ファースト・コンタクト

ぱるんちょ巡礼記(第9話)

ほろほろ落花生

1,374文字

第9章は生まれてこなければよかったということです。
反出生主義は今後検討されるべき課題だと思います。

愛情

 

「伊藤くん、もうここまできたら

君には出家くらいしか残ってないんじゃない?」

再び東京から弾き出される前に一度会っておきなさいと言われた

ずいぶんとお偉いらしい精神科教授先生のきわめて率直な意見を聞きながら

「僕もそんなところを考えてました」

照れ笑いしながら

この馬鹿野郎と

思っている

 

 

愛情

 

布団から病院までの道のりはまた果てしなく遠いよ

なにせ歩いて十五分もかかる

僕がつきそってやるから今日は行こうネと

前田くんの心意気

 

診察が終わった 帰り道

「前田くん、それにしてもどうしてそこまで俺を入院させたがるの?」

「君が入院してくれていると、僕が安心するから」

その一言が

いずれかの「我」に私を解放したわけではないが

安らぎの根は

そこにある

 

 

愛情 Ⅲ

 

2015年8月23日公開

作品集『ぱるんちょ巡礼記』第9話 (全10話)

ぱるんちょ巡礼記

ぱるんちょ巡礼記は2話まで無料で読むことができます。 続きはAmazonでご利用ください。

Amazonへ行く
© 2015 ほろほろ落花生

読み終えたらレビューしてください

この作品のタグ

著者

この作者の人気作

リストに追加する

リスト機能とは、気になる作品をまとめておける機能です。公開と非公開が選べますので、 短編集として公開したり、お気に入りのリストとしてこっそり楽しむこともできます。


リスト機能を利用するにはログインする必要があります。

あなたの反応

ログインすると、星の数によって冷酷な評価を突きつけることができます。

作品の知性

作品の完成度

作品の構成

作品から得た感情

作品を読んで

作者の印象


4.0 (1件の評価)

破滅チャートとは

"ファースト・コンタクト"へのコメント 0

コメントがありません。 寂しいので、ぜひコメントを残してください。

コメントを残してください

コメントをするにはユーザー登録をした上で ログインする必要があります。

作品に戻る