ついこの間マンガ化をお伝えしたばかりの『君の膵臓をたべたい』の映画化がやっぱり決まった。浜辺美波と北村匠海のW主演。小栗旬、北川景子も出演。監督は映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」、テレビドラマ「となりの関くんとるみちゃんの事象」などを手掛けた月川翔。漫画原作の実写化が多いようである。脚本は映画「アオハライド」、テレビドラマ「働きマン」などを担当した吉田智子。こちらも漫画原作の作品が多いようだ。映画「君の膵臓をたべたい」は撮影は9月から10月にかけて行なわれ、2017年夏公開予定。

 

出版からわずか2年での映画公開とは早過ぎではないか。調べてみると、『陽だまりの彼女』は2008年単行本出版、2011年文庫化、2013年公開。『世界の中心で愛を叫ぶ』でも2001年単行本出版で2004年公開。やはり早い。冷める前にたべたい、ということなのかもしれないが、この消費の速さには危険も感じる。まるで桜の散るが如く。

 

既に伝えられている情報では、原作の物語と12年後を舞台にした物語のクロスストーリーになるようで、大幅な改変が予想される。原作には関係ないが、衝撃のネタバレもあった。やはり、この作品の映画化は一筋縄ではいかないだろう。ともあれ、すでに脚本は白紙で終わることなく完成し、撮影は始まっている。あの表現はどうなるのだろう。あのシーンはどうなるのだろう。ヒロインの笑い方はどうなるのだろう。

 

原作者の住野よるは映画化に関して自身のtwitterで「主人公達の一つの可能性として映画を楽しんでいただけると幸いです。」「小説と繋がった、未来や過去の話というわけではありません。言わば同じ題名同じテーマ同じ登場人物を使って作られた別の話くらいの感覚の方がよろしいかと思います。」など、原作と映画はあくまでも別物、と読み取れる趣旨の発言をしている。原作者も映画化には不安を感じているようだ。

不安になるほど脚本が改変されているのなら、逆に読んでない人の方が映画は映画として楽しめるのではないだろうか。実際に映画「陽だまりの彼女」の時は原作未読ファンと原作ファンの対立があった。「キミスイ」では何が起こるか楽しみである。そんなありふれた言葉で終わっては駄目なのだが。