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クライスト賞に多和田葉子 ドイツ人以外の受賞は異例 

ドイツで最も権威ある文学賞、クライスト賞の2016年度受賞者に多和田葉子が選ばれた。ドイツ語作品が対象であるため外国人が受賞するのは異例で、「ユニークなドイツ語の使い方で、新たな表現の可能性を示した」のが受賞理由とされる。

クライスト協会は2016年11月18日(金)、今年度のクライスト賞に多和田葉子を選出したことを発表した。クライスト賞は1912年に設立された文学賞で、ドイツでは最も権威ある文学賞として知られる。過去にはノーベル文学賞作家のヘルタ・ミュラーも受賞しているなど、世界的にも注目度の高い賞だ。

海外の文学賞を受賞した日本人作家といえば近年では村上春樹が有名だが、今回の多和田葉子のケースとは意味合いが大きく異なる。村上春樹が受賞してきた各賞が翻訳を前提とした国際的なものであるのに対し、クライスト賞はドイツ語で書かれた作品を対象としたドメスティックな文学賞だからだ。そのためドイツ人以外が受賞することは稀で、外国籍作家の受賞はオーストリアの詩人ゲルト・ヨンケ(2005年)以来のこととなる。

現在ベルリン在住でドイツの永住権も取得している多和田葉子は、これまでに日本語だけでなくドイツ語でも多くの作品を発表してきた。日本国内ではこれまで芥川賞・谷崎賞・野間賞など数々の大きな文学賞を受賞してきているが、ドイツで大きな文学賞を受賞したのは今回が初だ。翻訳というフィルターを通しての評価ではなく、意図したままの形で作品が評価されたことは、作家として非常に意義深いのではないだろうか。

受賞理由としては、「ユニークなドイツ語の使い方で、新たな表現の可能性を示した」とされている。