2017年1月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは1月1日(日)~1月31日(火)に更新された新着ニュース部門から見ていこう。

第10位~第4位

第10位: 奥州市立胆沢図書館が猫の館長を募集中 (1/19)
第9位:  遠藤周作「沈黙」新潮文庫版、累計部数200万部を越える  (1/19)
第8位:  フアン・ルルフォ財団、フアン・ルルフォ生誕百周年の活動を開始する (1/13)
第7位:  第156回芥川賞に山下澄人、直木賞に恩田陸 (1/19)
第6位:  日販×デジタルハリウッド「書店体験を変えるIoTプロダクト HACKATHON」開催! (1/22)
第5位:  はめにゅー 2016年アクセスランキング ベスト30 (1/6)
第4位:  「世界で最も美しい本」展示中。(1/11)

新年早々、はめにゅーらしいラインナップとなった。IoTから地方図書館のユニークな試みまで、幅広いニュースに注目が集まったようだ。遠藤周作の「沈黙」や芥川・直木賞といったタイムリーな話題も人気だった。筆者個人としては、4位の「世界のブックデザイン展」にはほぼ毎年足を運んでいてそのたび新たな着想を得られているので、ぜひ読者各位にもおすすめしたい。

 

第3位

青空文庫、新たにパブリックドメインとなった19人の作家の作品を公開(1/7)

毎年1月恒例、青空文庫のニュースが注目を集めた。今年新規にパブリックドメイン入りをした作家陣では、ビッグネームといえるのは鈴木大拙ぐらいだろうか。いずれにせよ、過去の名文をあらためて評価する機会が得られるというのは素晴らしいことだ。しかし、今回このニュースが注目を集めたおもな理由は、青空文庫そのものの活動よりもTPP関連の話題なのかもしれない。ドナルド・トランプの余波はとどまることを知らない。

第2位

『コンビニ人間』の村田沙耶香、スペシャルトークショー&サイン会を開催。 (1/16)

村田沙耶香のイベントが2位にランクインした。村田沙耶香といえば、かねてより充分に人気の高い作家であったはずだが、やはりまだまだ芥川賞という権威の力は馬鹿にできないようだ。この1年でますます知名度が高まり、ファンも増えているようである。トークの面白い人なのかどうかはわからないので誰かレポートを書ける人がいればぜひお願いしたい。

第1位

目次だけで見る文芸誌2017年2月号 (1/8)

1月の第1位に輝いたのは、毎月恒例の文芸誌まとめ記事だった。注目の創作や評論が多かったためだろうか、いつも以上に多くのアクセスがあった。文芸誌の動向を一覧したいという需要は潜在的に高いのだろう。もともと「売れない雑誌」の代表格であった文芸誌だが、雑誌全般が地盤沈下していることで相対的に地位が向上しているのかもしれない。

既報ニュース部門

つづいて、12月までにアップされたニュースのなかで1月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見ていく。

第5位: 各都道府県立図書館のTwitter運用状況を調べてみた  (11/9)
第4位: 第40回すばる文学賞が決定 春見朔子氏「そういう生き物」が受賞(9/7)
第3位: 日本SF新人賞作家天野邊が警察より脅迫を受ける 4日、昼過ぎ (10/7)
第2位:「ハヤシライスの日」に丸善ジュンク堂書店がレトルトハヤシを新発売(9/9)
第1位: 宝島社、「まくら」付き書籍を発売 (12/3)

新着ニュース部門で5位に入った「2016年アクセスランキング ベスト30」の影響もあるのだろう、昨年注目を浴びたニュースのなかでも、「まくら」や「ハヤシライス」などユニークな話題のアクセスが伸びた。一方で、ずっと上位に君臨していた「文豪ストレイドッグス」関連の話題がついに姿を消したのは、流行のうつろいを思わせる。

果たして2月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。