はめにゅー

重版出来。かわいい絵本をひねったパロディ絵本

ふいにTwitterで拡散してリバイバルしたり再ブームになったり、また、発掘される商品やネタというものがある。このたび130周年を迎えた老舗児童書出版社が、そういう理由で脚光を浴びている。

1994年に出版された『3びきのかわいいオオカミ』(E.トリビザス文 H.オクセンバリー絵 こだまともこ訳)がTwitterで拡散し、6月9日の再版が決まった。『3びきのこぶた』のパロディであるこの絵本の著者トリビザス氏は、ギリシャの犯罪学者である。コミックな作風のH.オクセンバリーによる凶暴な豚の絵は、しっかりと笑いを誘うものだ。

では、初版から20年以上が経ったこのタイミングでなぜだ?と言っても、これといった理由はないのかもしれない。理由があったとしても、それほど特筆するようなことではないだろう。Twitterについて語るよりむしろ、長く続けていればふいに良いことが起こりうる、と勇気づけられる事象なのではなかろうか。今年、出版元である冨山房は、創業130周年を迎えるのだ。

冨山房は、千代田区神保町の出版社である。明治19年の創業であり、児童書以外にも辞典・海外文学・日本文学、かなりマニアックなラインナップをそろえている。英米故事伝説辞典、妖精事典、フォークナー全集など、手に取ってみたい作品をそろえている。筆者は冨山房のHP(http://www.fuzambo.net/)を興味深く閲覧し、そこで初めて『気違い部落周游紀行』(きだみのる著)という差別用語が二つ入っている作品を知った。