泉鏡花(1873/11/4~1939/9/7)の出身地・金沢における五年に一度の記念事業、金沢泉鏡花フェスティバルが11/15~19の日程で開催される。会期中には松浦理恵子『最愛の子ども』が受賞した泉鏡花賞授賞式の他、映画『天守物語』の上映、さらには演劇や朗読、展示に加え、参加型イベントなども数多く予定されているので、詳しくはホームページをご照覧あれ。

 

『夜行巡査』『外科室』『高野聖』などの作品で知られ、日本における幻想文学の旗手と称される泉鏡花については、もはやこれ以上の説明は不要であろう。本イベントは「〜「怪奇」「幻想」「粋美」さまざまな魅力の鏡花に会える五日間〜」と題しており、鏡花氏の作品世界の魅力を存分に味わうにはこれ以上ないイベントである。

 

鏡花氏はその幻想的でロマン主義的作風から数多くの作品が絵画や映画、舞台などに発展し、さらには鏡花氏自身も尾崎一門との関係、極度の潔癖症、ウサギ好きなど数々の逸話のおかげか、メディアミックスでの人気が高いようである。もちろん本イベントでも「大人鏡花記念館ー幻妖粋美 泉鏡花とメディアミックス」という展示企画が予定されており、文学方面以外からも話題を呼ぶことは間違いないだろう。

 

なお、本イベントの会場は「金沢市民芸術村」であるが、同市の「泉鏡花記念館」でも企画展「1917―大正6年の鏡花」が開催中であり、“鏡花愛玩兎コレクション”が展示中とのことなので、併せて足を運ぶ事をオススメしたい。驚くべき文章の力で虚構の世界を造りあげる鏡花氏の「小説の思想」を、貴方も是非この絶好の機会に触れて頂きたい。