日常。(17)

日常。(第17話)

mina

小説

1,225文字

何でこの僕が君に触られたり、キスされたり、
フェラチオされたりしなくちゃいけないんだ?悪いけど、
僕に触らないでくれないかな?

『君は金で僕に買われているだけの女なんだから』

「マジで今日も暇じゃない?」
「有り得ないよね‥」
「つーか、新宿も終わってるけど、池袋もかなり終わってる」
毎日こんな会話を店の友達とくり返してる。
個室待機の箱型ヘルスから集団待機のホテル
ヘルスになってから、お店での女友達は増え
たけど‥お店の景気は下がりっぱなしだった
「 ‥ 」
何のために風俗って仕事やってんだろ?とか
考えちゃうような時間が多すぎて、個室で1
人、待機して忙しくしている時が懐かしいな
‥なんて思い出に浸る日も多くなってきた
「 ‥ 」
毎日いろんな男の人達の相手をして、それが
お金になって、遊びながら仕事をしてる感覚
があった
男の人達はみんな私に優しかったし、それで
良かった
それに‥女同士の付き合いって‥かなり疲れ
る。妙な連帯感と劣等感、お金の貸し借り‥
従業員との付き合い、妙な恋愛感覚
「 ‥ 」

『僕のストレス解消なんだよ、君は』

私はどこでストレスを発散すればいいんだろう?
「今日さー歌舞伎町飲み行かない?」
「あー‥あんた今ハマってんもんね」
「もうハマりまくりでしょう!あいつイイ男だもん」
「はいはい、今日の稼ぎが3万超えたらね」
‥ホストの話しも、もう飽きた

『触るな、お前は今俺の言う事をタダ聞いてればいいだけだ‥それ以上は何もするな』

「はい、お仕事!」
「おっ、やった」
「ヤル気ありそうだね~、コスチュームはOLさんだから」
「コスチュームありなんだ‥」
「あれ?ヤル気失くしてる?」
「何か設定とかありそう」
「いいじゃん、楽しそうで」
そりゃアンタが接客するんじゃないもんね
今日は上司に怒られて、エッチなお仕置きさ
れちゃうОLか何かかなー‥
「アトランタホテルでお客さん待ってるからねー、よろしくー」
「はーい」

『あなたがそれを望むなら、私はそれに答えるわ』

待機してるビルのエレベーターに乗って、下
に降りる。ビルの入り口を出て‥アトランタ
ホテルに向かう
「 ‥ 」
約10分程歩いて、アトランタホテルに着く

「こんにちは」
そこにはごく普通のオジサンがいた

「どうも」
その人はやたらと愛想が良く、喋り方も優し
かった。だけど私がカラダを触ろうとすると
その人は私を避けた
「 ‥ 」

「君1人でシャワーを浴びてきてくれないかな?」
「あ、はい」
「それでこの服を着て」
「 ‥ 」
喋り方も優しいまんまだし、笑顔なんだけど
その人は明らかに私を避けていた
「いいねーやっぱり君にはこのコスチュームだね‥でさ、ソコに君は正座ね」
私はホテルの固い床の上に正座させられた。
しかもプレイ時間中ずっと‥
「 ‥ 」
足が痛くて死にそうだった。汗がたくさん出
てきて、息使いが妙に荒くなった

‥その人は私の苦しむ姿を見ながらオナニーをしていた

「あっ‥」

‥2人同時にイッてしまったみたいだ

『お前こんな事でイクなんて淫乱な女だな』
そう言ってその人は初めて私を触った

               end

2014年9月10日公開

作品集『日常。』第17話 (全70話)

© 2014 mina

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