常識をはるかに超えた名の特別展「リスペクト 好き好き大好き」が、鎌倉文学館で10月1日からスタートする。「好き好き大好き」と言っても、既に文学史に刻む勢いのジュ・テームという意味合いではなく、「尊敬・敬意という意味合いでのリスペクト」であるということなので、BL的な勘違いの無きよう注意されたし。

 

本展では、夏目漱石×正岡子規、太宰治×芥川龍之介、三島由紀夫×川端康成といった定番のカップリングをはじめとした、鎌倉ゆかりの文学者10組のリスペクトの諸相を貴重な資料で紹介する他、文豪同士の関係を深く掘り下げる関連イベントも予定されているので詳しくは公式サイトをご照覧あれ。リーフレットによると、太宰治の例のノートも展示されるようだ。

 

明らかにアニメやゲームの影響であろう、ここ最近文豪ゆかりの記念館や文学館でのイベントが、マスコミでも報道されるほど盛況のようである。文学館なんて普段は全く話題にすらならないのだから、注目を集めている今、積極的にイベントを行うべきであろう。副産物として倉庫の片隅に追いやられていた新資料も続々と発見されるなど、文学史的にも良い影響があるようだ。

 

本展は期間中に毎年恒例、秋バラの開花に合わせた鎌倉文学館フェスティバルもあるので、コンサートやカフェも楽しむことができ、正に芸術の秋にもってこいのイベントとなるだろう。よもや、戸川純が来る訳ではあるまいが。