日本近代文学館では、森鴎外の「舞姫」に関する夏季企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅲ──森鷗外「舞姫」とその時代」を6月29日から開催する。

日本近代文学館では、教科書に長く収録されている文学作品に注目し、「教科書のなかの文学/教室のそとの文学」として、芥川龍之介の「羅生門」、中島敦の「山月記」を扱った企画展を過去に行ってきた。今回、第三弾として選ばれたのは、森鴎外の「舞姫」である。

ベルリン留学中の日本人学生とドイツ人少女の悲恋を扱った小説「舞姫」が、徳富蘇峰の依頼により雑誌『国民之友』で発表されたのは1890年1月のこと。それから時を経て、1957年には高校の国語科教材となり、以来長らく教科書お馴染みの作品として読み継がれている。60年以上学び継がれる「舞姫」は、現代の我々に何を問いかけているのか。企画展では作品そのものを扱る第一部と、当時の森鴎外の近辺を探る第二部で構成し、「舞姫」の姿を追っていく。学生時代を思い出しつつ改めて小説の世界に思いを馳せられる展覧会となりそうだ。

また、期間中の7月20日には、ドイツ・ベルリン在住作家である六草いちか氏による、当時のベルリンと森鴎外に関する講演会「鷗外のベルリン 『舞姫』のBERLIN」も開催される。こちらも注目である。

夏季企画展「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅲ──森鷗外「舞姫」とその時代」は日本近代文学館で6月29日から9月14日まで開催される。観覧料は一般300円、中高生100円。休館日は日曜日・月曜日・第4木曜日である。詳しい情報は下記リンクを参照のこと。