公益社団法人日本図書館協会は2016年6月22日(水)、 第24回参議院議員選挙の公示にあたって選挙への要望を発表した。これは立候補者に対して図書館整備を公約とするよう働きかけるもので、国政選挙や統一地方選の際には恒例となっている。

今回要望として掲げられたのは、以下の4項目だ。

  • すべての自治体に公立図書館を
  • 図書館協議会の設置推進を
  • 資料費の確保を
  • 学校図書館の整備充実を

いわゆる活字離れに歯止めをかけ、長期的に国民の教養水準を維持するためには必要不可欠な要望だといえるのではないだろうか。現政権下の教育政策では教養科目を軽視する方向に舵が切られていることもあり、図書館側からの意思表示だと捉えることもできる。

現に、これらの項目は2015年3月の統一地方選の際の要望と基本的には変わっていない。この事実は、図書館に関する政策が停滞していることの証左だといえる。

一方で、日本図書館協会の形骸化が進行しているだけだと捉えることも可能かもしれない。TSUTAYA図書館のような民間図書館事業の盛り上がりを受け、日本図書館協会の存在意義は揺らぎつつある。 主要事業のひとつであった図書選定事業が2016年3月をもって終了したことも記憶に新しい。

はたして図書館の整備をマニフェストに掲げる立候補者はどれだけ出てくるのだろうか。景気対策や外交政策の未来とともに図書館の未来も見守りたい。