回文「平成の政変、令和の月」

メビウスの福袋(第3話)

大猫

473文字

新しい元号を寿ごうと思い立ち、景気づけに一杯ひっかけて回文を作り始めたらこんなのになってしまいました。
意味不明御容赦、ていうか、回文ってだいたい意味不明なの。

令和、那覇の友よ。

清い月の遠くハロゲン電気。

維新信念瓦解変身。

平成政変! 新陛下元年、真摯。

いきんで、ん~! ゲロ吐く音のきつい夜。

清元の花輪入れ。

 

れいわなはのともよ

きよいつきのとおくはろげんでんき

いしんしんねんがかいへんしん

へいせいせいへんしんへいかがんねんしんし

いきんでんげろはくおとのきついよ

きよもとのはなわいれ

 

 

<鑑賞の手引き>

令和を迎える夜を那覇の友と迎えようとしたのだが、

清らかな月は雲の向こうで、仕方なくハロゲン電気の照明で月の代用とした。

猛威を振るった維新の会も信念は脆くも瓦解し別の党みたいに変身してしまった。

平成に政変が起きて新陛下の元年となったわけだが、真摯な方でよかった。

などとしみじみ話していたら、急に友達の気分が悪くなり、

ん~といきんでゲロ吐く音が一晩中続いたきつい夜となった。

こんな夜には清元の花輪入れをそばに置こう。

……クーデータで平成が終わったかの如き書きぶりで、後世の人々に令和が誤解されるかも

しれないが、これも回文のなせるわざである。それにしても「清元の花輪入れ」って何だろう?

2019年4月30日公開

作品集『メビウスの福袋』第3話 (全12話)

© 2019 大猫

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