きみはおびえていたのだ
光の予感のなかで
過去形の詩句のなかで
見ることは、またひとつ終わらせること
なぜ詩人は、四角に切り取ったのか
世界を
見ることは、四角く見ること
ノーマルな視線とは、春の渓流に垂らされた
神の釣り糸のような
山女魚の少し手前
流れを裁つことなく光は
水中を遡っていく
鱗の集合に跳ね返し
ぼくは愛する
糸の引きを
それが、透明な抵抗の瞬間だからだ
まだ訪れない
影の跳躍はずっと先にあって
きみに見ることはできない
糸の先の
糸の先を
どうして、直線でなければならなかったのか
愛とは、その手前の
少しのためらいのことだったはずなのに
むしろ光を覆う
ナイロンのベールのことであったのに
2018年9月7日公開 2018-09-07T00:41:32+09:00 2019-04-02T21:51:57+09:00
読み終えたらレビューしてください
面白かったり、気になったらSNSでシェアしてください。
シェアしていただくと作者がやる気を出します。
長崎 朝 2018 年 12 月 14 日 長崎 朝 2018 年 10 月 26 日 長崎 朝 2018 年 10 月 12 日 
長崎 朝 2018 年 8 月 5 日 
長崎 朝 2018 年 7 月 24 日 長崎 朝 2018 年 5 月 4 日 
長崎 朝 2019 年 3 月 18 日 長崎 朝 2018 年 3 月 9 日 
長崎 朝 2019 年 9 月 9 日
長崎 朝 2018 年 7 月 24 日 長崎 朝 2019 年 6 月 19 日
長崎 朝 2018 年 12 月 14 日 
西向 小次郎 2024 年 4 月 17 日 New
眞山大知 2024 年 4 月 12 日 
永海番陽 2024 年 4 月 11 日 
W-E aka _underline 2023 年 6 月 12 日 
おしゃれなコケシ 2022 年 7 月 11 日 
樋口恭介 2022 年 6 月 16 日 
"ある視線について"へのコメント 0件