2016年10月に人気を集めた「はめにゅー」の記事をおさらいする「月刊はめにゅー」。忙しくて毎日はチェックできないという人も、この機会に話題の文学ニュースをまとめて確認しておこう。

新着ニュース部門

まずは10月1日(土)~10月31日(月)に更新された新着ニュース部門から見ていこう。

第10位~第4位

10位: 本の町、神保町で「漱石フェス」を開催 今月8日から(10/3)
10位: 13日にノーベル文学賞受賞者発表 スウェーデン・アカデミーが決定(10/12)
9位: 目次だけで見る文芸誌2016年11月号(10/19)
8位: 2016年ブッカー賞をポール・ビーティー氏が受賞(10/26)
7位: 講談社が読み放題作品を削除され激怒もAmazonには想定内?(10/4)
6位: 第26回神保町ブックフェスティバル 10月29・30日に開催(10/26)
5位: 江戸川乱歩と萩原朔太郎の交流探る企画展「パノラマ・ジオラマ・グロテスク」 前橋文学館で開催中(10/13)
4位: 第47回埼玉文学賞 4部門の受賞者が決定(10/27)

先月同様、文学賞関連や文芸イベントのニュースに注目があつまっている。一方で7位のKindle Unlimitedに関する話題に多くのアクセスがあったことは、このサービスに対する文学ファンの関心がとりわけ高いことを表しているといえるのではないだろうか。

第3位

ピクシブと幻冬舎のコラボで「ピクシブ文芸」が10月27日スタート(10/13)

投稿サイト発のヒット作が数多く生まれている昨今、投稿サイトとの連携を強化しようと試みる出版社は増加する一方だ。そんななか、今回新たに、老舗イラスト投稿サイトPixivと幻冬舎とのコラボが実現した。これは、読み手側にとっても書き手側にとっても大きな事件といえるかもしれない。

第2位

Googleが人工知能トレーニングのためにライターや劇作家を募集中(10/12)

コンピューターの発達が人間の仕事を奪う可能性については大昔から論じられてきているが、「ついにここまできたか」というニュースが2位にランクインした。すでに一部の人工知能サービスでは、表面的な部分だけであればある程度自然な会話が可能となっているが、より完璧な「自然さ」を目指そうというのがこの試みだ。人間の書いた小説を人間が楽しめる時間は、あとどのくらい残されているのだろうか。

第1位

日本SF新人賞作家天野邊が警察より脅迫を受ける 4日、昼過ぎ(10/7)
2位と20倍近い大差をつけて10月の圧倒的1位に輝いたニュースは、作家・天野邊に関するニュースだった。一連の警察の行動は、たしかに「作家の行った文学的活動に対して国家権力が介入した」とも捉えることができる。いかなるジャンルであれ文学を愛好する者ならば、とても看過することはできない一大事といえるだろう。多くの関心が寄せられたのも頷ける話だった。

既報ニュース部門

つづいて、9月30日(金)までにアップされたニュースのなかで10月にアクセスの多かった記事もチェックしておこう。こちらは上位5本を一気に見てみよう。

第5位: 第53回文藝賞が決定 町屋良平氏「青が破れる」に(9/7)
第4位: 文芸社が草思社・文芸社W出版賞で原稿募集中(6/21)
第3位: 文豪ストレイドッグスと中原中也記念館がコラボ(6/10)
第2位: 第40回すばる文学賞が決定 春見朔子氏「そういう生き物」が受賞(9/7)
第1位: 1ヶ月で800冊!正体不明の本「文庫X」が話題(8/29)

先月に引き続き、話題の本「文庫X」についてのニュースが大きな関心を集めている。また、すばる文学賞と文藝賞の話題が上位にランクインしたのは、おそらく10月発売の文芸誌各誌において受賞作が掲載されたことによる効果だと思われる。

果たして11月はどのような文学ニュースが注目を浴びるのだろうか。