はめにゅー

長崎の修道女(97)の映像を参加型アニメーションに『きおく きろく いま』今月末公開

97歳の修道女・橋口ハセさんへの長崎の原爆に関するインタビュー映像を元に、長崎県大村市で老若男女を問わない一般人による参加型アニメーションが制作された。

2017年7月29日より、長崎原爆を経験した97歳の修道女へのインタビュー元にしたアニメーション映画『きおく きろく いま』が公開される。本作は、ドキュメンタリー作品を手掛けながらストップモーションアニメの制作も行っている水本博之監督によるもので、老若男女を問わない一般人参加型作品となっている。

今回インタビュイーとなった修道女は、長崎市の橋口ハセさんだ。橋口さんはカメラの前で、貧しかった子ども時代や原爆被害の救護に駆け付けた当時の体験を語った。そのインタビュー映像から引き出した写真を下絵として、1枚1枚つなぎあわせることで制作されたのが本作『きおく きろく いま』だ。特筆すべきは、その写真を実際になぞって描いていったのが長崎県大村市の一般の人々だという点だろう。参加者は1500名にも上るという。

筆者も予告編を見てみたが、下絵を元に老若男女が様々なテイストで描いたものが味のある映像になっている。また、まさに原爆体験の生き証人として語る修道女のインタビューが、多くの人によって描かれ、共有されるということにも大きな意義があるだろう。修道女からの視点というのもポイントだ。完全ではないにしてもキリスト教国であるアメリカに原爆を落とされた長崎。修道女としてどのように語るのかも興味深い。

ちなみに橋口さんは現在、長崎・出津文化村内にあるド・ロ神父記念館の受付係と共にオルガニストを務めている。このオルガンは、明治中期から大正初期にかけて出津を含む外海地区で多くの人に慕われたマルコ・ド・ロ神父の遺品である。来館者が訪れるたび、橋口さんは「オルガンを弾きましょうか。いっしょに歌いましょう」と声を掛けているという。オルガンを聴いた人々からは感謝の手紙が多数届いていて、あの遠藤周作もオルガンに心を打たれたひとりだったという。いつまでもお元気でいてほしいものだ。

本作は同監督による『いぬごやのぼうけん』と共に下北沢トリウッドにて公開される。期間は8月11日までで、広島・長崎の原爆の日とも重なっている。ぜひ参加型アニメーションに観客として参加してみよう。