ノーベル文学賞を自身が受賞すると明らかになった後、長きに渡る沈黙を続け、いざ喜びの意思を表明したかと思えば、授賞式には先客の為参加せず……と紆余曲折の経緯を経ている、ボブ・ディランとノーベル文学賞の関係だが、今月10日のノーベル文学賞授賞式の場にボブ・ディランの影が全く見られない、と言う事態は回避出来そうだ。

ノーベル財団が5日に明らかにしたノーベル賞授賞式の式プログラム等によると、ボブ・ディランはスピーチを送付しており、ノーベル賞授賞式で代読される事となっている。ただ、この代読を誰が行うかは現時点では不明である。また、ボブ・ディランの友人である歌手のパティ・スミスが、ボブ・ディランの名曲「A Hard Rain’s A-Gonna Fall(はげしい雨が降る)」をロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏と共に歌唱する事が明らかとなった。パティ・スミスは授賞式前日の9日にも「模範となるモデルの重要性について」と言う題で講演を行う予定である。

ノーベル賞の規定では、ノーベル賞授賞式に参加しない場合、以後6ヶ月以内に記念講演を行う必要があるとされているが、このスピーチの代読がそれを満たす事になるかは不透明な状況である。

また、今日からノーベル文学賞受賞記念盤CD「ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ボブ・ディラン」が発売される。アサミ・ラムジフスキー氏による記事を見てボブ・ディランの作品を楽しみつつ授賞式を待つのも良いだろう。