2017年10月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは10月1日~10月31日に更新された新着ニュース部門から見ていきたい。

第10位~第4位

第10位: 2017年ブッカー賞にG・ソーンダーズ 2年連続でアメリカ人が受賞(10/23)
第9位: 「春琴抄」~<虚>と<実>の迷宮~、芦屋市谷崎潤一郎記念館で開催中(10/4)
第8位: 『ブレードランナー2049』公開記念 早川書房1階で「PKD酒場2017」営業中(10/19)
第7位: 田山花袋と国木田独歩、二人の関係に迫る特別展が開催中(10/30)
第6位: 丸善日本橋店が「日本橋BOOKCON」を開催 10月18日~20日(10/17)
第5位:  第27回 神保町ブックフェスティバル、11月3~5日に開催 1000万冊の本集う(10/23)
第4位: 2017年度ノーベル文学賞はカズオ・イシグロ氏に決定 日系イギリス人の作家(10/5)

今月の10~4位はこのような結果となった。ノーベル賞、ブッカー賞と大きな文学賞の結果が注目をあびる一方で、各種文学連イベントへの注目もあつまっている。6位のBOOKCON以外はまだ現時点でも開催中なので、興味のある人は早めに訪れてみよう。

第3位

目次だけで見る文芸誌2017年11月号(10/12)

定点観測コンテンツが、今月はこの位置だった。11月号では新潮、すばる、文藝と3誌で新人賞の発表があったので、注目の高さもうなずける。また、なにかとタイムリーな温又柔が「なぜ日本語で書くか」について語っているという点も多くの読者の興味を誘ったのではないだろうか。

第2位

文藝春秋・松井社長が全国図書館大会で文庫本の貸出中止を要請(10/12)

読書家であれば誰もが一度は思いを馳せたであろう重大な問題が、今月の第2位にランクインした。たくさんの本を読みたいと思っても、石油王でないかぎりはどうしたって限度がある。筆者も10代のころは週に3回以上は図書館に通い詰めたものだ。一方で、出版社が潤わなければ新刊を出すことができなくなるという現実的な問題もある。筆者個人としては、松井社長の「単行本は図書館OK、文庫本はNG」という落としどころは悪くないと思うのだが、それでも反発は大きいようだ。

第1位

『広辞苑』第七版が2018年1月発売 10年ぶり改訂へ(10/24)

10月のアクセスランキング第1位は、国民的辞書『広辞苑』の改訂に関するトピックだった。『広辞苑』といえば、実際に閲覧したことがない人でも名前は知っているほどの超有名辞書だが、改訂は10年ぶりとなる。刻一刻と新しい言葉が生まれては消えるこの時代にあって「10年」という歳月はあまりに長すぎるが、むしろ「紙の辞書」の立ち位置をあえて明確にするにはちょうどいいタイミングであるかもしれない。明確に定着した言葉だけを採録していくという紙の辞書のありかたは、数十年後には貴重な資料となるのではないだろうか。

既報ニュース部門

つづいて、9月までにアップされたニュースのなかで10月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: ドリアン助川がフランス「読者が選ぶ文庫本大賞 2017」を受賞(9/24)
第4位: 相鉄が「鉄道小説大賞」初開催 30枚以内の短篇・SSを募集(8/3)
第3位: 氷室冴子青春文学賞(仮)が今秋創設へ エブリスタとの連携も (4/8)
第2位: 温又柔が宮本輝による芥川賞選評に憤慨 同調する作家も(8/15)
第1位: 「絶望名言」が4月よりレギュラー化 ラジオ深夜便の人気コーナー(4/21)

またしても「絶望名言」についてのニュースが1位に輝いた。隔月で放送されるコーナーとあって、偶数月には毎回アクセスが上昇している。10月の放送回では中島敦の言葉が取り上げられたようだ。あと1週間ほどはNHKのサイトから当該回を無料聴取することが可能なので、気になる人はぜひチェックしてみよう。2位以下には、これまでも高い注目を浴びてきたニュースが並んでいる。

以上、10月にアクセス数の多かった文学ニュースを総ざらいしてみた。果たして11月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。