11月11日、ロシアのシベリア地方の都市オムスクで、フョードル・ドストエフスキーの生誕195周年を祝うイベントが開催された。ドストエフスキーはオムスクに流刑されていた時期がある。

「白痴」「カラマーゾフの兄弟」などで知られるロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーは1821年11月11日に生まれた。1846年に処女作「貧しき人々」を発表しデビューする。だが、ミハイル・ペトラシェフスキー主催の空想的社会主義グループに参加していたことから、当時禁止されていた社会主義のシンパとされ1849年に死刑となり、刑執行直前に仕組まれた減刑によってシベリア流刑となった。これによりドストエフスキーはオムスクに流刑され、1854年まで過ごした。

今回のイベントは、オムスクの博物館や図書館、大学が協賛して開催された。ドストエフスキーが過ごしたオムスクの各地を、ドストエフスキーを愛する大学生やファンが「ドストエフスキーは不滅」、「ドストエフスキーは生きている」などと行ったプラカードを掲げながら行進した。行進の先頭では、流刑囚時代のドストエフスキーに扮した地元の俳優エゴール・ヴィチコさんが立って先導した。

2021年にドストエフスキー生誕200周年を迎えるロシアでは、連邦政府が祝賀準備委員会の設置を支持する決定を出すなど、偉大な文豪を思い返す熱気が高まっている。