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日販が2016年上半期ベストセラーを発表、一位はあの文芸書に

大手取次会社である日販が2016年上半期のベストセラーを発表した。総合ランキングで一位になったのは著名人が著名人について書いたあの文芸書だった。

二大取次の一角である日販が本年度上半期(2015年11月27日~2016年5月25日)のベストセラーを発表した。栄えある第一位に輝いたのは石原慎太郎『天才』。作家としてまた政治家として名を馳せた石原が昭和の大政治家田中角栄について一人称で書いた小説である。主な購買層は60〜70代。

文芸書に焦点を当てると、3位の宮下奈都『羊と鋼の森』と4位の住野よる『君の膵臓をたべたい』がランクインしており、両書はともに本屋大賞受賞作である。なお、『君の膵臓をたべたい』は小説投稿サイト「小説家になろう」が初出であり、「なろう小説」がベストセラーリストに上り詰めたという意味で、文芸ビジネスの現在を体現する作品だといってよいかもしれない。5位には又吉直樹『火花』がランクインしており、根強い人気がうかがわれる。

その他のランクは児童書、自己啓発書、実用書が占めており、小保方晴子『あの日』などもランクインしている。リンク先の日販のWebサイトではジャンル別のランキングも見ることができるため、コミックや新書などのランキングを眺めてみても世相が感じられて面白いかもしれない。

昭和の作家兼政治家が昭和の大政治家について書き、それを高齢者が買うことでベストセラーの一位になったというこの事実は、誰がカネを回しているのかを如実に語っており、現在の日本経済の縮図とも取れるだろう。