はめにゅー

日販・トーハンが2017年の年間ベストセラーを発表 総合1位は『九十歳。何がめでたい』

日販とトーハンによる2017年の年間ベストセラーランキングが発表された。今年多くの人に読まれたのは、いったいどのような本だったのだろうか?

出版取次大手の日販とトーハンは2017年12月1日、揃って年間ベストセラーランキングを発表した。総合1位に輝いたのは、ともに佐藤愛子のエッセイ『九十歳。何がめでたい』だった。また、フィクション部門での1位は直木賞を受賞した恩田陸『蜜蜂と遠雷』、文庫部門の1位は映画化もされた住野よる『君の膵臓をたべたい』となっている。

まずは総合ランキングから詳しく眺めてみよう。ところどころ順位が前後している部分はあるものの、日販・トーハンともにベスト10のラインナップはほぼ変わらない。

【日販調べ 総合ベストセラー】

1 九十歳。何がめでたい 佐藤愛子 小学館
2 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか 高橋書店
3 蜜蜂と遠雷 恩田陸 幻冬舎
4 日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル(小学1~6年生) 文響社
5 騎士団長殺し(1・2) 村上春樹 新潮社
6 儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 ケント・ギルバート 講談社
7 伝道の法 人生の「真実」に目覚める時 大川隆法 幸福の科学出版
8 続 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか 高橋書店
9 モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット 佐久間健一 サンマーク出版
10 新・人間革命 池田大作 聖教新聞社

【トーハン調べ 総合ベストセラー】

1 九十歳。何がめでたい 佐藤愛子 小学館
2 伝道の法 人生の「真実」に目覚める時 大川隆法 幸福の科学出版
3 蜜蜂と遠雷 恩田陸 幻冬舎
4 儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 ケント・ギルバート 講談社
5 ざんねんないきもの事典 / 続 ざんねんないきもの事典 今泉忠明、下間文恵ほか 高橋書店
6 日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル(小学1~6年生) 文響社
7 騎士団長殺し(1・2) 村上春樹 新潮社
8 応仁の乱 呉座勇一 中央公論新社
9 新・人間革命 池田大作 聖教新聞社
10 モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット 佐久間健一 サンマーク出版

総合1位となった佐藤愛子の『九十歳。何がめでたい』 は各所で話題となったので、店頭で見かけた人も多いことだろう。小説家としてはすでに2014年の『晩鐘』を最後に事実上の引退宣言をしているが、現在94歳にしてまだまだエッセイストとしての切れ味は抜群だ。これからの超高齢社会を生きていくうえでのヒントとしての需要もあっただろうか。

『ざんねんないきもの事典』『うんこ漢字ドリル』といった子供向けのシリーズが揃ってベスト10に入っているのも、今年の大きな特徴だ。日販によると、『ハリー・ポッター』シリーズ以外の児童書が年間ベスト10に入るのは21世紀初のことだという。

新書として唯一双方でトップ10入りを果たしたのは、ケント・ギルバートの『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』だ。日本人ではないからこそ日本文化を熟知している、と豪語するギルバートが書いたこの本は、ネトウヨ層を中心に賛否両論を巻き起こした。ただの愛国ビジネスだと喝破する声もあるが、新書というものは結局のところ売れた者勝ちである。年間ベストセラーとして紹介されることでさらに部数を伸ばすのだろう。

また、例によって大川隆法と池田大作の著作も年間ベスト10入りを果たしている。

つづいて、フィクション部門のベスト10を見ていきたい。こちらも、順位の違いはあるもののラインナップは2社共通だ。

【日販調べ フィクション部門ベストセラー】

1 蜜蜂と遠雷 恩田陸 幻冬舎
2 騎士団長殺し(1・2) 村上春樹 新潮社
3 コーヒーが冷めないうちに 川口俊和 サンマーク出版
4 か「」く「」し「」ご「」と「 住野よる 新潮社
5 君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉社
6 劇場 又吉直樹 新潮社
7 コンビニ人間 村田沙耶香 文藝春秋
8 よるのばけもの 住野よる 双葉社
9 マスカレード・ナイト 東野圭吾 集英社
10 また、同じ夢を見ていた 住野よる 双葉社

【トーハン調べ フィクション部門ベストセラー】

1 蜜蜂と遠雷 恩田陸 幻冬舎
2 騎士団長殺し(1・2) 村上春樹 新潮社
3 コーヒーが冷めないうちに 川口俊和 サンマーク出版
4 君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉社
5 劇場 又吉直樹 新潮社
6 か「」く「」し「」ご「」と「 住野よる 新潮社
7 コンビニ人間 村田沙耶香 文藝春秋
8 マスカレード・ナイト 東野圭吾 集英社
9 よるのばけもの 住野よる 双葉社
10 また、同じ夢を見ていた 住野よる 双葉社

なんといっても2017年最大のヒットは、第156回直木賞と第14回本屋大賞もダブル受賞した恩田陸『蜜蜂と遠雷』だろう。音楽をモチーフとした青春群像劇という日本人が大好きな要素がこれでもかと入った作品だけに、文学賞受賞で話題になればヒットするのは必然だった。まだ映画化の話が聞こえてこないのは意外ではある。

ベスト10に4作という快進撃を見せたのは住野よるだった。商業デビュー以来刊行されたすべての単行本がランクインした格好であり、この1年間の印税額を想像すると少々ぞっとするほどだ。「小説家になろう」からデビューしたほかの作家たちがあくまでラノベレーベルを主戦場としているのに対し、住野の近作は一般小説誌からの発表となっている点も受け入れられやすかった原因だろうか。

ほか、村上春樹や東野圭吾、又吉直樹といったベストセラー常連作家がランクインしている。

最後に文庫部門を確認しよう。こちらは9位までは同じ作品が並んでいるが、10位が2社で違っている。

【日販調べ 文庫部門ベストセラー】

1 君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉社
2 リバース 湊かなえ 講談社
3 豆の上で踊る 湊かなえ 新潮社
4 火花 又吉直樹 文藝春秋
5 ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾 KADOKAWA
6 雪煙チェイス 東野圭吾 実業之日本社
7 アキラとあきら 池井戸潤 徳間書店
8 虚ろな十字架 東野圭吾 光文社
9 ぼくは明日、昨日のきみとデートする 七月隆文 宝島社
10 小説 君の名は。 新海誠 KADOKAWA

【トーハン調べ 文庫部門ベストセラー】

1 君の膵臓をたべたい 住野よる 双葉社
2 リバース 湊かなえ 講談社
3 火花 又吉直樹 文藝春秋
4 豆の上で踊る 湊かなえ 新潮社
5 ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾 KADOKAWA
6 雪煙チェイス 東野圭吾 実業之日本社
7 アキラとあきら 池井戸潤 徳間書店
8 虚ろな十字架 東野圭吾 光文社
9 ぼくは明日、昨日のきみとデートする 七月隆文 宝島社
10 イノセント・デイズ 早見和真 新潮社

文庫でも住野よるが大活躍だ。夏に公開された映画版『君の膵臓をたべたい』も、実写邦画としては年間第2位(総合14位)の興行成績を残しており、大躍進の一年だったといえる。一方で、数字のわりに社会現象といえるほど広い世代に浸透してはいないようにも思える。来年以降この壁を越えられるかどうかにも注目したい。

それ以外では、湊かなえ、東野圭吾、池井戸潤と人気作家が順当にランクインした形だ。

あなたが今年読んだ本は何作品あっただろうか? 以上、2017年の年間ベストセラーランキングをお伝えした。