車を走らせた。少しかかったが一時間ほどで小屋の前に着いた。昔とほとんど変わっていなかった。ただひどく古びており電気やガスもきていなかった。もう何年も人が住んでいないように見えた。私は車を降り、小屋の戸を開けた。鍵はかかっていなかった。中に入ってあたりを見まわした。寝室にはベッドが残っていた。ボロくなったマットレスが埃をかぶっていた。居間には壊れた家具があった。誰かが投棄したのだろう。ひととおり調べたが、長いあいだここには誰もきていないようだった。探していた場所をとうとう見つけたのだ。小屋に仕掛けを施すために、私は何度もそこに通った。最初に持って行ったのはコンクリート・ミックス、シャベル、タンク一杯の水、それから手押し車だった。小屋から百メートルほど離れたところに何時間もかけて穴を掘った。草木が生い茂っているところだ。掘っているあいだ、人がやってこないか私は注意した。しかし気配はまるで感じられなかった。ひと月もしないうちに穴は二メートル近くに達した。深さも広さも申し分なかった。木々に囲まれたこの穴は完全に隠れていた。次の週、私は車で二時間かけて街に出た。現金でスタンガンを買った。三日後の金曜の夜、私は殺しに使う道具を用意した。そしてふたたびハルキを監視、尾行しはじめた。鞄に入れたのはスタンガン、医療用の手袋、手錠、結束バンド、頑丈なゴミ袋、スカーフ、切れ味のよいナイフ、ポラロイドカメラ、ビデオカメラ、及びそのフィルムだった。

絶好の機会が訪れた。思っていたよりずっと早かった。ハルキは昼過ぎにアルバイトを終えて帰宅した。二十分後、彼女は男を勃起させるのを目的にしているような服を着て出てきた。そのホルターシャツはひどく小さかった。もちろんブラはつけていなかった。デニム地のショートパンツから細い脚が伸びていた。踵の高いサンダルを裸足に履いていた。私は勃起していた。

私は彼女の午後の予定を把握していた。モールに買い物をしに行き、済んだらL子のところへ戻る。L子のところにハルキから電話があったのを私は盗聴していたのだ。計画どおりに行けば、ハルキは二度とL子に会うことはないだろう。私は車であとをつけた。ハルキが車を降りて店に入るのを見届けた。私は彼女のソアラからさほど離れていないところに車を停めた。店はほとんど混んでいなかった。私は手袋をつけた。用意した道具を持ってハルキの車に急いだ。合鍵でドアを開けて後部座席に忍び込むまでに十五秒もかからなかった。手にはスタンガンを持っていた。チャンスは目の前だった。もし彼女を感電させる前に見つかったら言い逃れるのは難しいだろう、そういう状況だった。一分間に何千回も心臓が鼓動しているようだった。十分後、私はサイド・ウィンドウに彼女の姿を認めた。できるだけ低くうずくまって待った。彼女は何も知らずにドアを開けて車に乗ってきた。助手席に買い物袋を置いた。予想どおりの動作だった。いましかないと思った。彼女がエンジンをかけようとした瞬間、私は運転席のほうにスタンガンを近づけた。むき出しの腕に触れ、スイッチを押した。彼女の身体は急にビクッと動いて痙攣した。私がスイッチから指を離すと、助手席のほうに向かって斜めにバタンと倒れた。十秒に満たない出来事だった。私はスタンガンを素早く仕舞った。駐車場をよく見わたした。幸運にもあたりには誰もいなかった。私はハルキの小さな身体を後部座席に移動させ、顔を下にして寝かせた。私はすぐにでも彼女をレイプしたかった。しかし衝動を抑えた。そして彼女の両手を背中にまわして縛った。千鶴子のときと同じように結束バンドで厳重に縛った。それからスカーフを出し、まるめて口の奥に突っ込んだ。彼女が逃げたり大声を上げたりできないようにしたあとで、私は運転席に戻って車を走らせた。

小屋まで四十五分かかった。十五分ほどするとハルキは意識を取り戻した。もがく音や咽喉にこもった叫び声が後ろから聞こえた。車の中からでは彼女の声も外に届かない。私は小屋の近くに車を停め、エンジンを切った。彼女を残して車から降りた。小屋に入ってあたりを見た。変わったところがないか確認したが、最後に穴を掘りにきたときと同じで、小屋の中に誰かが入ったり何かに触れたりしたような形跡はなかった。ひととおり調べ終えたあとで、私は小屋を出て茂みのほうへ歩いていった。私が掘った穴もきちんと残っていた。掘り起こされて堆積した土にシャベルが刺さったままだった。私は車に戻った。ドアを開けると彼女はうつ伏せになったままじたばたしていた。私が両肘をつかんで降ろそうとすると本気で暴れはじめた。手を縛っていたので簡単に引きずり降ろすことができた。彼女は泥道を走って逃げようとした。私は腕をつかんで地面に顔を抑えつけた。むせび泣く声がスカーフの猿轡でこもっていた。私は彼女の身体を地面から起こした。私が誰か気づいていないようだった。まだ顔を見られていなかったのだ。薄暗い月灯りの下で私のほうを振り返った。そこでようやく、それが同居人の恋人であることを認識した。驚きと恐怖が入り混じって固まったような表情だった。私はその顔を忘れられなかった。猿轡を咥えたまま大声で叫びはじめた。私は道具を入れた鞄を脇にかかえて彼女の背中を押し、小屋のドアへと向かわせた。それほど抵抗しなかった。私を認識してから、自分は傷つけられることはないと思ったのかもしれない。もしそう思っていたならそれは完全に勘違いだった。小屋に入り、部屋の真ん中の椅子に彼女を座らせた。四つ目の結束バンドを鞄から出し、彼女の手と椅子を結びつけた。彼女のすぐ目の前の椅子に座った。数分のあいだ彼女を眺めていた。驚きと恐怖に満ちた表情は変わらなかった。私はそこでようやく話しかけた。

「ハルキ、なぜ私がこんなことをするのかと思うだろう。簡単だ。これからきみをレイプするんだ」

殺すことは伝えずにおいた。あとで驚かせるためだ。彼女は頭を振り乱して泣きはじめた。私はつづけた。

「言うとおりにすればきみは無事で済む。叫んだり暴れたり逃げようとしたりせず大人しくセックスさせてくれるなら、きみは生きて帰れる。言うとおりにしなければ、きみは二度と誰にも会えたくなる。わかったかい?」

彼女はしばらく私を見ていた。それから何度か頷いた。

「よし」と私は言った。「いまから口の中のスカーフを取り除いてやる。けどもし叫んだり私の許可なくしゃべったりしたら、夜が明ける前にきみは死ぬことになる」

そう言って私は彼女のほうへ近づき、彼女の美しくて魅力的な口からスカーフの猿轡を抜き取った。彼女は深く息を吸って吐いた。私はタンクからコップに水をくんで少しずつ彼女に飲ませた。それは穴を掘りにきたときに持ってきたものだった。ぬるい水だったが、少しは潤っただろう。私は彼女が水を飲む様子を観察していた。一口飲むたびに咽喉が上下するのがわかった。彼女と二人きりでいると思うと私は興奮した。コップの水がなくなった。私はふたたび話しかけた。

「怖いかい?」

彼女は思いきって、急くような声で答えた。

「うん」

「べつにいいよ。怖くて当然だ」と私は言った。

私は彼女の背後を行ったりきたりした。静かに話をつづけた。

「それじゃあはじめようか。最初にきみの服を脱がせるよ」

彼女はふたたび静かにむせび泣きだした。私は鞄からナイフを出して正面にまわった。ホルターシャツの裾から手を入れて生地を浮かせた。胸のところから裾に向かってナイフで切り裂いた。思ったとおり彼女はブラをつけていなかった。美しく引き締まった乳房が私の眼前にあらわれた。私のペニスは即座に硬くなり限界まで勃起した。私が目の前にいるせいか、彼女は本気で泣いていた。隣に移ったほうがよさそうだった。ショートパンツに手をかけて脱がせようとした。腰を上げろと言った。彼女は言うとおりにして、私はジッパーを外し、両手でつかみ下にずらして脱がせた。残るは赤いパンティだけだった。彼女の身体を傷つけないように注意しながら布をナイフで裂いた。彼女のヌードを背後からまじまじと見つめた。私はここまで完璧にこなしてきた自分が誇らしかった。いよいよその報酬を得るときだった。自分の服を脱ぎながら、最初に何をしようか考えていた。私は瑞々しいフェラチオをしてほしかった。その前に鞄からポラロイドとビデオカメラを出しに行った。私は部屋を見わたし、カメラを置くのにふさわしい場所を見つけた。部屋全体が写る場所にカメラを置いて、彼女のほうへ戻った。彼女の前に立って、ポラロイドで手際よく写真を三枚撮った。そしてそれを横にどけた。現像されたものを見た。よく撮れていた。私は彼女の手首と椅子を結んでいた結束バンドを解いた。彼女を椅子から押して床に跪かせた。私は空いた椅子に座った。彼女の黒くて長い髪を引っぱり上げて自分のほうへ近づけた。彼女の口唇にペニスを押しつけた。彼女はすでに泣きやんでいたが、自ら進んでフェラチオをしようともしなかった。私は何度も彼女の口にペニスを近づけたが、そのたびに彼女は顔を背けて、いや、やめて、お願い、などと囁いた。しばらくこのやりとりを辛抱強くつづけてみたが、とうとう疲れてしまった。私は右手を振り上げ、反対の手で彼女の髪をつかんだまま、左頬を力の限り引っぱたいた。その一撃は効果があった。次にペニスを近づけると、彼女は頭を動かさなかった。

「口を開けろ売女。私がいくまでしゃぶれ。ちょっとでも噛みついたらおまえの乳首を両方とも喰いちぎって胸に酒をぶっかけてやる」

彼女は平手打ちを喰らったことでまだ泣いていたが、口を開けてペニスを受け入れた。彼女の後頭部をつかんで押しつけ、咽喉の奥をペニスで突き刺した。十五センチくらいのところで彼女は息を詰まらせて嘔吐いたが、私は両手で彼女の頭をつかんだまま無理に押し込んだ。とうとう二十センチ以上のペニスが完全に咽喉の奥へと入っていった。大して気持ちのよいものではなかった。彼女はよだれを垂らしていた。しばらく咽喉を痙攣させていた。三十秒ほどして彼女は嘔吐きはじめた。胃の中身を吐き出そうとした。ペニスが塞いでいたので彼女は吐瀉物の一部を飲み込んだ。残りは鼻の穴から垂れ流れ、私のペニスのまわりに付着していた。私はペニスを引き抜いた。何分か彼女に息を吸わせた。そしてまた深く咥えさせた。しゃぶりつづけるように命じた。もし途中でやめたりペニスを口から出したりしたら、たとえどんな理由があっても、意図的でなかったとしても、おまえの舌を切り落とすぞ、と私は言った。彼女はその脅しをよく理解した。ペニスを口に出し入れするとき、いちばん深いところまで咥えた。私は半時間以上もペニスをしゃぶらせていた。そろそろ我慢できなくなった。不意に絶頂がきた。溜まっていた精液が咽喉の奥で流れ出た。それからペニスを引き抜き、彼女の頭から手を離した。彼女はすぐに床に崩れ、ごくごくと空気を吸った。ようやく解放されたと思ったのだろう。しかし私が次に行うことを知れば、まだペニスを吸っているほうがマシだと思っただろう。

彼女は左側を下にして横になっていた。私は両脇の下をつかんでマットレスのほうへ彼女を引きずった。彼女は自棄になっているようだった。あちこち蹴り、あらん限りの大声で、いや、やめて、お願い、などと叫びはじめた。私は気にしなかった。どうせ誰にも聞こえないのだ。しかしうるさいのは気に入らなかった。彼女の身体をマットレスに投げ落とした。彼女は仰向けになっていた。私はそのすぐ隣にしゃがんだ。まだ叫ぶのをやめなかったので、彼女の首を両手で包み、締め上げた。叫び声はすぐにやんだが、今度は暴れはじめた。両脚をばたつかせて跳ねまわった。そんな暴れ方を私は見たことがなかった。想像していたより彼女には力があった。脚は軽くしなやかに、高く柔らかく空を蹴った。気をつけて近づかないと眉間を蹴飛ばされそうだった。蹴られるのを避けるために、彼女の首をマットレスから下ろし、首を絞めた。蹴りは弱っていった。窒息して力が抜けてゆくのがわかった。とうとう彼女は膝を曲げ、両脚をマットレスに下ろした。息をするためにあえいでいたが、やがてそれも弱々しく消えていった。彼女は意識を失ったので、私はすぐに手を離した。息をしているかたしかめた。無事だった。まだ殺すつもりはなかった。まだ彼女と愉しみたいことはたくさんあった。意識を失っている彼女を寝返らせて仰向けにした。わずかに脚を拡げた。そばにあった古い枕を持ってきて、彼女の尻の下に置いた。私はもとの場所に戻った。彼女の美しいピンク色の性器をしばらく眺めていた。しかしのんびりしている時間はなかった。私は彼女のお尻の隣に座った。それは私が見てきた中でも特に美しいお尻だった。何も身につけていないそのお尻をすぐ近くで見る権利を私は得たのだ。両手で押し拡げると、脚が僅かになめらかに動きはじめた。完全に目覚めてしまう前に、彼女の膣から出てきた淫水と自分の精液を混ぜて指でこすった。狭く小さな尻の穴を拡げた。その上にペニスをそっと置き、ゆっくりと挿入した。先端が入ると、彼女は目を覚まして叫びはじめた。逃げられないように背中から覆いかぶさった。私は腰の力を最大限に利用して、未だかつて性行為に使われたことのない彼女の尻の穴に私自身を打ち込んだ。ペニスと陰嚢のまわりに生あたたかい液体が伝うのを感じた。彼女の血であることはすぐに感じとれた。彼女は叫んだ。痛みのために泣いているようだった。私は前に寄りかかった。彼女の髪の毛をつかんで全力でうしろに引っぱった。彼女の耳もとで囁いた。

「叫んでも誰もこないぞ売女」

髪の毛を離すと、彼女は頭からマットレスに崩れ落ちた。ゆるくなった尻の穴を犯しつづけた。数分後、彼女は完全に泣きやんでいた。それどころかまったく動かなくなっていた。尻を犯しているあいだ、彼女はそこに寝ているだけだった。短い射精だった。尻の穴からペニスを抜いた。私はすぐに彼女を仰向けにさせた。息はしているようだった。しかしその目は何も捉えていなかった。完全にショック状態だった。私はカメラの録画を停止した。彼女を縛っていた結束バンドを素早く解いた。そばにあったブランケットをかけ、脚を上げさせた。私にはショック症状を治す心得があった。せっかく手に入れた獲物をそう易々と死なせるわけにはいかなかった。私は彼女のヴァギナを生きたまま犯したかったのだ。彼女の意識が戻るまで二時間近くかかった。まともにしゃべれるようになるまで半時間かかった。自分の身に何が起きているか完全に思い出したらしい。私は彼女の両手をふたたび背中で縛った。結束バンドを余分に持ってきて正解だった。彼女は自ら深いショック状態に逃れようとしたようだが、幸か不幸か若さと健康のおかげで一般的な処置をしただけですぐに回復したのだ。目の前で起こっている現実を理解したとき、彼女は静かにすすり泣きはじめた。

「おかえり、ハルキ」

私は彼女の隣に座って囁いた。指先で彼女の乳首を弾いた。引き締まった乳房を手のひらで揉んだ。

「きみを失ってしまったかと不安になったよ」

「痛い、痛いわ」と彼女は言いつづけた。マットレスから腰を下ろそうとしていた。

「黙れよ。すぐに終わるさ」と私は言った。

それは自分の生命が終わることだと彼女はまだ気づいていなかった。私はハルキの左乳房を転がしつづけた。彼女の脚をマットレスに着くまで押し下げた。彼女の脚を上下に動かすたびに、私は近づいていった。指を入れると、とても熱かった。二本の指で優しく陰核をつまんだ。私は彼女の隣に横になった。乳首を交互に吸った。彼女は静かな声で泣いていた。しかしいくらか感じているようでもあった。膣から淫水が垂れていた。私とこうするのを望んでいたのかと訊ねたら、彼女はうめきながら首を横にふった。

「こんなのはどうだい?」

そう訊ねると、彼女はふたたび首を横にふって拒絶した。しかし彼女のヴァギナは別の答えを返していた。私は膣壁を指でなでつづけた。

「私の言っている意味がわからないのかい?」

彼女は声を押し殺して泣いていた。彼女は頷いて、自分が感じていることを認めた。

「また同じことをされたいのかい?」

「いや、もう痛くしないで。お願い」

彼女はそう言った。私は彼女にほほ笑んだ。

「きみは処女じゃないんだろ? 硬いペニスを欲していることはわかっているんだ。きみが感じているふりさえしてくれれば、私はきみが望むものを与えることができる。言うとおりにするなら無事に帰れる。それともまた尻の穴でするかい?」

彼女は少し考えているようだったが、最終的には私の話を理解してくれた。私は彼女に覆いかぶさるかたちになっていた。両手をうしろに縛られた姿勢は、彼女の胸を突き出させて一段と美しく見せていた。私はそれを愛撫しつづけた。谷間に顔をうずめた。私は顔を上げて言った。

「脚を拡げろ」

彼女は言うとおりにした。私は自分の腰を彼女の性器にぴったりと近づけた。口唇にキスした。彼女は最初、それを拒もうとした。しかしすぐに約束を思い出したようだ。私の舌は彼女の口の中へ気持ちよく入っていき、彼女の舌も私の中にずるずると入ってきた。しばらく舌を吸われていた。私はすっかりその気になってきた。岩のように硬くなったペニスを右手でつかみ膣口へと導いた。彼女はこわばっていたが、私が強引に中へ入ろうとすると、もう途中で終わることはないのだと知って降参したようだった。私のペニスは濡れて締まるヴァギナを裂いて奥へと入っていった。彼女のお尻がマットレスから浮いた。私のそれにぴったりと密着した。彼女の両脚を私の背中に巻きつけさせた。私は強く強く、やがて死人のものとなるヴァギナをかきまわした。しばらく乳房を弄んだ。うなじのあたりを優しく愛撫した。うら若き売女を犯しはじめて二十分ほど経つと、私は絶頂に達するのを一分も待てないところまでやってきた。これからどうするかを彼女にはっきりと伝えておくべき時間でもあった。私は両手で彼女の肩をつかみ、セックスのリズムをゆるやかに落としていった。

「ハルキ、きみが今夜のことを誰にも口外しないようにするためにはどうすればいいと思う?」

彼女は下から私を眺めた。その目には次第に軽蔑の色が浮かんできた。無事に帰れるという約束を間に受けてセックスをしていた彼女は、誰にも言わない、約束するわ、と答えた。私は黙って聞いたあとで、首を横にふった。

「信じられないよ」

彼女は驚いて言葉を失いかけたが、私にこう訊ねた。

「どうすれば信じてくれるの?」

私は何秒か彼女を見つめていた。私の両手は彼女の肩からその柔らかく美しい首のほうへとゆっくりと移動していった。

「きみにできることは何もないよ。きみを口外できないようにする以外に方法はないんだよ」

彼女は困惑しているようだった。私の両手が首を包むと、その表情は消え、混乱と恐怖に変わっていった。

「無事に帰れるって言ったのに!」

彼女は叫んだ。

「約束したのに!」

私は笑った。そして首を握る力を徐々に強くしていった。

「お願い、やめて!」

手に力を込めるたびに、彼女はしわがれた声で命乞いをした。

「私……まだ……」

何を言おうとしているのか気になって、彼女がしゃべれるくらいまで手の力を弱めた。すると彼女は咳き込みながら私のペニスの上で派手に尿をした。私は興奮してセックスのリズムを僅かに速くした。舌骨を折らないように気をつけながらふたたび首を絞めた。すぐに殺すつもりはなかった。彼女の顔は紅潮していった。ほとんど紫に近い色だった。私の下でもがいていた。蹴飛ばして逃れようとしていた。私はその反応を想定していた。一分ほど格闘がつづいたあとで、彼女の頭と脚が痙攣しはじめた。彼女の咽喉はおぞましい音をたてていた。私はいきそうだった。ハルキの充血した目を見つめながら死にゆく若いヴァギナを強く強く突きつづけた。彼女の両脚が静かにマットレスに下りてゆくと、私はいちばん奥深いところに射精した。彼女はまだ完全には死んでいなかった。私はセックスをつづけていた。やがてペニスはふにゃふにゃになって使いものにならなくなった。自然と膣の外へと抜け落ちた。私は彼女の顔に一抹の生気も見られないことを確認した。しかし念のために首を絞めつづけた。放っておくと意識を取り戻すこともあり得る。しばらくすると彼女の首が私の手の中で動くのを感じた。力強い蹴りが二回ほど空を切った。それから弱って動かなくなった。つかんだ首を何度かふりまわした。そしてマットレスにたたきつけて離した。ぐったりと崩れた彼女の胸に耳をあてた。何も音がしなかった。手首にも脈拍は感じられなかった。私はポラロイドを手にした。彼女の美しい身体を、思いつくすべてのアングルから写真におさめた。服を着た。私はビデオの録画を停め、写真といっしょに車に積んだ。

コンクリート・ミックスの袋をいくつか手押し車に積んで茂みのほうへ運んだ。穴の中に袋の中身を入れた。同時に水を混ぜた。それからハルキのところへ戻った。顔を上にして手押し車に乗せ、穴のところまで運んだ。穴の縁のところで荷台を傾けた。彼女は音をたてて穴の中に転がり落ちた。さよなら。私は懐中電灯で下を照らした。ちょうど尻の穴がこちらを向いていた。私は素早く残りの袋を開けて逆さまにした。中身をすべて穴に注いだ。たっぷりと水を加えた。棒でかき混ぜた。スタンガンもいっしょに投げ入れた。私は小屋に戻った。ハルキの服をまとめた。それから車の中を念入りに調べた。財布を見つけた。中には12,524円の現金と彼女の恋人の写真が入っていた。私は現金以外のすべてを小屋の裏のドラム缶に放り込んだ。火をつけて灰にした。私は穴のほうへ戻った。コンクリートは固まりかけていた。彼女の姿は覆われて見えなかった。私は穴の隙間にシャベルで土をかぶせて埋めた。かなりの時間を要した。私は時計を見た。急がなければマズい時間だった。コンクリート・ミックスの袋を燃やしたあと、小屋に戻って荷物をまとめた。それらを持って小屋を出た。ソアラに乗って街へ戻った。自分の車のところへ行く前に、私はハルキの車をスタンドで洗車した。泥を洗い流すためにいったんタイヤをすべて外した。ブラシでホイールカバーやバンパーを洗った。ホースで水をかけて流した。それからショッピング・モールに向かった。私が彼女をさらったときと同じようにそこはまだ暗かった。私はソアラを降りて鍵をかけた。それから自分の車に乗って帰宅した。

翌日の午後、ハルキが家出したとL子から電話で聞かされた――彼女の車はショッピング・モールの駐車場で見つかった、誰かといっしょに失踪したらしい、数日前から両親と揉めており家出をちらつかせていたらしい。それは気の毒なことだ、と私は答えた。彼女の行方についてまったく心あたりがないふりをしたまま電話を切った。

陽が暮れてから、私はハルキと過ごした夜に着ていた服と靴を高架下の河川敷で燃やした。それから彼女の車の合鍵をテープで石に巻きつけて橋の上から投げ捨てた。ちゃぽんという音とともに沈んでいった。しばらく水面を眺めていたが、それは決して浮いてこなかった。私は帰宅してハルキの写真を机の上に拡げた。生きたまま椅子にくくりつけられている写真と絞め殺されたあとの写真を見比べながらオナニーをはじめた。

2016年9月13日公開

© 2016 南沢修哉

読み終えたらレビューしてください

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


2.0 (1件の評価)

破滅チャートとは

この機能は廃止予定です。

タグ

この投稿にはまだ誰もタグをつけていません。ぜひ最初のタグをつけてください!

タグをつける

タグ付け機能は会員限定です。ログインまたは新規登録をしてください。

作者がつけたタグ

官能

"ハルキ"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る