2017年11月26日、松山市は第15回坊っちゃん文学賞の選考結果を発表した。小説部門は鈴川紗以氏の「ルカの麒麟」が大賞に輝き、ショートショート部門には塚田浩司氏の「オトナバー」が選ばれた。応募作品数は、両部門をあわせて1941点と過去最高だった。

小説部門を受賞した鈴川氏は兵庫県在住の54歳。受賞作は1930年代のプラハを舞台にはじまる物語で、時代に翻弄される2人の若者の姿を描いた。審査員を務めた高橋源一郎は、プラハという舞台設定に惹かれたと語っている。

一方、今回新設されたショートショート部門を受賞した塚田氏は長野県在住の34歳で、老舗料亭の7代目当主という変わった経歴の人物だ。仕事の合間を縫ってスマートフォンで書いたという受賞作は、小学生がバーで人生相談をするというショートショートらしい不思議な世界観の作品となっている。

受賞作はいずれも、2018年2月発売のHanako誌上に掲載される。過去の受賞作には映画化され大ヒットした作品もあったが、はたして今回はどうなるだろうか。