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ドリアン助川がフランス「読者が選ぶ文庫本大賞 2017」を受賞

2013年のドリアン助川の小説『あん』が、フランスの文学賞を受賞した。同作は日本でも映画化されるなど高い評価を受けていたが、フランスでは2016年に翻訳され、今年5月には文庫化もされるベストセラー作品となっていた。

2017年9月22日、ドリアン助川の小説『あん』がフランス「読者が選ぶ文庫本大賞 2017」(Les prix des lecteurs du Livre de Poche 2017)の文芸部門に選出された。同賞には7作品がノミネートされ、フランス国内の読書家130名による投票で受賞作が選ばれたという。助川にとっては、フランスで2つめの文学賞受賞となった。

2013年に発表された『あん』は、日本のどら焼き屋を舞台とした作品だ。評判の芳しくなかったどら焼き屋が、50年以上あん作りをしてきたという老婆を雇いはじめたことで一躍人気店となるも、その老婆が元ハンセン病患者だと判明し客足が遠のいていく――という物語になっている。2015年には河瀬直美の監督・脚本で映画化もされ、老婆役の樹木希林や店長役の永瀬正敏は多くの映画賞でその演技を表彰された。

この映画がフランスでも高い評価を受けたことから、助川の原作小説も『Les Délices de Tokyo』のタイトルで2016年に出版、一時はフランス版Amazonで外国文学部門の1位になるほどのベストセラーとなった。文庫化されたのは今年の春のことで、今回の受賞はこの文庫版が対象となる。

筆者の世代ではドリアン助川というと「深夜ラジオで中高生相手の人生相談をしていたおじさんというイメージがどうしても強いのだが、『あん』をきっかけに海外では小説家としての評価が非常に高まっている。フランスでは最近もほかの小説が翻訳されたばかりだ。音楽やアートの世界では国内以上に海外で高い評価を受けている日本人というのが多数いるが、助川はその小説家版になりつつあるのかもしれない。

ちなみにどら焼きは、ドラえもんの影響で「食べたことはないが存在は知っている」という人が海外には多いらしい。今回の受賞もクールジャパンの恩恵のひとつといえるだろうか。