東京・上野の森美術館で開催中の[世界を変えた書物]展に行ってみた。本展の概要についてはこちら

 

到着したのはメキメキ秋めく午後3時。秋眠暁を覚えずとは誰が言ったか言わなかったか、本来ならもっと早い時間に着いてシャンシャンでも見てみようかな、と考えていたが現実はかくも厳しいものである。午後5時に閉館するということなので急いで入館。館内は不自由さが無い程度のほどほどの混雑具合だった。

 

入ってすぐ目に飛び込んできた光景がコレである。

 

 

中二病患者は是非行くべきという口コミを事前に目にしていたが、確かにこれは邪気眼が疼く。実際、ジャキガニズムを感じる衣装を身に纏った方々もちらほらいらっしゃった。魔導書や古文書がぎっしりと詰まった、天井まで届く本棚の並ぶ図書館。失われた古代語を解読し、禁じられた呪術や不老不死の秘術の研究をする……などと妄想してみても、この場所には本当に錬金術や占星術にまつわる書物があるのだから、これは中二病とか邪気眼とか揶揄されるものではなく、現実にあるものとして捉えるべきなのだ。なんなら一冊くらいは魔物や妖精が取り付いてるとか、喋りだす本があってもおかしくないような雰囲気である。こういう部屋に住んでみたいと思うジャキガニストも少なくないだろう。まぁ既に美術館の周りには住みついている方々が沢山おられたので、機関の監視から逃れてその夢を叶える事は難しくないかもしれない。とはいえ、会期は9月24日までなので急ぐべし。

 

 

なんと館内全て写真撮影OK。しかし美しく描かれたページの数々は是非とも実際にその目で見て頂きたい。あくまでも稀覯書の展示ということで肝心の中身については良く分からないのが本音であるが、ひとつひとつの書物に丁寧な解説がついているので安心だ。そしてなにより世界を変えた書物を目にしたことがあるというだけで、理系の方々に対してマウントを取る場合にもかなり有効だろう。

それ以外にも偏差値の高そうなパネルと映像解説、実際に触れることができる稀覯書のレプリカなどもあり、展示の意図とは全く異なるだろうが、ジャキガナイズされた空間を存分に楽しむことが出来た。

 

そのほか周辺施設でも、国立科学博物館では特別展「昆虫」、国際子ども図書館では展示会「『赤い鳥』創刊100年―誌面を彩った作品と作家たち」、国立西洋美術館では「[企画展示室]ミケランジェロと理想の身体」等々、興味深い展示が多数開催中なので、もっと早い時間から行動できる身体的に健康な中二病患者であれば、まるっと一日どころか、とても一日では回り切れないほど「芸術の秋」を満喫できることは間違いない。

 

最後に余談だが、上野駅では「パンダのうんこ」なるお土産が600円くらいで売っていた。9個入りのうち1個だけ本物が混ざってるくらいの遊び心があるとかないとか。この先は是非皆さんの目で確かめて頂きたい。