2016年8月31日(水)、池波正太郎の人気時代小説『鬼平犯科帳』が誕生50周年を迎える2017年にテレビアニメ化されると発表された。プロデューサーは『時をかける少女』『サマーウォーズ』などで知られる丸山正雄が務める。 テレビ局、放送時間等はまだ未定だが、主役・鬼平のビジュアルはすでに解禁されており、期待は高まるばかりだ。池波正太郎作品がアニメ化されるのは、全作品を通じてこれがはじめてとなる。

『鬼平犯科帳』シリーズがはじめて発表されたのは、1967年の「オール讀物」誌上でのことだった。以後約20年にわたって全135作(+番外編1作)が発表され、累計発行部数は2700万部にも及ぶ。ドラマ化もたびたび行われており、特に2代目中村吉右衛門が主演した1989年からのシリーズは、ジプシー・キングスによる美しいエンディングテーマとも相俟って四半世紀にわたる大人気作品となった。

もとより池波正太郎はファンの多い作家だ。筆者の親戚には老舗書店の雇われ店長がいるが、そこは専門書や実用書がメインでほとんどフィクションの売れない店であるにもかかわらず、池波作品の文庫だけはコンスタントに売れるのだと聞いたことがある。

ファンの多い作品だけにアニメ化に不安を覚える人も多いかもしれないが、オフィス池波による「アニメにしかできない新しい鬼平の世界を表現していただきたい」というコメントのとおり、アニメならではの解釈に期待したい。