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献血で50ドルまで延滞料を免除 西フロリダ図書館でユニークな取り組み

延滞料制度のあるアメリカの図書館では、延滞料を免除することで資料返却を促そうというキャンペーンがたびたび実施されている。西フロリダ公共図書館ではこのたび、献血と引き換えに最大50ドルまでを免除するプログラムを発表した。

アメリカ・フロリダ州にある西フロリダ公共図書館は2016年6月20日(月)、献血と引き換えに延滞料の免除を行うことを発表した。実施されるのは28日(火)午後4時からで、最大50ドルまでの延滞料が免除される。

日米の図書館における最大の違いは、延滞料の有無だろう。日本の公立図書館では、資料の返却期限を多少過ぎてしまったところで謝れば済む。だがアメリカでは、1日でも過ぎたら厳格に延滞料を徴収されることになる。図書館によって料金は違うが、概ね1日あたり15~30セント程度に定められているようだ。

公立図書館の運営は市民の税金によって行われているので、その恩恵は全市民が平等に受けられなければならない。誰かが資料返却を遅延したら、他のすべての利用者が損失を被ることになる。延滞に対して罰則を設けるという制度は合理的だといえる。

一方で、延滞料の存在がかえって資料返却を阻害しているという見方もある。1週間程度の延滞ならば罰金も微々たるものだが、もし借りていたこと自体をすっかり忘れて何年も経過していたとしたら、どうだろうか。日本円にして数万円にまで膨れあがってしまうこともあるだろう。すると、延滞料の請求をおそれて図書館に近寄らなくなる利用者が出てくるのだ。

図書館側の本音としては、延滞料の未払いよりも、貴重な資料を失うことの損害の方が深刻だ。そこで近年、アメリカ各地の図書館では、延滞料免除キャンペーンを実施することが増えている。一例を挙げると、2012年9月にシカゴ公共図書館でが実施された際には、なんと10万点もの資料が戻ってきたという。

ただ、ルールが定められている以上、図書館も無条件で延滞料を免除するわけにはいかない。それで今回の献血キャンペーンのようなユニークな取り組みが発案されたわけだ。今後も同様のキャンペーンは全米に広がっていくだろうが、その際には「どういう交換条件が示されるのか」にも注目してみると楽しいだろう。