日販のニュースリリースによると、2015年度の決算概況では雑誌の売上が9.9%減2,434億円、書籍の売上が0.5%増の2,475億円となり、32年ぶりに書籍の売上が雑誌を超えた。

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
書籍 249,102 261,026 258,671 246,419 247,597
雑誌 303,378 299,530 288,929 270,196 243,454

雑誌苦戦の理由として女性向けファッション誌やティーン誌の低調が挙げられている。また、創刊数91点に対して休刊数は177点と、雑誌刊行点数の少なさも売上減少の要因となっているとのこと。日経新聞の取材によれば、「この1年でコンビニで雑誌が売れなくなった」そうだ。

この一年でコンビニ雑誌に打撃を与えたものが具体的に語られたわけではないが、たとえばdマガジンのような雑誌定期購読サービスなども挙げられる。また、女性向けファッション誌・ティーン誌に関して言えば、ターゲットである女性の興味・関心がInstagramなどのSNSに奪われているのも大きいだろう。

いずれにせよ、インターネット以降の雑誌苦戦はここ10年ほど続いているトレンドであり、個別の要因がなんであれ、雑誌の売上が書籍を下回るであろうことは予見されていた。運命の日がついに訪れたということだろう。

このトレンドについてはCNET Japan「出版不況は終わった? 最新データを見てわかること」という記事にわかりやすいグラフがあり、1996年のピークを境に書籍市場全体の売上が落ち続けているのがよく分かる。

ある一定以上の世代にとっては「雑誌がトレンドを作っていた」という言葉に納得できるものがあるはずだが、トレンド発生装置としての雑誌が機能しなくなった以上、「トレンドを作って消費を促進する」という考え方をそもそも改めなければいけない時代なのかもしれない。