皇太子の徳仁が、講演集「水運史から世界の水へ 」をNHK出版から4月4日に発刊することが分かった。

徳仁は皇族としての職務の傍ら、歴史学者(特に交通史・流通史)として研究や各国で講演を行うなどしている。講演集「水運史から世界の水へ 」は、1987年のテムズ川の水運に関する初講演に始まり2018年までに行われた8回にわたる徳仁の水運史に関する講演をまとめたものである。内容細目は以下の通り。

第1章 平和と繁栄、そして幸福のための水
第2章 京都と地方を結ぶ水の道 ―古代・中世の琵琶湖・淀川水運を中心として
第3章 中世における瀬戸内海水運について ―兵庫の港を中心に
第4章 オックスフォードにおける私の研究
第5章 17~18世紀におけるテムズ川の水上交通について
第6章 江戸と水運
第7章 水災害とその歴史 ―日本における地震による津波災害をふりかえって
第8章 世界の水問題の現状と課題 ―UNSGABでの活動を終えて
参考収録 Quest for Better Relations between People and Water

徳仁は著書の冒頭において「水問題は、あたかも水がどこにでも流れていくように、世界の紛争、貧困、環境、農業、エネルギー、教育、ジェンダーなどさまざまな分野に縦横無尽に関わってきます。」「水を通してこれらの問題に関心を持つことができたことは私にとりとても有意義であり、私の視野を大きく広げてくれた「水」に感謝しています。」と語っている。徳仁の皇太子以外の側面に光が当たる講演集となりそうだ。

なお、徳仁は今上天皇明仁の長男として、明仁の生前退位により5月1日に次代天皇(日本国憲法に定められた「国民の象徴」とされるもの)に即位することとなっている。苗字が存在しないため、著書は「徳仁親王」名義となっている。

講演集「水運史から世界の水へ 」はNHK出版から4月4日に発刊される。詳しい情報は下記リンクを参照のこと。