はめにゅー

吉右衛門版『鬼平犯科帳』12月2日&3日の放送でついにファイナル

1989年よりフジテレビ系で放送されてきた中村吉右衛門版『鬼平犯科帳』が、今週末でついに28年間の歴史に幕を下ろす。原作者・池波正太郎が自らオファーを出した吉右衛門版は、平成以降最も成功したテレビ時代劇といっても過言ではなく、そのラストはファンならずとも見届けたいところだ。

池波正太郎原作・中村吉右衛門主演によるテレビドラマ『鬼平犯科帳 THE FINAL』が、2016年12月2日(金)および3日(土)に2夜連続で放送される。吉右衛門版の『鬼平』はこれまで計149本のエピソードが放送されていたが、昨年の時点で「150本目で終了する」とアナウンスされており、今回の放送をもっていよいよ28年の歴史に幕を下ろすこととなる。

池波正太郎の原作小説『鬼平犯科帳』は、1967年から20年以上にわたって「オール讀物」誌上で連載された時代小説だ。過去にたびたびドラマ化・映画化されているほか来年にはアニメ化も予定されているなど、代表作と呼ぶに相応しい人気シリーズとなっている。そんな中でも1989年からはじまった中村吉右衛門版ドラマは、出演者の演技のみならず演出や音楽等も含め非常に評価が高い。

高評価の背景には、吉右衛門と『鬼平』との浅からぬ縁も関係しているのだろう。主人公・長谷川平蔵(鬼平)は江戸時代中期に実在していた人物だが、キャラクター造形に関しては吉右衛門の父・8代目松本幸四郎がモデルと言われており、最初のドラマ化(1969)の際には実際に8代目が鬼平を演じている。現在のシリーズでの吉右衛門の抜擢も、「父親にそっくりだ」という池波本人の強い希望によって実現したものだった。つまり吉右衛門版は、原作者のイメージどおりの映像化作品だといえるのだ。

また、勧善懲悪になりがちなテレビ時代劇にあって、清濁併せ呑む鬼平の存在が異色に映ったというのも視聴者に受けた原因ではないだろうか。SNSでの反応を見ればわかるとおり、吉右衛門版『鬼平』は近年の時代劇としては異例なほど若年層のファンが多い作品だった。

終了を惜しむ声は大きいが、惜しまれながら終われるというのも幸福なことだ。人間国宝・中村吉右衛門による最後の鬼平をしっかりと見届けたい。