はめにゅー

織田作之助の『競馬』と交錯した、森山大道写真展「Odasaku」が2月15日より開催。

今年は織田作之助の没後70年。その割には全然イベントがないではないか。やはり忘れられた作家なのか。まずは先陣を切った写真展に足を運ぼう。

『Daido Moriyama: Odasaku』は、グラフィックデザイナー・パブリッシャーである町口覚が、世界的な写真家である森山大道の写真作品と日本の近現代文学を一冊の本という空間の中で交錯させることで、新しい表現力をもつ“書物”を生み出すプロジェクトである。織田作之助の短編小説『競馬』と、森山大道が二人の出身地である大阪で撮影した写真作品を交錯させた書物となり、今作は太宰治、寺山修司に続く第三弾。本書は英語にも翻訳され、世界にも発信される。その出版記念として開催される、森山大道写真展「Odasaku」は、収録された森山作品のプリントと共に、展示に合わせ新たに製作したシルクスクリーン作品を交えて、一冊の本の中で拮抗する織田作之助の言葉と森山大道の写真を、展示空間に解き放つ試みになる、とのこと。中目黒「POETIC SCAPE」にて、2月15日(水)より3月5日(日)まで。

 

織田作之助の『競馬』は、昭和21年4月の作品である。青空文庫で読むことが出来るので、予習をしてから本展に足を運ぶのが良いだろう。テンポよく、さらりと読める短編である。これぞ正に「大人の童話」と言うに相応しい作品だ。さらにオダサクは同じ昭和21年4月に『世相』も発表している。既に『NBF』でお読み頂いた通り、これらの作品によって好評を博したオダサクは、その後怒涛の勢いで連載小説を乱発し、太宰治や坂口安吾以上の地位を手に入れるのである。

 

そして、今年は織田作之助の没後70年となる年。この写真展もそれに関連したイベントなのか、それとも単なる偶然か。全然イベントがなく、全く盛り上がっていないではないか。オダサクファンの僕自身ですら、オダサクは知名度のない忘れられた作家だよね、とばかり不遇自慢してしまっているからなのかもしれない。だって、子どもに言っても分かるはずがないのだから、と卑屈になるのはやめにして、全国のオダサクファンは、とりあえず中目黒に集合だ。