初めまして、児島啓祐といいます。

11月9日の文学フリマに初めて参加しました。会場に足を踏み込んだ瞬間から、その奇妙な熱気に圧倒されました。

世の中にはこんなにたくさん文章を綴ることが大好きな人がいるのだ!とかなり感動的な体験でした。つい、嬉しくなって、どんな物語ですか? どのような雑誌なのですか? と質問すると、みなさん作品への思い入れを語り出すんです! 買ってほしい、というのも勿論あるのでしょうけれど、なんだかお話してくれたみなさんとても楽しそうで、最初はちょっとはにかみながら話しているのですが、そのうちに「恐怖というものは、気持ちの悪いものとはまた違うんですね~ぼくのホラーは~」と活き活きしてきて、いつのまにか饒舌になっていました。なんだかお気持ち、よくわかりました。

破滅派の同人のみなさんとも、初めて直に会って、お話する機会がありました。緊張してしまって、なかなか声が掛けられず、破滅派のブースの前を三回も黙って通過してしまいました。それでもなんとかお話できて、居酒屋に初めて入って、打ち上げにも参加できました。

人のいっぱいいるところに行って来い、と尻を引っぱたいて送り出してくれた両親に感謝です。不思議な感じの雰囲気が、刺激になりました。くたくたな一日でしたが、行って良かったです。

帰ってきてから、何か書きたいなあという気分が高まって、パソコンを立ち上げて書き出すと止まらなくなり、風呂上りの半袖Tシャツのまま夜通し書き続けていたら、風邪をひいてしまいました。

とても当たり前で馬鹿だなあと思うことなのですが、なんだか不思議に嬉しい気持ちになりました。小説を書いていたら風邪をひいたんだぜ、と誰かに自慢したい気分でした。布団を被りながら独り、こほこほと笑うのも、なかなか幸福な時間でした。